第七話 街を目指して 其の一
「よしっ、準備も整ったし出発しますか」
俺は出発の準備を整え今から街を目指して1000kmという距離を移動しなければならない。
もちろん食料はいっぱい持ったよ。
モンスターの肉だけど……。
「しゅっぱつだー!」
俺は気合いを入れ歩き始める。
その勢いは初めて外の世界を知った赤子の如く目を輝かせ、踏みしめる一歩一歩が見たことの無い世界への期待を膨らませる。
歩き始めて10歩目の感想だ。この気持ちがいつまで続くのだろうか?
【現在10km地点】
えっ?
なにこれ…
どう考えても、1000キロを踏破する光景が見えない。
【現在20km地点】
やっと森から出られた!
はじめて森から出たぞー!
【現在100km地点】
朝、出発したのにもう日が暮れている。
「はぁ〜…、今どのくらい歩いたんだ?100kmくらい歩いたんじゃないか?めっちゃ頑張ったよ!?誰も見てないけど、、あ〜、今日はこのくらいにしよう」
そういうと俺は簡単に焚き火を作った。
森から持ってきた木と火球でお手軽です。
あとは食事。
インベントリに入っているものは腐らないので肉も大丈夫、全然食べられます。
最初は抵抗があったものの、今ではありがたい食料です。
焚き火が落ち着いてきたところに、串に刺した肉をじっくり焦げないように焼く。
これが美味いんだ。
でもね、一つ言いたい。
さすがに飽きたよね、なんて言うの、もっとこう俺に料理の才能があれば……っていうやつだよね。
なんで日本にいたのき料理せんかったの?
って思うよね。ほんと…
俺が作れる料理って家庭科で習ったやつくらいだよ?
ハンバーグに、肉じゃがとかだよ?
こっちの食材とか知らないよ?
玉ねぎ、人参、じゃがいもとか見かけないんだけど?
………、
当たり前だよ、森にあるわけねぇじゃん、、、
街に行ったらまんま同じものじゃないにしても、似たような物があること、、、信じてます。
この料理の知識でも食べたいものはあるんです。
肉じゃがとか作りたいんです。
ないものねだりです。
「ふっ、、俺も歳だな(17歳)こんな夜空日本じゃ見れないぜ。工業化していく現在の日本じゃ、昔から持つ人間の心に刻まれた自然に対する敬意を表すことが出来ないからな。」
俺はなんかそれっぽいけど全然中身がないことを言ってみた。
でも、夜空が綺麗なことは確かだ。
少なくとも日本にいた時は見れなかった。
「あれっ?」
俺はあることに気づく
「この星って、月が3つあるのか、気づかなかったなぁ」
こっちに来てそれなりに経つのに夜は洞窟にいるせいで全く知らなかった。
いや、そもそも知ろうともしてなかったな。
「俺はもっと周りに興味を示さないとダメだな」
少し反省した。
何にって?
自分の探究心の無さにだよ。
カルハさんも言ってたもんな、道中も楽しいことがあるって。
こういうことかは分からないけど、
「確かに楽しいな」
俺は明日も頑張れる気がしてきた。
今日は寝よう
そう思った。
そして、気付く。
「ひょっとして、数回に分けて転移したら洞窟戻れるんじゃね?っていうか絶対戻れるわ、どうしようここよりも洞窟の方が安全な気がするな…」
洞窟に戻って明日の朝また転移でここまで戻ってくる。
今の俺ならそれが出来る。
ちなみにこの場所はいい感じにひらけているせいで俺がここにいることが周囲に丸分かりだ。
なんかあっても困るので俺は慣れ親しんだ洞窟に帰ることにした。
「安全第一だよな」
安全を取った男、結城夏飛。
【洞窟帰還】!!!
【現在0km地点】
「帰ってきた〜、意外と早いおかえりだったな」
俺は腰をおろし一息つく。
「寝よ」
俺は眠りについた。
【2日目】
【現在0km地点】
「うーーーん」
俺は背伸びをする。
朝起きたらやるよね。
「早速戻りますか」
そう言って俺は転移を使った。
便利だね。まじで。
【現在100km地点】
「戻ってきたー!」
俺はそう言ってまた歩き始めた。
【現在150km地点】
「勇者召喚があるってことはこっちにも異世界人が来てるってことだもんな、街にいないかな〜」
道中そんなことを考えながら歩く。
【現在170km地点】
「パブロ・ディエゴ・ホセ・フランシスコ〜」
クラスに1人はこの名前覚えてる人いたよね、
……、
…………、
…………………、
もう疲れたよ、
【現在200km地点】
「よしっ、今日も昨日と同じくらい歩いたぞ!なんか道中、全っ然、景色変わんなかったんだけど?広い草原続いてただけなんですけど?!」
俺はそう言いつつも昨日と同じように焚き火を作った。
喋りながら勉強するタイプだね。
俺は食事をすませると、転移で洞窟に戻った。
そして寝た。
【現在0km地点】
【3日目】
「うーーん」
俺は背伸びをした。
そして、転移で昨日の場所まで戻った。
【現在200km地点】
「俺が馬鹿だった。同じ景色だからといってそこに新しい発見があるかもしれないという探求の心を持っていなかった」
そう呟きながら頭を左右に振る。
少し考えた。
そして
「とでも言うと思ったかぁーー!!いや、どうみたって何も変わってないんですけどぉーー?!この土、鑑定してみろってかぁー?!」
【鑑定眼】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
この土壌は酸性です
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「知るかぁーーーーー!!!」
叫んだ。
それは、もう叫んだ。
うるさいくらい叫んだ。
黙って歩けよって思うくらい叫んだ。
…、
……………、
………………………、
俺は再び歩き始めた。
【現在250km地点】
「なぜだ、ここまですでに相当な距離を歩いているはず。
なにゆえ人に会えない?!あれっ?この世界、人間住んでないんですか?って思っちゃうくらい会えない。ゲームのレアキャラくらい会えない。なぜなんだー?!」
彼の言葉を翻訳すると、
「暇すぎる!」
そう言いたいのである。
「ちっこいかわいいモンスターをテイムとかできないかな〜、でもな〜そうするとまた創造しないといけないんだよな〜」
それはまた考えることにした。
【現在300km地点】
「はぁーーー、今日はここまでで十分だろ、100キロは歩いたわぁ〜」
道中色々言ってたが慣れれば楽なもんだ。
「よしっ、明日はもっとペース上げて歩こうかな。」
今、やりたいことが、私にはある。
それは、、、
釣りだ!
なんか急にやりたくなったよね。
衝動買いしちゃうタイプだね。これ
ということで釣りに備えて道具の準備と川を見つけないといけない。
明日に備えてもう寝よう、
【転移】
【4日目】
【現在0km地点】
「ふっ、今日は頑張るぜ、」
【転移】
【現在300km地点】
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