第八話 街を目指して其の二
【現在300km地点】
「今日は絶対、川を見つける!俺は釣りをするんだ!
おっと、止めたって無駄だぜ!今の俺を止められるのはレベル300越えのモンスターだけだー!
待ってろよ魚たち。俺が美味しく頂いてやるからな!」
俺はそう言って歩き始める。
急にどうした?
怖いよ?だって?
いやいや、暇を持て余した人間が最後にたどり着いた答えが
釣りだったんだよ
誰にも文句は言わせないぜ☆
えっ?
釣り以外にもあるだろって?
じゃあ他に俺が考えた選択肢聞く?
【昨夜】
「釣りは確定だとして、他に何しようかな、一応候補はあるけど」
植物採集、モンスター探し(テイム用)、まだテイムは創造してないけど、あとは【飛行】を創造する。
こんな感じだ。
「あっ……」
そして、俺は気づいたんだ、、、、
あれっ?【飛行】を創造出来れば今より絶対、速く移動できるよね?と。
はい、
ということで、
【飛行】を創造しました。
「完璧じゃん……もっと早く気づけよ俺……」
なぜこんな簡単な気づかなかったんだ!
理由は簡単、【転移】を最初に覚えちまったからだ。
ということで、空から川をみつけて優雅に旅をしたいと思います。
ありがとうございました。
【現在】
これだよ、
これが昨日考えた選択肢、そして今日からの予定だ。
前も言ったけど俺、、、
モンスターの肉、飽きたんだよね………、
そしたらもう魚しかないよね
なら、もう釣りしかないよね、
ってことで、
「【飛行】!!!」
俺はスキルを使う。
俺は初めて空を飛んだ。
いや、【スキル創造】するために洞窟内で飛んだけどそれはなしでしょ、
昨日は
勢い強くて頭ぶつけたし、
めっちゃ痛かったし……
「おーー、すげぇ〜やばい、空飛んじゃってるよ!」
俺は初めて【火球】を使った時と同じ感動をおぼえた。
なんて言うの、
The魔法って感じ。
少し移動の練習をして俺は川探しをはじめた。
人を見つけたら街の場所を聞こうと思う。
空からなら見つけやすいだろうしね。
それにこっちの言語が分かるのか試しておきたいからね。
でもカルハさんと話せたから大丈夫だと思うんだよね。
でもカルハさんが、【言語理解】持ってたから話せたかもしれないし一応ね。
「なるほど、これは………楽しい!惜しいことしたなぁ」
俺は空の旅を満喫している。
それと同時にもっと早く気づきたかったという思いが募る。
【現在370km地点】
「おっ!あそこに川がある!」
俺は釣りをするために地上に降りた。
「はい!ここでお手製釣り竿を出しまして、餌は何をつければいいか分からないので肉を使います。肉で釣れんのか?って俺は思うよ」
そんなことを言いながら釣りの準備をする。
ちなみに釣りなんてしたことありません。
でも、ワクワクするよね。
新作のゲームを初めてプレイする時みたいな感じ。
「いくぜー!せいっ!!」
ポチャン
俺は適度に釣り竿を揺らしながら魚が掛かるのを待つ。
川の水は透き通っている。
川幅は50メートルほどと、そこそこだ。
見た感じ魚っぽい生き物は泳いでいるので期待大だ。
【10分経過】
………、
【20分経過】
………………………………、
【30分経過】
……………………………………………、
【1時間経過】
……………………………………………………………………………………!
「キターー!!!!」
俺はこの時を待っていた。
思えばこの1時間、精神を集中し全神経を釣り竿に向けていた。
途中で【精神統一】なんてスキル創ってやろうかな、なんて思っていたくらいだ。
だがやめた。
魚とフェアじゃない。
向こうも生きるために餌に食いつく。
それに魚がスキルを持っているわけない……、
持ってないよね?
ならこちらも生きるために釣りをする。
道具は勘弁してくれ。
それでも最大限、魚と対等に闘ってやろうと思う。
スキルは使わない。
いや違うな、
俺はスキルを使っている。
人生経験というスキルをな!!
