プロローグ
僕は日本が好きだ。
右翼とか左翼とかそんなんでなく、ただ単にこの国の雰囲気が好きである。
正直、政治に関してはもう少し頑張ってほしいがそれも求めすぎというものだろう、とにかくこの平和な国が大好きだ。最近は少しだけ物騒になってきてるけど。
こんな考えを持つのは果たして変なのか。この前もクラスの連中にこのことを話すと「思想強っw」とバカにされた。そういう奴らは1回日本以外の国にでも言ってしまえばいい。アメリカか、アフリカか、いっそソ連にでも…。いや別の国
「あんたいつまで家いんの!もう8時過ぎてるよ!」
「えっ、まじで?」
「まじでじゃないでしょ!あんたはもういっつも遅くまで家にいて遅刻して…だいたいねぇ」
「はいはい今行きますって」
「はいが多い!ったく…こんなんで大丈夫なんのかしら…」
「大丈夫だよー。行ってきまーす」
「はい、いってらっしゃい、あ、あと帰りの時間は連絡す」
「わかってるって。じゃ」
そう言い切ると正義は家を出て自転車にまたがった。
そしていつも通りの目的地である月ノ浦高校へと走り出す。ここから月ノ浦までは20分ほどで着くので今日はそこまで急かされる必要はない。信号で止まったのでカバンからワイヤレスイヤホンを取り出し、耳につける。いつも通りお気に入りの曲が耳元で再生される。
「ふふーふふふふふふん」
そう鼻歌を口ずさんだ瞬間、目の前の光景に異変が起きた。
端的な説明にすると車…プリウスが走ってはいけないところに行こうとしている。
つまり、プリウスは正義の目の前に来ていた。
正義は目の前が真っ暗になった。
「う…ん。あれ…?ここは…?」正義が目を覚ますとそこはひどく無機質な部屋だった。白い壁、白いカーテン、白いベッドに白い床。そんな無機質な白いベッドの上に正義はいた。
「どこだよ…あっ、いてててて」
そう声をあげるとこちらの様子に気がついたのだろうか、誰かの声が聞こえた。
そしてそこから30秒ほど経っただろうか。さっきの無機質な白い壁についている白いドアから人が入ってきた。
誰だろう、そう思い顔を見ようとしたが正義が見る前にその人は抱きしめてきた。
「あぁ゙、あんた無事だったのね…!!!」
そうだ、これは俺のお母さんだ。目覚めてからまだ時間が経ってないからだろうか、頭が回らない。
しかし、車に轢かれたら異世界へ飛ぶのがお約束、みたいなものじゃあないのだろうか。現実にはそんなことはないんだな、と正義は16ながらに子供っぽいことで落胆した。母親はまだ胸元で泣いている。
涙が引いて落ち着いてきた母親に今の状況を説明してもらった。車に突っ込まれたこと。それで意識を失ったこと。そこから3日間意識を失い続けていたこと。
それらすべてを聞いて正義はさっきの母親の様子に納得した。たしかに3日間も眠り続ける息子を心配しない母親はいない。
「あんたはしばらくゆっくりして元気を出して」
母親のそんな優しい言葉が胸に響いた。
正義は今病院のラウンジにいる。
「じゃあお母さんお会計してくるから、あんたはここで待っててね」
「わかった」ぼそっと言った。
それにしても暇な2日間だった。思ったより病院のベッドの上ってすることないんだな、と予想できたであろうことを今さらながら実感している。
にしてもここどこの病院だろう。結局聞けてなかったから聞いておこう、そう正義は思った。
「はい、会計済んだよ。じゃあ帰ろっか。立てる?」
なんか嫌に優しいな、そんなことを思いながら正義はさっきの疑問を母にぶつける。
「そういえばさぁ、ここの病院の名前なんていうの?」
「え?病院の名前?なんでそんなこと…ここはビリティアンヌ病院に決まってるじゃない」
「ビリティアンヌ?そんなとこあったっけ?」
「やだもうぼけてんの?子どもの頃からの行きつけの病院だったじゃない」
もちろん正義にそんな記憶はない。何かの冗談かな、そう思っていると母は「ほら、帰ろう。」と急かしてきた。
まぁ外の様子を見ればどこか分かるだろう、そう思っていたのだがいざ病院の外に出てみると見たことのない風景が広がっていた。
「え?あれ?」そう困惑する正義を横目に「何してんの。早く」と母はまた急かしてきた。
まぁ歩けば何か分かるか、そうは思ったが全く知らない風景しか出てこない。そのくせ字は見覚えのあるものばかりだから気味が悪くなってきた。しかし意味はあまり分からない。
そんな中、正義は見覚えのあるものをやっと見つけた。
「いつ見ても立派よねぇ、この建物」そう母は言う。
その立派な建物の上にこそ正義が見たことのあるものがあった。
「え…?夢…?夢なのか…?」そう正義は言う。
そこには、ソ連の国旗が掲げられていた。
こんにちは。新生茶んです。
共産主義はエアプなんで調べたことを入れていきます。
その際に実際の史実、出来事や共産主義のあり方等を間違えることがあるかもしれませんがそこは指摘お願いします。
基本まったり投稿します。
最後までご覧いただきありがとうございました。