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34話:魔王なのにナンパができないはずがない 2

 予想通り、特に何も問題が起こることもなく、ジュディは夕方、無事に魔王城へ戻ってきた。

 帰ってきた彼女は、親交を深めているらしい使用人たちのところに行かずに、わざわざ俺の部屋に彼女は寄ってきた。

 

 何しに来たのかと思ったら、自慢をしに来たようだ。

 身を飾るアクセサリーやら何やらを、こちらに自慢げに見せてくる。


「いろいろ買ってもらいました。王はこんなでも街の人たちは優しいですね」

「はいはい良かったな」

「反応が薄いですね」

「それがお前への一番の対処法だと理解したからな」

「私との差をようやく理解してきたようで何よりです」

「そんなことは言ってない」

「けど、私に敵わないのは事実でしょう? あなたが逆立ちしてもこんなに異性は寄ってきませんよ」


 そこまで言われちゃ黙っているわけにもいかんな。


「お前は異性としてじゃなくて子供として可愛いと思われたんだろ」

「自分がロリコンだからって他の人までそうだと思い込むのは良くないですよ」

「そういうことじゃない! 子供というのは普通可愛いもんだろうが」

「話をすり替えないでくださいよ。今はあなたのモテなさについて話してるんです」

「お前は聞いてりゃずっとモテないモテない言ってるけどなぁ。俺が女に振られてるとこ見たことないだろ」

「振られたこともあるか怪しいですけど。アタックすらできないチキンじゃないんですか?」


 まるで見てきたかのように俺の暗い過去を話すんじゃない。


「過去じゃなくて現在進行形でしょう」

「そこまで言われちゃ魔王の名折れだ。明日ナンパしてやろうじゃないか。お子ちゃまとの違いを思い知らせてやるよ」


 ……あれ、なんかまた取り返しのつかないことをやらかしてしまった気が。


「過去から学ばない男ですね。そんなだからいつまで経っても成長しないんですよ」

「やけに格好いい台詞を言ってるが、ノセてんのはお前だからな」

「責任転嫁も成長しない要因ですよ」

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