こちとら人間17年やっとんじゃーー!!!!
そこら辺の1、2年の魚にまけるかーーーー!!!!!
俺の腕に力が入る。
狙った獲物は逃さない。
魚からも絶対にこの餌を手に入れて逃げ切るという強い意志を感じる。
魚が放つ気じゃねぇ!
「やるじゃねぇか…、お前を認めるぜ。だ、が、俺も負けないぜ」
バシャバシャバシャッ!
魚が水面に近づくにつれて水の揺れは激しくなる。
そして、
バッシャッーーン!
「おぉーーーしゃぁーー!釣れたぁーーー!」
俺は大はしゃぎだ。
「よしっ、大きさは、、結構デカイな…あれっ?【鑑定眼】」
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【ジャイアントスインフィッシュ】
味よし、見た目よしの魚。
頭から背びれまでの青い縞模様が特徴的。
まずは塩焼きで食べてみ。美味いから。
30年ものの大物。
体長1m17cm
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「………………………、」
デカイのはデカイ
俺が言いたいのはそこじゃない。
「と、とし、年上だったの、か…………、」
この魚やけにデカいと思って鑑定してみたら30年ものでした。
……ごめんなさい。
17年が調子乗ってました。
「先輩、美味しくいただきます」
俺は取り敢えず魚を捌いた。
といっても内臓を出しただけだ。
そして、木の串を刺して、
【火球】
焚き火を作る。
なんだかんだでもう日が暮れそうだ。
「やべぇー、めっちゃ美味そう、」
ちなみに塩なんて持ってないので素材本来の味を楽しみます。
モンスターの肉も美味かったので大丈夫でしょう。
「できた!ではさっそく、」
一口食べた。
「………!う、うまい!」
味は鮎に似ている。
塩焼きではないものの美味かった。
まじでうまい!
「鑑定眼のいったとおりだな、それに久しぶりの魚……、
最高だぜ!」
俺は今ならなんでも出来る気がする。
そんくらいテンションが上がっている。
「そんじゃ今日は……もう寝よう。今寝るのが絶対正解だ」
俺は転移で洞窟に戻り眠りに入りました。
いい夢見れました。
【現在0km地点】
「うーーーん……」
俺は背伸びをする。
「よーーし、今日もがんばろっ!」
【転移】
【現在370km地点】
「そんじゃ歩き始めますか」
俺は歩き始める。
いつもより少し足取りが軽い。
たまにスキップなんてしちゃってね☆
少し歩いたところで俺は【飛行】を使った。
空に飛んで移動を始めた。
ちょっと歩いたけどやっぱ飛行って便利だね。
「あっ!えっ、あれは…」
少し移動したところで
俺は見つけた。
何をって?
道だよ!
なんか急に現れた街まで繋がっていそうな道。
これに沿って飛んでけば絶対たどり着ける。
いやー異世界来てはじめての道。
正直ないと思ってたもんね。
それは異世界舐めすぎか。
でもそれくらいなかったんだよ。
もう400kmくらい移動したよ?それでもなかったんだからないと思うじゃん。
「これは大きな収穫だな!このままこれに沿って進もう」
俺は道しるべを見つけた。
道しるべの意味が違うけどもうこの道!っていうだけで道しるべだよね。
俺は飛行の速度を少し上げた。
街への期待が更に膨らむ。
【現在500km地点】
「今日はこのくらいでいいかな」
俺は今日130km程しか移動していない。
が、日はまだ明るい。
こんな早くに切り上げて何をするか。
………、
もうお分かりですね。
釣りに行きたいと思います!
いやー完全に味を占めたよね。
なんかまた食べたいって思ったもんね。
それでも昨日の魚めっちゃデカかったんだよ、それでもうまくて全部食べれちゃったんだから、相当だよね
てなわけで、釣りに行きます。
「いざ、我が聖地へ!!!」
俺は転移を使って川に戻った。
【現在370km地点】
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