プロローグ
プロローグです。
短いです。
なんだかありがちな設定ですが。
薄暗い話になりそうです。
寒くて凍ってしまいそうな夜。
防寒具なんてものはなくて、とにかく三人寄り添って暖を取っていたあの日。
俺は、小さくて冷たい二人の手をぎゅっと握る。
力を込めすぎたせいか、二人がきょとんとした顔で見上げてきた。
「一葉」
「なぁに?」
「一樹」
「・・・?」
いとおしさが込み上げてくる。
ついでに涙も。
両手が塞がっていて涙は拭えない。
泣きそうな雰囲気を察知したのか、二人も涙目になっていた。
そこで俺は誤魔化すためににかっと笑ってやった。
「呼んだだけだっ!!」
――――俺は、この時珍しく感傷的になっていて。幼い二人の手を離したら、どこかに行ってしまいそうな気がしたんだ。だから、約束した。それがカミサマだったかなんだったかは、忘れてしまったが。とにかく、この手を絶対離さない、俺があにきとして二人を守ると約束した。笑えるくらい幼い約束。けれど、ガキだった俺はそれで満足した。心のうちの秘めた決意。ちょっと強くなった気がしたのだ。
しかし、俺は片方の手を離してしまった。いや、離れていったのか、無理矢理剥がされたのか、未だにわからない。
いつも俺と一葉の後ろにくっついて、すぐ泣いて、照れ屋で、そんな一樹は、ある日炎の向こうに消えていった。
まったり書いていきたい。
誤字脱字、気になる表現はちょくちょくなおしていきます。




