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46話:新魔王城の新メンバー 2

 しかし、魔力反応の持ち主は、動物型ではなかった。

 そもそも、モンスターですらなかった。


「獣人さんですか?」

「そうだろうな」


 木の幹に、体を預けていたのは、猫の耳を生やした少女。

 今にも死にそうな様子で、俺たちの存在に気づいているのかいないのか目を閉じているが、魔力反応があるのだから死んでるわけがない。


 獣人といえば、魔界の民の一種族。

 魔王として、助けないわけにはいかない。


「おい、大丈夫か?」

 

 俺の呼びかけに、猫耳少女はわずかに目を開けた。

 

「……誰にゃ?」

 弱々しい声だったが、サンドラ姉さんの囁きに慣れた耳には、十分に聞き取れる。


「俺は魔王だ。怪我はないようだが、具合が悪いのか?」

「…………お腹が空いたにゃ」

「栄養失調か?」

「そうでしょうね」


 栄養失調か……。

 食事を与えればいいのか?

 俺は、昼飯用の、元は(旧)魔王城の倉庫にあった保存食を差し出してみる。


「食えるか?」


 猫耳少女が僅かに口を開いたので、保存食を一口大に分けようとして

「私がやりますよ。彼女もそのほうが安心でしょう」

 横からジュディに奪われた。


 まあ、同性の、年齢が(たぶん)近いほうがいいだろうと、それはジュディに任せる。

 代わりに俺が取り出したのは、コップ。


(ウォーター)


 水で満たして、猫耳少女の様子を窺う。


「どうでもいいですが、あなたの魔法名の名付け方本当に適当ですね」

「ネーミングセンスのない自覚はあるからな」

「よく考えたらあなた、センスと名のつくもの全滅ですね」

「自覚あるだけマシだろ」


 昔の魔王には、自分のネーミングセンスのなさの自覚なしに、いろんな都市の名前を付けて回っていた魔人がいたようだ。


「どんな名前を付けたんですか?」

「グレートワンダースーパーシティってのが一番笑えたな」

「…………それ誰か止めてあげてくださいよ」

「ウチの街を馬鹿にするにゃ」


 目を瞑って保存食を咀嚼していた猫耳少女が、いきなりカッと目を開いた。

 そういえば、あの街は大森林の近くだった気がする。


「喋れるようになったなら事情を教えてくれんか?」

「その前にその水をちょうだいにゃ」


 グビグビと水を飲み干す猫耳少女。

 さっきまではあれほど死にそうだったのに、獣人の回復力とは素晴らしいな。


「ウチはデリア。グレートワンダースーパーシティ居住の冒険者にゃ」

「それ自分で言ってて恥ずかしくならないのか?」

「うるさいにゃ。話聞かないにゃ?」

「聞く聞く」

「なら黙ってるにゃ。ウチはデリア。グレートワンダースーパーシティ居住にゃ」

「そっからやり直すのかよ!」


 どれだけそのセンス皆無の都市名が好きなんだ。


「黙ってるがいいにゃ。ウチはデリア。グレートワンダースーパーシティ居住にゃ」


 何度でもそこからやり直すつもりらしい。

 話が進まないので、俺はさすがにツッコミを抑える。

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