1話 [落ちた]
私は、幼い頃から女の子みたいだった。
歌うのが大好きで、女の子と恋愛話したりするのが好きだった。
女の子とばっかり話してると感覚が変わってくるらしい。
かわいいの基準もわかるようになったし、小説もキュンキュンする恋愛小説を読むのが大好きになった。
ただ、私は男の子という自覚はあるから、急にスカート履いたり、男の子好きになったり主語が変わったり話し口調が変わることはない。
そんな私はなんとか中学校も卒業し、高校生になった。
友達もすぐできたし、勉強も必死についていってる。(テストは散々な結果だけど…)
私は高校2年生のときある人に出会った。
その日はクラス替えの日だった。
私は二組になった。座席表に書いてあった席に私は座った。
隣の席にはすでに人が椅子に座っていた。
それが林野結菜。
凛とした姿と、まだ話したこともないけど伝わってくる性格の良さ。言葉では伝えられないけど私を夢中にさせる。
私は我に帰って伝わって急いで机の上の紙に目を通した。しかし、その姿が頭から離れない。もう一回ちらっと彼女に目線を移した。なぜか、彼女はとても輝いて私の目に映る。
私はその時に恋をしたのだと悟った。
そんなことを考えてたらチャイムが鳴って始業式のため体育館へ移動した。
その日の夜いつも通り恋愛小説を読んでたら気づいたらその物語の主人公と彼女を重ね合わせていた。
私は今まで恋をしたことなどなかった。脳内の妄想恋愛はよくやってたけど現実に起こるのは初めてだった。
今すぐにでも話したい、私と仲良くしてくれるかな。そんなことばかりを考えるようになっていた。
よし、明日話しかけてみよう