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第一章 一話 その先輩は死にました。

第一章が何話まで続くかはわかりませんがとりあえず少年と先輩が始めて出会うシーンです。

電車の中は、いたって静かだ。

時々はしゃいでいる馬鹿も少々いるがそんなやつはほっとくが一番だ。

高校生になる前は、「電車通学」という物に憧れていたがいざなってみると結構シュールだ。

さっき言ったように一部の例外を除けば誰も話さないし、誰も動かない。

最初は結構ビクビクしてたが慣れればなんとも無い。

電車はいつもどおりの時間に駅についた。

学校の最寄の駅を降りて、定期券を通し、改札を潜り、学校へ歩き出す。

駅から学校までは、ほんの10分ほどで着く。

入学してから間もないので色々学校のこととかを考えているとすぐ時間は過ぎる。

校門に着きいつもどおり学校の中へ入っていった。

外でキャッチボールをしてる野球部とか吹奏楽部の演奏とか色々な物を聞いたり見たりしながら教室へ向かうわけだがこの日はいつもとは違くて、いつも誰もいない花壇には1人の上級生がいた。

なぜ上級生と分かったかというと上履きの色が違ったからだ。

1年生は青、2年生は赤、3年生は緑だ。

まぁ普通花壇に上履きで来るのはおかしいと思うんだけど、それは、まぁいいとしてその先輩は赤い上履きを履きながら花に水をやっていた。

ふと、こちらの視線に気がついたのかその先輩がこちらを見て歩いて来た。

綺麗な黒髪でストレート。

イメージでいうと学級委員長、生徒会長などが似合うその先輩が何の変哲も無いただのモブキャラじみた俺に何のようだろう。

「ねぇ、君。」

「何でしょうか?」

さすが俺、対応もモブっぽいな。なんて自虐的なことを考えていると

「君に質問があります。私は今ここで一人で花に水をやっています。とてもとても大変です。さて、目の前にこちらに熱い視線を送る一人の少年と出会いました。」

熱くはない。っていうか、いやな予感しかしない。

「そんな少年を有効活よ・・いやいや、そんな少年に私は手伝ってほしい事があるときなんと頼めば手伝ってくれるでしょうか?」

つまり、整頓すると。この先輩は俺に花壇の水遣りを手伝ってほしいということだよな。

「いや、普通に手伝えとかやれとか色々言えばいいんじゃないんですか?」

「この少年頼まれ方が全部命令口調だな・・・まさかどM・・いやいや、そうかそうかなら手伝え少年。」

「嫌です。」

俺はきっぱりと断った。

そして教室に向かい歩き出そうとしたそのとき

「なら取引をしようじゃないか。」

先輩がふとそんなことを言い出したので反射的に振り返ってしまった。

決してその先輩の言葉がちょっと大人びていてドキっとしたわけでは絶対無くて、今ちょっと頬が赤いのは風邪ぎみだからである。

「取引って具体的になんですか?」

「ん、食いついたな少年。」

いや、食いついたなとか言っちゃだめだろ。

せめて心の中だけに留めてほしかった。

「まぁ具体的には君は私の花壇の水遣りを毎日手伝う。そして君が得るものは・・・。」

「おそらく人生で一番刺激的なものだと思う。」

この先輩言い方がいちいちエロイ気がするのは俺だけだろうか。

どうせ部活にも入ってないし朝の時間はやることがないからこの先輩の手伝いをするってのもいいかもしれない。

「まぁ、いいですけど。その刺激的なものってのはいつくれるんですか?」

俺は悪戯っぽく笑いながら先輩に言うと

「なんなら今からでもいいぞ。」

先輩も悪戯っぽく笑い返してきた。

この先輩とは結構気が合うかもしれない。

うーん後5歩右によってくれないか。

先輩がそんなことをいいながら手で合図を送るので言われたとおりにした。

すると先輩はさっきまで俺のいた所に歩いてきてこう言った。

「見ておけよ。少年これが人間の人生で一番刺激的な「死」だ。」

何を言っているのかことのときの俺は理解出来なかった。

後々思うとなぜこの時先輩の話を聞いてしまったのか。

なぜ歩みを止めてしまったのか色々思うがもう遅かった。

その日先輩は俺の目の前で上から落ちてきた花壇にあたり血を流して―死んだ。


次回―なんでそこに居るんですか?

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