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異世界逆襲物語 反逆者たちの物語  作者: リュウセイ
第3章 失敗作の逆襲 熱戦のナロパニアン
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第61話 いきなりのボス戦開始

翌日、レイスたちは宿屋の窓から外を見て苦虫を噛み潰したような顔をする。


「チックショー。どこもかしこも兵隊ばっかりじゃねーか。」

「どうするんだ。これだと外には出れん。」


街のあちこちに見張りの兵士が徘徊する様子を見て、ノルも不安そうに呟いた。


「ノル。お前のワープでなんとかできないのかい?」

「無理。俺のワープストーンは比較的安い使い捨て。いざって時に逃げるためだけのものだ。」

「まいったなー。」


あーでもないこーでもないと話し合うレイス、ノルとは対照的に、グレッグは余裕の笑みを浮かべている。


「フッフッフッ、、、どうやら秘密兵器を投入する時が来たようですね。」

「え?何かあるの?」

「実はタマの屋敷から調達したものがありましてね、ジャジャーンッ!」


グレッグがマジックバッグからあるものを取り出した。


「、、、何コレ?」

「見たまんまですが。見たことありませんか?」

「いや、見たことはあるけどさ、、、コレ、、、いける?」

「大丈夫です。」


グレッグの自信満々な態度に押し切られる形で、3人は各々準備をして外に出るのであった。







1時間後、、、


「きょ、今日はいい天気ですわねグレンダお姉様〜。」

「ホホホ、そうザマスね私の可愛い妹のレイちゃん。こんな日はお散歩がピッタリザマス。ホホホホ。」


真昼間の街を、舞踏会にでも行くようなドレスを着たあまりにも場違いな3人の女性が練り歩いていた。


「、、、俺は何をやっているんだ、、、」


死んだ表情をした女、正確には黄色のドレスを着たノルが歩きながら呆然と呟いた。


(ほらもっとちゃんとお淑やかそうな感じで歩いてください。今の私たちは『美人お嬢様三姉妹』なんですから。)


ノルのやる気のなさを見たグレッグが見かねて彼に耳打ちをする。しかし、ノルはやたらと厚化粧なグレッグの顔を見て一層うんざりした顔をした。


「お前のその顔でなんでその設定がいけると思ったんだ。」

「んまぁ!!アテクシのこのモデルのようなボディに何か文句があって!?」


グレッグはいかにもわざとらしいお嬢様口調で決めポーズをとる。どうやら自分が絶世の美女に変身したと疑っていないようだった。


「いや、確かに細いし背は高いよ?けど問題点が明らかにそこじゃないっていうか、、、」


「もしもし、そこのお嬢さん方。」


女装が壊滅的に似合ってないことをノルがやんわり指摘しようとしていたところ、三人は突如呼び止められた。


「オ、オホホ、、、何かしら?」


グレッグは扇で口元を隠しながらいたって平静装って、彼らに聞き返した。


「凶悪犯が逃亡中だから、あまり街を出歩かない方がいいよ。」


その集団は、リーダーと思われる剣士の男性と、魔法使いと斥候の女性を左右に立たせた冒険者のチームであった。


(ウゲ、、、コウガを思い出してすっげーイヤだな、、、)


レイスは冒険者たちにばれないようにわずかに顔をしかめる。


「見なよ。街には兵士や冒険者以外に人がいないだろ?みんなその指名手配犯が怖くて家の中に隠れているのさ。何しろとんでもない人間とも思えないような極悪人たちらしいからね。」

「んまぁ~、、、怖いわね~、、、」

(それ我々なんですけどね、、、)

「へぇー、、、どんな人たちなのかしら?」


グレッグは適当に流そうと思っていたがその言葉にノルが反応した。


「そうだなぁ、、、たしか名前はレイスとグレゴリーっていうらしいんだが、この2人、どうにも政府関係者に片っ端から襲いかかっては、その生き血を吸い尽くしてるらしいぜ。」

(吸血鬼かい!)


あまりにもメチャクチャな情報に、グレッグは心の中でツッコミを入れた。


「そんでもう1人、チンピラ冒険者の集まり、NCCのメンバーだったっていう、アーノルドという男だ。3人の中で1番ヤバイ奴なのはコイツじゃないかと俺たちは見てるんだ。」

「へぇ、なんで?」

「なんせ、NCCっていったら人としてのマナーの欠片もない野蛮人の集まりで、俺たち冒険者の品位を決定的に貶める奴らだ。噂じゃ毎日毎日、夜になると男たちが集まっては乱行パーティーに明け暮れていたって話だぜ。」

「アホか!んなわけねーだろ!!」


それを聞いたノルが顔を真っ赤にして怒鳴る。ノルの怒声に冒険者たちは目を見開き、グレッグは慌ててからを小突いた。それにより我に帰ったノルは引き攣った笑みを浮かべながら扇で口元を隠す。


「オ、オホホ、、、いやぁね、それは流石に大袈裟じゃなくって?」


咄嗟に声色を変えたことで、冒険者たちは不思議そうな顔をしたがそれ以上は追求せず、話を続けた。


「、、、まぁでも、NCCももう終わりだ。なにしろ昨日の夜にNCCギルドは襲撃を受けて、メンバーのほとんどが始末されたらしい。生き残っているのはほんの数人だとさ。」

