第4話
pipipi…
「やっぱり無理か。まぁ期待していなかったんだけどね」
「あぁ、悔しいが命は惜しいんでね。こっから先は私でも無理だ。ただ一つ忠告するならあんたこれ以上あいつに手を出さないほうがいいよ」
「わかってるさ」
「……………まぁそういうことにしておいてやるよ。忠告はしたからな」
そうしてカイトは電話を切った。
そして彼はつぶやいた
「まぁわかっているんだがな。やっぱ仕掛けるか」
彼のプライドが一瞬で崩れたあの出来事は彼の心に絶大な影響を与えていたのだ。
もともと彼は頭で考えるより行動するほうが得意なのでこういうことになるのは当然のことなのだ。
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如月 晃は放課後に相棒の岩切 猛とともにのんびり商店街を歩いていた。
日が傾いていてきて買い物に来た客が増えたので自然と彼らの足は人が通りでも少ない路地の近くまで来ていた。
岩切 猛はその路地にきな臭い何かを感じとった。
「なぁ晃、この空気ってなんだろうな」
「ゴミだな」
薄く笑う彼だが目は全く笑っていない。
猛はこのままだと彼がゴミ掃除…生きる価値ないやつらを殺してしまうことを悟った。そんなことのために彼の手を煩わせたくない猛は自分で処理することを決めた。
「ちょっとゴミ掃除に行ってくるよ」
「いや、俺が行くぜ。こういうのはほっとけなくてな」
「お前は疲れているだろ。だから俺にまかせろ。なぁ相棒」
少し彼は考えて「…わかった。お前に任せる。俺は先にあそこの公園に行ってるぜ」
「了解」
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足は自然と路地裏へと向う。このあたりはポイ捨てが多く少し臭い。
晃は今日も疲れたなぁと感慨に浸っていると
「なぁ晃、この空気ってなんだろうな」
と、当然のこと(ゴミの臭さ)を言ってきたので
「ゴミだな」と返す。こういうことは前からよくあったので彼はとくに気にしない。
そんなことを言いながらも内心では臭いのにしゃべらすなよと愚痴を言っていたりする。
それを察したのか猛は
「ちょっとゴミ掃除に行ってくるよ」
(いや、そんな気のきいたことしなくていいし、ってか俺が無理にさせた見たいじゃん)
流石に一人でやらせる訳にはいかないので
「いや、俺が行くぜ。こういうのはほっとけなくてな」
「お前は疲れているだろ。だから俺にまかせろ。なぁ相棒」
彼が妙なところで気をきかせるのは多々あり、ここまで来ると止められないのも事実、よって彼は近くの公園で待ち合わせることに決めた。
(まぁ猛もこういうのが嫌だったんだろうな。前からゴミという言葉によく反応してたし。今度何か消臭剤みたいなものを買って行ってやるか)
なんて馬鹿げたことを考えてもいた。