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今日の科学部

いきなりの夏からのスタート!?

理由は後に明かされる?

『...気温35℃を超える真夏日になる予報となっています』

『温度管理や水分補給をきちんと行い、熱中症に負けず元気にすごしましょう』

『以上尾坂学園保健室でした♪』


ここは尾坂学園科学実験室。主に授業の実験で使用される特別教室であるが、科学探Q部(かがくたんきゅーぶ)の部室でもある。


パソコンと睨み合いをしていた三木がふと呟いた。


「あんなこと放送してますけど僕ら文化部には関係無いですね。運動部さんはどんまいです」


それに応えるよう久保が言った


「せやな~。でも室内やからて蝉の声聞いとったらなんか熱うなってきたわ」


「わかりみが深い」


「やろ?」


二人の会話を聞いていた木田先生が


「「やろ」違うよ!久保君。早く特進組が来る前に実験準備終わらせなさい。三木君はパンフレット早くね」


「「はーい(うーい)」」


「一人フランス人混ざってるよ」


「ヴぉんじょるぬぉ~」


「久保君、ふざけるのは準備終わってからないしなさい」


「すんません」


これが夏の科学部の日常風景(デフォルト)である。


彼らの部活では近くに川が複数あることもあり、河川生物調査として


水の綺麗さを調べる指標のCOD調査(決してコールドオ〇デューティーではない)

海からの海水の逆流を調べるためのモール式塩分濃度測定

最近は他校もやりだした環境DNA調査

の3種の調査・測定を行っている。


これらの調査には調査対象河川から水を取ってくる所謂「採水」と呼ばれる行為が必要なのである。


二人は総合コースで授業数が特進コースより1限少ない為、先に部室に来たら採水準備を行い「特進組」が来たらすぐに分担し、川に採水へ行けるようにしなければならないのだ。


「なぁ、みーちゃんや。バケツとってや」


「はぁ、みーちゃん...ですか。わかりました」


三木は立ち上がると、棚から「釣り人御用達!ゴム製折り畳めるバケツ(ひも付き)」をとって久保に渡した。


「サンキュー♪」


「ああ」


三木は「よっこらせ」とオッサンみたいなことを言いながらデスクワークへ戻っていった。


「採水バケツと採水ボトル。これで川に持っていく分の準備は完了やね」


「おーい」


「どうしました?」


「薬品作るの手伝ってくれへん?」


「わかりました。CODと塩分用、どっちにしますか?」


「どっちでもええよ」


「それが一番困るのですが...。では1か2で好きなほうを選んでください。」


「1で」


「なら久保さんはCODの薬品をお願いします」


(おっけー)

いきなりマニアックな採水についてのお話でした。


次回は薬品調合パートです。(1回で終わるのか...?)


これは後に本編でもお話できたらな...と思っていることなのですが、

環境DNA(河川)は直接生物を捕獲しなくとも採水をすることによって、その中に含まれているDNA(魚類であると糞や粘膜)を分析することができ、採水をしたポイント付近にいた生物(直近1月分)を調べる事ができるという先進的かつ画期的な調査方法なのです。

ただ、欠点が1つあげるとすれば1回あたりのコストがバカ高いということなのです。

まあ、投網(大型の網を投げ込み捕獲)等に比べれば初期投資が高いだけで、長い目で見ていくならば人件費等を考えれば環境DNAのほうが安上がりなのは間違いありません。


興味がおありの方は「環境DNA」でググってみてください(丸投げ)。

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