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異世界逆襲物語 反逆者たちの物語  作者: リュウセイ
第3章 失敗作の逆襲 熱戦のナロパニアン
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第51話 王たちの緊急会議

遅くなって申し訳ありません。

「さて、こういう集まりは10年ぶり、、、くらいだったか?まぁいい、よくぞ集まってくれた同胞たちよ。それでは、臨時の会議を始める。」


他の12人の転移者が左右に6人ずつ座る長机を見渡せる位置に陣取った、漆黒の服に身を包んだ男、転移者のリーダー格ユウヤは淡々と宣言した。


そこは、宇宙の中心地。かつては神々が住まっていた神界が、転移者によってリニューアルされた統一帝国の首都。

そのさらに中心にある巨大な城。その中の会議室に、転移者たちが集まっていた。

その数は13人。転移者全員が一箇所に集うことなど、実に12年ぶりであった。

「転移者の仲間の1人が戦死した」

このニュースは、栄光を謳歌していた転移者たちにとって久しぶりに、会議を開くに足る大きな事件だった。

しかしながら、この出来事に対して感情を露わにしていたのは豪華な貴族服を着た金髪の青年、コウガくらいのもので、ほとんどの転移者は興味なしといった様子である。


それも仕方のないことで、というのも、転移者にとってはそれぞれが自身こそ至高の存在であると心の底から思い込んでいる。

そのため、彼らは他の転移者やその仲間が殺されたとしても、自身や自身の仲間に危害が及ぶなど頭の片隅にも考えつかない。


転移者のリーダーであるユウヤを除けば、


「諸君らも知っての通り、我が同胞、コウガの妻の1人、アルフガンド総督のタマ氏が賊に殺害されるという非常に痛ましい時間が起きた。これはその対策会議である。」

「そんなもん必要ない!」


ユウヤの言葉に半ば被せるように、乱暴な声が室内に響いた。声を発したのは、いかにも動きやすさ重視といった感じの服を着た、刺々しい茶髪の男カズキである。

コウガとカズキの不仲は皆が知っているところであり、どうせまた喧嘩が始まるのであろうと、転移者たちは内心でため息をつく。


「会議なんてするほどのことでもない!クソ雑魚のカスが一匹やられただけじゃないか。」


その言葉に、先ほどから俯いて涙を流していたコウガが、鋭い殺気を放ちながらカズキを睨みつける。


「おい貴様、、、口に気をつけろよ、、、誰がカスだって、、、?」

「ん?理解できないか?無様にぶっ殺されたお前の女に決まってるだろ?カスにやられるヤツをカス以外にどう表現しろってんだ?」

「、、、そうか、つまりお前は「八つ裂きにしてくれ」と僕に言っているんだな?」

「へぇ、、、面白い。」


コウガが腰の剣を掴み、カズキが拳を握りしめたことで、常人ならばこの場にいただけで消滅は避けられないほどのプレッシャーが部屋を満たす。


(おいおい、、、マジで?)

(まさか本当にやるつもり?)

(首都どころか宇宙がいくつも吹っ飛ぶぞ。)


先ほどまで「いつものこと」と流していた転移者たちも、一触即発の空気になり流石に動揺を見せる。最上位神すら片手間で倒せる転移者同士が戦ったらどれほどの被害が出てしまうのか、それは彼ら自身が1番よく知っていた。


「や、やめなって2人とも!せっかく久しぶりに集まったんだからさ、ね?」


今まさに殺し合いが始まりそうな段階で、それを止める者がいた。やや長髪の癖っ毛で、いかにも内気そうな風貌の転移者の1人カイトは、ビクビクしながらもコウガとカズキを制止する。


