表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/6

ぼくがテンプラになったワケ - 5

「ほれ、もう油も煮立っておる。素直にテンプラにならんか」


 ぼくは今一、納得ができなかったけれど、仕方ない。

 海老であることがテンプラになる理由となるのなら、そういうものなんだろう。

 ぼくは大人しく、カラリと揚がった。


「揚がりましたよ、長老」

「うむ、ご苦労」


 本当にご苦労だ。テンプラになる労力は、テンプラを食べるそれの比じゃあない。

 確かに、こんなのは長寿の象徴でもある海老でなきゃ、耐えられないだろう。


「あっつ……すみません、(これ)もう脱いでもいいですか?」

「ああ、すまんの。その辺に置いておいてくれ」


 ぼくはサクサクの衣を脱いで、ハンガーラックにひっかける。

 多少衣の欠片が長老の服につくかも知れないけれど、美味しい衣だ。長老だって文句は言うまい。

 ぼくは溜息をついて、長老宅を辞した。


「あーあ、蛋白質が変性しちゃってる」


 自分の身体から、美味しそうな匂いまでしてきた。最悪だ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