君は泣いていた。~空高く飛ぶ君へ~
遠く
離れ
去ってしまったその人のことを
想い続ける…
君は泣いている…
去ってしまったその人のことを想い
泣いている…
泣いている君をみて
他の誰かが
泣いている…
最初に泣いた君の目から
涙が
あふれ出して
こぼれ落ちた
涙は
いつか
止まらなくなった
そして
自分のもとから去ってしまったその人を今でも想いうずくまり泣いている君をみて…
他の誰かが
泣いて
誰の目からも
涙が
あふれ出して
止まらなくなった
君が泣いているから…
みんな
泣いている…
君は
泣いている…
泣きながら
泣いている…
君に
そっと…
近づきたい…
泣きながら君は…
いつか
自分を救ってくれたその人のことを
話してくれた…
君は…
自分がその人のことを救おうと決心していた…
闇からその人のことを救い出したかった…
君自身の手で…
けれど
その人は
君に救われるのではなく…
その人のことを想う
君以外の
君の知らない
たくさんの
誰かによって
君を救ってくれたその人は救われたと
君は
話してくれました…
だから
君は
その人のことを想う君以外の君の知らないたくさんの人のことが
キライでした
君の想うその人がこれから歩みだそうとするその世界のすべてが
キライでした
お祝いできませんでした…
本心から
喜んでいても
本心から
お祝いできませんでした…
君から遠く離れ去ってしまう…
その人を
君自身の手で
闇から
救い出したかったのに…
それが
それが…
もう
出来ないなんて…
君の知らない
遠い場所へ
その人が
いってしまうなんて…
君は
うずくまり
泣くしかなかった…
泣いて泣いて泣いて泣いて
泣いて泣いて泣いて泣いて…
泣くしかなかった…
君は
永遠を知る…
君の心の深淵に
降り立ちたい
君の心の深い闇の底を
その苦しみを
味わいたい
君の心の中にある
どうにもならないことのすべてを
どうにもならないくらい
味わいたい
味わうという言葉より深い言葉を知らず、苦しい
ただ…
待っていても
その人は
帰らない
その
待つことの
苦しみは
はかりしれない
その
永遠の
別れ
君のもとから
離れ
去ってしまった
その人は
戻ってこない
その
残酷さを
知った
君はいう
それでも
書き続けると
たぶん
今ごろ
はるか
高い場所を
目指して
飛びはじめたころだろう
君は
空高く飛ぶ鳥
地上よりはるか高く
最速のスピードで
風にのる
君は
君にしか知らない
空を
飛ぶ
君にしか知らない
空が
ある
君は
この大空が
この世界に広がっていることを
知っている
それが
君の誇り
はるか上空を
雲間から見下ろして
君の
君自身が
この大空を
飛ぶことが
誇りなんだと
知っている
この大空こそが
君の
誇りなんだと
君は
知っている
君は
飛ぶ!
高度をあげて
君は
飛ぶ!!
はるか上空へ
君は
飛ぶ!!!
最高の速度で
誰も見たことのない景色を
はるか上空より
かなたを
君自身の翼をひろげ
君にしか知らない
君の大空を…
飛ぶ!!!!!!!!!!!!!