「なんだって!?」


一瞬でノルは素に戻り、冒険者につかみかかった。もはやお嬢様のフリをすることなど彼の頭にはない。


「おいコラお前!今のは本当か!?NCCが壊滅しただと!?」

「ノル君落ち着いて!!バレるから!!」


グレッグは慌ててノルを冒険者から引きはがそうとするが、


「ええい!!邪魔!!」


動揺のあまり半ば正気を失っているノルに突き飛ばされてしまう。


「うわ!」


さらにまずいことに、倒れた拍子にグレッグのカツラが取れてしまい、彼の特徴的な緑色の長髪があらわになってしまう。


「、、、ん?あれ?」


服以上に目立つグレッグの髪を見て、冒険者は目を丸くした。


「その髪の色、、、もしや!」


冒険者が驚いた様子で懐から手配書を取りだしてグレッグと見比べる。


「まさかお前、、、いや、お前たちが、、、!」


もはや言い訳のしようもない状況に陥り、グレッグは心の中で舌打ちをした。


(しまった、、、念のためカツラに接着剤でもつけておけばよかった、、、!)


後悔してももう遅く、目の前の冒険者たちは闘志を燃やして剣に手をかけたり杖を掲げたりと、各々が戦闘態勢をとる。


「ハッハッハ!!飛んで火にいる夏の虫とはまさにこのこと!!お前たちを成敗してやろうこのSランクパーティーの、ガッ!?」


名乗ろうとしていたところで、三人はその場に倒れ伏した。いつの間にか彼らに接近していたレイスが、彼らの首元に一撃を加えていたのである。


「おいおい、結局ボロを出さなかったのは俺だけじゃないか。」

「ク、、、!」


レイスが仲間たちに呆れていると、わずかに意識のあった斥候の女性が懐から銃口の大きい銃のようなものを取りだし、それを空に向けて撃った。


「!?」


銃から発射された弾は空に向かっていき、破裂して巨大な花火となった。


「しまった合図だ!!軍が集まってくるぞ!!」

「別にいいよ。」


慌てるノルとは対照的に、レイスはどうでもよさそうにカツラを取った。


「戦いながら進むの面倒くさいと思ったけど、よく考えたら女装してゆっくり進むほうが面倒くさい。このまま強行突破しよう。」

「もうそれしかなさそうね。」

「ギャァァァァァッ!!!」


レイスの体からぬるりと出てきたフレイヤを見て、ノルは絶叫を上げた。


「え!?何!?え!?幽霊!?」

「え?フレイヤさん見えるの?ってことはもしかしてノルも、」

「あーお二人さん。ちょっとその辺は後回しにしたほうがいいんじゃないですか?」


ノルの中に「眠るもの」の存在に気付いたレイスとフレイヤであったが、グレッグが割って入った。

よく周りを見渡すと、四方から武装した兵士が駆けつけて、三人を包囲しつつあった。


「仕方ない、もう一回突破しよう!」


レイスが兵士たちを蹴散らそうと構えたその時、



空から何かが迫ってくるのを感じた。


「ヤバい!!!」


レイスはグレッグとノルを捕まえて地面に伏せた。


「え!?どうしたんですかレイス!」

「踏ん張れ!何か来る!!」


直後、




ズドン!!


空から隕石のように何かが墜落してきた。

それによって発生した衝撃波により、彼らの周囲に展開されていた兵士たちや、街の建物も、情け容赦なく吹き飛ばされていく。


「グゥゥゥッ、、、!!」


その衝撃は、フレイヤと融合したレイスでもこらえるのがやっとであり、もし彼がグレッグとノルを捕まえていなかったら、彼らははるか彼方へ吹き飛んでしまっただろう。


しばらくして、ようやく衝撃が収まってきたときにレイスがあたりを見渡すと、そこは完全な更地となっていた。街だった面影などどこにもない。隕石の衝撃波は人も、物も、何もかもを吹き飛ばしてしまったのだ。


(クソ!この数秒で何人死んだんだ!?)


あまりの惨状にレイスがあっけにとられていると、目のまえの砂煙から声が聞こえてきた。


「近かったし、暇だったしで、自ら出向いてやったよ、この私が。」


ザッ、ザッ、と、地面を歩く音を立てながらそれは近づいてくる。


「本当は静かに来ることもできたんだが、せっかくだから派手に、、、な。だってそのほうが、「格好いい」そうだろう?」


そう言いながら、やたらと重厚な金色の鎧を着た美青年というべき面持ちの男が姿を現した。その男を見たとき、ノルの顔が一気に青くなった。


「あ、、、あぁ、、、」

「大丈夫かノル?あいつを知ってるのか?」


レイスの質問に、ノルは唇を震わしながら答える。


「し、知ってる、、、というか、、、ナロパニアンであいつを知らない奴なんか、、、い、いない、、、あ、あいつは、、、シャイン・ソニック、、、ナロパニアンの支配者で、、、最強の冒険者、、、!」

「、、、成程ね。いきなり親玉の登場か。」

読んでくださりありがとうございます。

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