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天才少年の殺人衝動  作者: 蔵餅
1章―奇病発現
2/9

プロローグ

というわけで、プロローグというか前置きのみの投稿です。

次回は、まあ後程・・・

「ところで、人はなぜ生き物を殺すと思う?

「ああ、もちろん豚とか牛とか魚とか、そういう、食すための生き物ではなく

「例えば虫とか・・・は、そういえば、食虫文化の国もあったっけ

「なら、むしろ核心から迫ろうか

「なぜ人は――――

「人は、私は、私たちは――――

「なぜ、人を殺す?

「殺してはいけないと、たしかにそう教えてもらったはずなのに

「なのに、なぜ殺す?

「・・・わからない、というか、何言ってんだこいつって顔してるね

「いや、それても恐怖かな?

「いいねいいね。おねーさんはそういう人が怖がっている顔を見るのが――――

「大好きなんだ

「ん・・・? ああ、なるほどなるほど

「君のその答え、一風変わって面白いね

「存在そのものが理由である、か・・・

「私の聞いた答えの中でも、それは飛び切り異質だよ

「さすが天才

「・・・じゃなくて、自称凡才、だっけ

「それだけの才能と頭脳を持っていながら、どうしてそこまで自分に対して皮肉になれるのかねぇ

「いやしかし、新しい発見をするというのは楽しいものだ

「ほんと、昔の偉人たちが羨ましいよ

「と、かなり主軸がずれたか

「正直、君のようなまるで完璧の意見が出た時点で、私の捻くれた答えなんてただの戯言にしかならないんだけど

「そういえば君、今は高校生だっけ

「皮肉だねぇ、そんな多感な時期にそう成っちゃうなんて・・・

「まあ私も、君と同じくらいのときにそう成ったからね

「そういう意味じゃ、君も私も同類ってやつか・・・

「そんな嫌そうな顔をしないでくれよ、おねーさん泣いちゃうぞ?

「それで、そんな同類の君に、一つ提案があるんだけど

「どうだい――――――私の仲間になる気はないかい?」



 彼女は、そう言った。

 しかし、正直こんな状況だと、一周回って警察を呼ぶ気がなくなってしまう。

 それぐらいに凄惨で、それぐらいに残酷で。

 それなのに平気な自分というのは、やはり彼女が言うところの『成ってしまった』のだろう。

 手に着いた赤色にさえ無関心なのが、何よりの証拠、か。

 それに今でさえ、あのナイフの感覚が手に残っていた。

 で、仲間だったか。

 興味が無いと言えば嘘になるが、いやでも・・・

 うむ、たしかにこいつとは仲良くしておいた方が、ぼくの利益にはなるだろう。













 まあ嫌だが。

 ぼくは無言のまま、血に染まった左手を掲げた。

 もちろんのこと、親指を下に向けて。

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