第21話
pipipi…
「もしもし班長、こちら猛です」
「ん、なんだ猛か?どうした、そんなあわてて」
班長はすぐに電話に出て、のんびりと答える
「実は…武藤を捕まえました」
「…どういうことだ?説明しろ」
急に班長はまじめな声になり静かに問いただす
猛はあらかたの説明をした
「…ふむ…実は武藤はある組織に属していたらしい…それは世界でもっとも巨大で闇を抱えている組織」
「まさか…世界の闇!!!」
どういうことなのだろうか?
世界の闇といえば世界でもっとも恐ろしいとされている組織であり、実質、裏から世界を支配しているとさえ言われている
あのアメリカでさえ世界の闇に支配されかかっているという噂もある
しかし晃がこの組織に狙われる理由は何なのだろうか?
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キーボードの音がリズミカルなステップを踏みながら部屋に鳴り響く
「東の魔女」はJIOに潜入する
JIOの機密levelは日本トップであり、潜入するのは無謀としか思えない
だが、それは「東の魔女」
情報においては達人の実力を発揮し最深部へと進んでいく
なぜこんなことをハイリスクを犯してまで潜入するのか?
彼女は誇りがある
それは情報においては世界トップであるということ
彼女は前に「流星のカイト」に情報クラスlevel5は探れないのかと…
彼女は答えた、無理だ!と
しかし、本当にそうなのか?いや、それでいいのか?
彼女はついついカイトにはそう答えてしまったが心のうちでは否定していた
だから彼女は挑む
彼女の今までの経験と誇りをかけて…
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ふふッ、やってるね
小さな声が口から漏れる
彼がいるのは回りを数十台のパソコンに囲まれた部屋
そこに彼、イーテンはいた
画面に映るのは一人の女性
その女性は同じくキーボードを一心不乱にたたきながらJIOにハッキングを仕掛けている
彼女は全く気づいていなかった
その場所が彼に監視されているとは…
彼女は全く気づいていなかった
彼女が囮にされてしまっていることを
彼女は全く気づいていなかった
彼女が情報level5の最深部まで進入できたのは彼の手助けがあったことを
彼女は全く気づいていなかった
全て仕組まれていたことを…
彼女は全く気づいていなかった…