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異世界に転移した俺は冒険者になろうと思います  作者: 樋原けい
第一章 結城夏飛は街をめざす
9/12

第九話 街を目指して其の三

【現在370km地点】


「とっても♪とっても♪たっのしい釣りの〜時間だよ〜♪」

どうもすみません。

歌なんて歌ってます。


昨日のテンションそのままに一日を過ごし。

日が暮れる前に釣りをする。



あれっ?俺、異世界ライフ満喫してる?

……、

いや、これはあくまで街に行く道中でのサブイベントに過ぎない。

俺の本来の目的を忘れるな!

俺は冒険者になるんだ!

………、

………………、

冒険者なんて職業あんのか?

おっと、これは気づいてはいけないことな気がする。


かの偉人は言った。


~追い続ける勇気があるなら全ての夢は必ず実現できる~


と。

俺はまだ夢を諦めていない。

ないなら俺が最初になればいい。


夢は見るもんだけど叶えることができるってよく言うしな!


でも今日はこのくらいでいいでしょ

今は川に戻って来たけど実際は500キロくらい進んでるし。


まぁ、食料確保しないといけないし〜

別に釣りが楽しすぎて〜、とかそういうのじゃないし〜

別に明日も頑張るし〜

休養は適度に必要だし〜


冒険者にはなるよ。

うん。


「とっても♪たっのしい♪釣りが〜♪僕を待っている〜♪」

結局釣りは楽しみだった。

歌いながら釣り竿の準備をし、早速始める。


「せいっ!」


ポチャン…


俺は全神経を釣り竿に集める。

集中力でいったら、針に糸を通すときと同じくらい。



【20分経過】

……、





【1時間経過】

………、





【1時間30分経過】

……………………、






【2時間経過】

………………………………。





………………………………………………!




「か、かかったーーー!!!」

落ち着け俺、この2時間なんのために集中していたんだ。



いまこの時のためだろ!



絶対負けない!たとえ相手が餌に飢えた魚だったとしても!!


「ぬぅー!なんてやつだ!昨日のやつより引きが強い!」


例えるなら、

クラスの中では腕相撲が強いやつ。そいつが昨日の魚

今日のは、そんなに腕相撲が強いやつでも敵わない学校の体育教師。そんな感じだ。

……、

何そのたとえ?って思ってる人。

俺もよくわかんない。

強いやつより強いやつがいるという典型的なパターンだよ。


だが安心してくれ!

そんなやつより強いのが、





「おれだーーー!!!!!」


俺は顔が真っ赤になる。

力を入れすぎて竿がしなっている。

下に引く力と上に引く力できれいな弧をえがいている。


魚の気持ちを代弁するなら、


「なんと、この儂と張り合うというのか?!よかろう!

正々堂々、力比べといこうか!おりゃぁーーー!!」


絶対こんなんだって!

そんくらい闘志を感じる。


川に雷帝ぶっ込めば一網打尽

そんなのわかってる。

だが、

俺は魚とフェアに闘うことを誓っている。

だから正々堂々勝負すんだよーー!!


俺の腕にさらに力が入る。


そして、


バッシャッーーン!!


「おっしゃーー!!!!!」

俺は闘いに勝った。


戦闘時間、

【13分27秒】

勝者、

【結城夏飛】



「勝った…はぁはぁ、めっちゃ疲れた…」

俺はその場にしゃがみこむ。


少し休憩してから俺は釣り上げた魚を鑑定する。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【セレブラントルフィッシュ】

