第14話
如月晃は現在迷ってます
「あれ?どこだここ?」
俺は確か相棒に電話した後、ちょうど近くを通り掛かっていた掃除のおばさんにアルバイトである事情を話し、掃除に向かってたはずだ
掃除場所は一番上の階の客室前の廊下だったのだが…
ここ違うよね?
だって明らか客室前の廊下じゃないよ!暗いし
でも掃除しないことには始まらないしなぁ
おっと、誰かがあっちから走ってきたぞ
ちょっと場所聞くか…
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はぁはぁはぁ
絶対逃げ切ってやる!
結局爆弾は爆発しなかった…川田が何かしたのか?
ふざけるな!だ
つかまる前に逃げてそして川田を殺す!そもそもあいつのせいで汚職が見つかり、そして今の状態になったんだ…
ん?誰だあいつは!?ここは通行禁止のはずだぞ
そこには本来、掃除の職員が通ることはできないはずだが掃除帽をかぶりこの道を掃除している青年がいた
まさか私を捕まえに来たのか?いや、まだわからない
ここは慎重に行かなければ…
まずは話を聞いてみるか…いざとなればあいつをこのナイフで殺してでもいかないとな
掃除の職員一人ぐらいいなくなっても平気だろ!
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まずは軽く警告
「おい!ここは掃除禁止のはずだが?」
「いや、ちょっと道に迷っちゃいまして…」
「…そうか、道はあっちだからな」
やはりただの掃除の職員らしいな…
「ありがとうございます」
そういって青年は道を引き返す……と思ったら
「…そういえばあなたの名前はなんですか?」
「私か?私は…」
そこで気づいた…普通道に迷ったっていうのか?掃除職員が道を間違えるはずがない
それに青年はなぜ名前を聞く必要がある?
青年の目は薄く光っていて口はつりあがっているように見えた
こいつは……敵か!
ズボンの後ろのポケットからナイフを取り出し…あいつに近づき…刺す!!!
しかし、相手はそれを予想していたのか、するりと避ける
くそっ!まさかこんなところまで…
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やっと見つけた人はあせった様子でこちらに向かってきた
「おい!ここは掃除禁止のはずだが?」
えっそうだったんですか?やべっ全くわかんなかった
「いや、ちょっと道に迷っちゃいまして…」
ってか広すぎでしょこのホテル
「…そうか、道はあっちだからな」
ホント高校にもなって迷子って恥ずかしい
「ありがとうございます」
そういって引き返そうと思ったがよく考えたらお礼ひとつしないってよくないよな
まずは名前を聞かないと
「…そういえばあなたの名前はなんですか?」
「私か?私は…」
あれ?なんか立ちくらみが
ちょっと気持ち悪いかも…