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51話;新魔王城の新メンバー 7

「……………………」

「……………………」


 本家魔王城の食堂に、腐臭が漂う。

 言うまでもなく、スライム料理の匂いである。

 見た目もデロデロ、匂いも最悪、調理器具まで溶けかけるとなると、スライム料理には世界最凶の料理という称号を送ってもいいかもしれない。

 元祖魔王城の方に帰ったら、地下ダンジョンの罠として、これが上から振ってくる仕組みを作っておこう。

 ワンチャンそれだけでくたばる可能性もある。

 そう思わせるほど、デリアお手製のスライム料理は不味そうだった。


 ……こいつ、本当にこれ食うのか?

 本当に食ったなら、魔王城の騎士団員として迎え入れてやりたいくらいである。

 まあそんなことお構いなしに、ジュディは煽るのだが。


「どうしたんですか? 足りないものでもありましたか?」

「…………」

「はっきり言ったらどうですか? 謝れば許してあげないこともないですけど」


 いったいなんでこいつはこんなに偉そうなんだ?

 食材をゲットするのが少し遅れただけで、大した被害はなかったというのに。

 そしてそこに違和感を抱かないデリアはどれほど頭が悪いのだろう。

 

 俺の考えなど露知らず、デリアは蒼白な顔でワナワナと震えている。

 食う決心がつかないようだ。

 俺ですら、こんなものを食うよりは、ジュディに土下座をしたほうがマシだと考えてしまうのだ。

 なぜここまでプライドが高いのか知らないが、サッサと謝ってしまえばいいのに。

 ただ、面白いから助け舟は出さない。


 俺が静かに見守り、ジュディが口うるさく急かす前で――

「にゃ!」 

 一声発したデリアは、皿の中のものをすべて口に突っ込んだ。

 

 …………マジでやりやがった。侠気だな。

 しかし、いくら精神が強かろうと、毒物に耐えられるはずがない。

 

 プライドを貫いた代償は大きかった。

 デリアは一瞬硬直したあと、顔を蒼白にし、口の端から泡を吹きながら倒れた。

 俺は解毒魔法をかけてやってから、ジュディを睨む。


「やりすぎだ」

「本当に食べるとは思いませんでした」

「……それについては超同感だけどな」


 こいつのアホさが俺たちの予想をさらに上回ったのだ。

 どこまでも限界を超えていくやつである。


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