味はいいが、その見た目から食用とする人は少ない。

稲妻模様が特徴的。

背びれは赤みがかかっており鋭い牙を持つ。

60年ものの大物

体長3m

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


「冷静にこれを1人で食べ切るのは無理だな。俺フードファイターじゃないし。」

そういうことで、食べきれない分はインベントリで保存する。

3mって、立ち幅跳びで調子が良くてもギリギリとどかないくらいじゃん。

そんくらい大きいのよ、この魚。


「今日もそのまま焼いて食べよう!味はいいらしいし楽しみだなー」

ということで、いつも通り焚き火を作って魚を焼く。

焦げないよう注意しておいしくなるよう焼く。


「そろそろだな、では、いただきます」

俺は一口魚を食べる。


「うまい!これは無限に食べられる!」


そんなことを言いながら勢いよく食べ進める。


結果、無限に食べることはできなかったが大満足だ。


「ごちそうさまでした。もう夜だな。、、、 寝るか。こっちに来て早寝早起きが習慣づいたな」

正直、暗いと何も出来ないのですぐ寝るようにしている。


俺は転移で洞窟に戻る。


【現在0km地点】


「うーーーん!、、、朝だな、今日は昨日より距離を稼ぐか」


【転移】


【現在500km地点】


「よしっ、じゃあ進みますか」

今日の目標は300km進むことだ。

釣りを我慢して一日、全力で街を目指す。

俺は【飛行】を発動し空へ飛ぶ。

人を見逃さないようにスピードは出しすぎず、かといって遅すぎず、ちょうどいい速さで進む。


【現在600km地点】


「あれっ?道幅広くなってない?」


今までより明らかに道幅が広くなっている。

それに前の道は少しあらっぽかったが、ここからの道は整備されているのか綺麗だった。


気にはなったがそのまま先を目指す。


【現在790km地点】


「んっ?!待って!あれ人じゃね?!!」

俺は空中で1度止まり、前方からこちらに向かってくる人らしき物体をよく観察した。


「やっぱ人じゃん!!よしっ、落ち着けー結城夏飛、テンション高めでいけば変なやつだと思われるかもしれない。落ち着いた感じで、街ってどのくらい行けばありますかね?って聞けばいいんだ!()()()()信じてるぞ!」


俺は言語理解を信じてる。

どのくらいかって言うと、

1+1=2っていうくらい信じてる。

……、

何それ?

まぁ信頼はしているってことだ。ピンチに駆けつけるヒーローみたいな。


俺は向かってくる人たちより少し離れたところで地上におり、何食わぬ顔で話せる練習をしている。

いや、異世界来てはじめての人類だから。

緊張するから。



そして、時は来た。

こちらに向かっていたのは女性4人組だった。

何やら装備をつけているがひょっとして冒険者だろうか。

俺は覚悟を決め話しかける。


「あの〜すみません」

…………、


「なんだ、何か用か?」

おっ!会話出来てる!

よかったー!!!

言語理解さんやっぱ、信じてたっすよ!


「あっすみません街って後どのくらいで着きますかね?」

「街にむかっているのか。それならここをまっすぐ行ったところにある。およそ200キロだ」


質問に答えてくれた!親切な人でよかったー!


「いや〜歩いても歩いても見えなくて心配しちゃいました」

「気にするな、気をつけてな」

「ご心配ありがとうございます。では失礼します」


俺はそう言ってその場を立ち去った。

めっちゃ緊張しました。

よく見たら4人とも美人さんでした。

日本ならモデルやってたろ!

………、

なんかこんなこと前も言ったような?

あれっ?異世界って顔面偏差値高いのかな?

泣いちゃうよ、俺。


だが、こちらの世界の言語の心配は必要なさそうだ。

よかった。ほんとに。


「街があることもわかったし、このままの勢いで進めばたどり着ける。この情報はでかいぞ」


俺は飛行を使って先に進み始めた。

足取りは軽い。飛んでるから軽いとかないけど、気持ちの問題ね


【現在1000km地点】


「おーーーー!!見えた!たどり着いたぞー!」

俺の嬉しさは今、言葉に言い表せない!