「カイトの言うとおり、俺たちはお前ら2人の喧嘩を見るために集まったのではない。」


カイトに同調したユウヤの言葉で、2人は渋々矛をおさめて椅子に座り直す。


「さて、話を戻すとしようか。」


脱線した話を無理やり軌道修正するように手をパンパンと叩くと、スクリーンがどこからともなく登場して、そこに映像を映し出した。

その映像はコウガランドの光景で、タマとレイスが戦っている場面であった。


「この男がタマ氏を殺害した犯人だ。」


その言葉と共に映像が拡大され、白髪に赤髪が入り混じった、不自然に巨大なガントレットを装着した青年、レイス・ビネガーの全体像がモニター全体に映し出される。


「名前などは不明だが、おそらく、元冒険者とかその辺りだろう。」

「ん?これは、、、」


レイスの顔を見たコウガが、何かに気づいたような反応を見せた。


「どうかしたのか?」

「、、、いや、やっぱり思い出せない。多分気のせいだ。」

「、、、まぁいい。それで、だ。まずはこの男のことを皆に共有しておきたい。」

「彼が私たちの脅威になる可能性はあるの?言っちゃあなんだけどその、、、タマちゃんって私たちの仲間の中でも、、、あんまり、、、強くなかったでしょ?」


転移者の女が若干オブラートに包んだ言い方でタマと自分たちの実力者を指摘したが、それが逆にコウガの神経を逆撫でし、彼は女を睨みつけた。


「あぁ!別に貶してるわけじゃなくってね!もちろん悲しいし怒ってるよ!?彼女はとってもいい子だったもの!」

「余計な慰めはいらない。タマを僕から離れたところに置いた僕のミスだ。」

「その通り。可愛い子たちをそばに置いておかないなんて、僕には想像できないなぁ。国の統治なんてその辺の兵隊にでも任せておけばいいんだ。そして僕は愛しい妻たちを愛でるのさ。」


そう言ったのは転移者の1人、彼に対してうっとりとした表情を向ける少女2人を両手に抱えた男、リクであった。本来この会議室に転移者以外を連れ込むことは禁止されているのだが、リクのみ、彼の「チートスキル」の特性上、ハーレムメンバーを入室させることを許可されている。


「いや、お前はむしろそばに置きすぎなんだよ。何人くらいいるんだよお前のハーレム?」

「えっと、、、50人くらい?」

「あんだけ言っといて数覚えてないんかい!!」


カズキのツッコミが響き、室内が一転して微妙な空気となる中、またしても脱線した話を戻すためにユウヤはゴホンと大きめの咳をした。


「あー。また話を戻すぞ。まずはメアリーの質問に答えよう。確かに、この男は現状、我々の脅威には値しない。しかしそんなことはどうでも良い。大事なのは、「我々に反抗する存在がいる」という事実そのものだ。」


その言葉と同時に、モニターがパッと変わり、一つの巨大な大陸が映し出される。

それはまさに、転移者が作り上げた統一国の全貌であった。首都から四方に広がるように展開しているこの「超大陸」は、無限に無限を重ね、それを無限回繰り返す、そんな途方もないほどの数の宇宙を全て繋げたとしても、全体像を写す画像を構成する画素1つとて埋めることができない。

アルフガンドなど当然、この画像の中ではほんの少しも見ることができない。

そんな尋常ではないほど巨大な領域の国家。それが転移者が建国した統一国である。


「我々には力がある。そして、我々は力を持つ者の責任を全うしてきた。王国は民主化し、争いの種となる宗教は廃止、それによって我々は人々に平和を与えてきたのだ。そのような我々の平和を愛する心を踏み躙り、あまつさえその功労者を殺害するような卑劣なテロ行為は断じて許すことはできない。」


やや緩くなっていた会議の空気が、ユウヤの言葉によって一気にピリついたものになった。もはや彼の言葉に口を挟む者はいない。


「そして、我々はこの平和をさらに広げていかなくてはならない。カイト!」

「は、はい!」

「拡張政策の環境は?」

「はい、今も僕が「強化」した兵士たちが各地を制圧してます!」

「よし、お前の能力で雑兵は一騎当千となる。兵をもっと増やすように。」

「はい!」

「それと、「チートスキル」を与えるにふさわしい人材はいたか?」

「はい!何人かの候補を既に見つけてあります!」

「よし。」


指示を出した後、ユウヤは少し目を閉じ深呼吸をして、転移者たちを見渡した。


「コウガ、ルル、リク、カズキ、美咲、メアリー、カイト、アレックス、アニー、タクト、ウォーレン、ミリアン、我が同胞よ、平和のために戦おう。例えアリであろうとも、我々の平和を脅かす者を許すな。この男の手配書を全土にばら撒き、跡形もなく消し去るのだ!」

「「「了解!!」」」


レイスたちがアルフガンドを発ったのと同じ日、レイスは全宇宙のお尋ね者となった。

そのようなことはまだ、ガチガチになって操縦する哀れなグレッグを差し置いて呑気にトランプに興じている彼らには知る由もない。

読んでくださりありがとうございます。

今回は転移者側の視点でした。


補足ですが、今までフレイヤが言っていた「統一帝国」は、彼女からしたら転移者が皇帝として君臨しているようにしか見えなかったからそう言っただけで、正しくは「統一国」となります。

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― 新着の感想 ―
少し気になったのですが、コウガはタマを復活させられないのですか? 作品では「命を創り出す」と「他人を復活させる」は難しいことですか。
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