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エピソード 聖女認定試験、私も18歳でした
カランカラン
鈴の音とともに、紙吹雪がひらひら舞う。
「おめでとう!!今年も無事、聖女認定試験が終わりました!」
私の役目は、この瞬間の盛り上げ係。
正直、この国の聖女認定って、水晶様の機嫌次第って感じなんだよね。
水晶はよく光ったり暗くなったりで、正直いい加減。
でも「お前は聖女!!」って出たら、
カランカラン!
って鈴が鳴って、紙吹雪が降ってくる。
まあ、毎年18才になった女の子を一同に集めた大抽選会みたいなそんな感じ。
そんな中で私もふと気づいた。
「あれ?私も18歳じゃん?」
神官さんに告げると嫌そうに水晶を取り出して、
「さっさと触れろ」
私は内心ツッコミつつハイタッチ。
ピッカ―――ッ!!
光る水晶。
「これで私も聖女かな…?」
でも次の瞬間、
「お前は―――勇者だ。」
えっ!?
会場はざわつき、大混乱。
私の頭の中は真っ白。
勇者って、なにすればいいの?