強いて言うなら昨日釣り魚を釣り上げた10倍くらい嬉しい、

それがどのくらいなんだって話なんだけどね。


「ここら辺でおりないとな。不法入国とか言われたら何も言い返せないし…」


俺は街の手前で空からおりて街へと向かった。

そして、


「着いた〜、結構でかいなこの城壁30mくらいあるんじゃないかな、街っていうか国じゃない……これ?まぁ…いっか、とりあえず入国できるか聞いてみよう」


俺は門番らしき人に入国ができるか聞いてみる。


「街に入るには通行証が必要です。ご提示お願いします。」


げっ!何それ?持ってないですよ……、どうしよう…


「あ、あの通行証持ってないんですけど、どうすればいいんですか?」

俺は素直に聞いてみた。

「通行証をお持ちでないのでしたら、今こちらで発行しますので必要情報記入のためこちらへ」


そう言って俺は個室に案内される。


「では、こちらに名前と職業を記入してください」


名前は書けるけど、俺の職業ってなんだ?カルハさんにはスキル創造って言ったけどそういうことじゃないよな


ステータス


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【ナツノヒ・ユウキ】

【種族 人間】

【17歳】

【Lv252】

【MP 7200/8100】

《スキル》

【言語理解】【経験値20倍】

【火球】【水球】【風刃】【雷帝】

【鑑定眼】【転移Lv11】【炎帝飛龍火炎】

【索敵】【インベントリ】【隠密】【飛行】

《固有能力》

【全属性魔法Lv75】【スキル進化】【スキル創造】

《職業》

【上級魔法士】

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


(あっ職業って項目増えてる、

確認を怠った俺が悪いな、もっとこまめにチェックしろよ。

過去の俺。

にしても最近レベル上がる機会って魚を倒した時数回だったしいちいちしないよね、

……、

するか、普通の人は。


にしても俺の職業って上級魔法士なんだ、

知らなかった。

人によって職業って違うんだろうな

俺とカルハさんでも違うし。

でも魔法士ってのは俺の固有能力が全属性魔法だからなのかな、

カルハさんの職業は変えるられないって言うのは固有能力が人によって違って、その固有能力に合った職業が与えられるからなのかな?

だとしたら固有能力が魔法系じゃなくても努力次第で魔法士になってる人がいるかもな、

俺は固有能力に魔法系があるけど、もしなかったら絶対努力する。だって魔法使いたいもん。


まぁこの門番の人も今はここにいるけど絶対、職業()()なわけないもんな)


俺は自分で勝手に解釈する

多分間違っていないだろう。


「よしっ、出来ました!」

「はい、では確認します。名前は結城夏飛、職業は……!上級魔法士?!!本当にですか?!」

「はっ、はい。一応そうなっていますけど」


そう答えると門番の人は慌てて出ていってしまった。

(なんだ?やけに慌ててるな、珍しいことなのか?)


少しして門番の人が戻ってきた。


「すみません、疑う訳ではありませんが確認のためこちらで用意した鑑定水晶に手をかざしてください、ご安心ください。こちらの水晶には名前と職業しか表示されません」

「は、はぁー、分かりました」


俺は言われた通り水晶に手をかざす


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【ナツノヒ・ユウキ】

《職業》

【上級魔法士】

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

(ほんとに名前と職業しか表示されてない、すごいな、)

俺が感心する。

すると、門番が

「ほ、ほんとに上級魔法士?!失礼しました!すぐに発行して参ります!」

「あっ、ありがとうございます、」


そう言ってから、10分後、俺は通行証を受け取った。


「ありがとうございました」

俺が礼を言う。

「い、いえ、これが仕事ですので、ようこそ、始まりの街()()()()()()へ良い旅をお楽しみください!」

「ありがとうこざいます、楽しい旅をしてきますね!」

そう言って俺は街の中へ入っていく。

(この街、()()()()()()って名前なのか、これからお世話になります。)


「とりあえずギルドを探してみるか」


俺の新しい旅が始まる。




【Lv上昇】は全ての生き物が持っている固有能力なので、これからはステータスに表示しません。

…………、

すみません、めんどくさいだけです。

許してください。


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