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『異世界エリュセードの一年』

サージェスティン

「さてと、大図書館でのお仕事第二弾、今日も元気に行ってみようかー」


ルディー

「それはもう、仕事と思って諦めてはいるんだけどな……。サージェス、何で眼鏡オプション付きなんだよ」

(ジュースをストローで飲みながら、呆れ気味)


サージェスティン

「大図書館だよ? 知的な場所での解説コーナーだよ? という事は……、ずばり、眼鏡!! 眼鏡を掛けて、雰囲気を出そうっていうノリの良さを大切にっ」


ルディー

「…………」

(どうでもいいだろ、それ……、という冷ややかな目)


サージェスティン

「ノリ悪いねー、ルディー君。そんなんじゃ、本編で出番ますます減るよ?」


ルディー

「余計なお世話だ!! ……で、今回は何の解説をするんだよ? さっさとやって騎士団に戻るからな、俺は」

(地味に出番がない事を気にしている)


サージェスティン

「ルディー君には遊び心が足りないんだよねー……。まぁいいや。えーとね、今回は、『異世界エリュセードにおける一年の流れ方』を解説していくよ」


ルディー

「まぁ、無難なネタだな。ふぅ、気合入れてやるか」


サージェスティン

「はい、じゃあコレ着けてねー」


ルディー

「…………」

(差し出された伊達眼鏡に遠い目をしながらも、身に着ける律儀な人)


サージェスティン

「コホンッ、まず……、エリュセードの一年はねー、全部で『二十四ヶ月』なんだよー。ユキちゃんの世界では、一年は十二ヶ月らしいけどね」


ルディー

「だから、『俺達の世界での一年は、姫ちゃんの世界での二年分』に該当するんだ。向こうの世界は結構早足で歳をとっていく、って事だな」


サージェスティン

「そうだねー。何だかそう考えると俺達の世界ってお得感満載な感じに思えるけど、その世界を創造した神様によって種族の歳の取り方にかかる時の流れにも違いがあるそうだよ。ユキちゃんの世界の神様はどちらかというと、命のサイクルを短い期間でやってるって感じかなー?」


ルディー

「全ては神の気まぐれってやつなんだろうな。ちなみに、俺達の世界の名前である『エリュセード』ってのは、古い時代の言葉で、『永遠の楽園』っていう意味があるんだ」

(パラパラとエリュセードの歴史辞典を読みながら確認中)


サージェスティン

「昔は神様と地上の民が交流をしていた時期もあったらしいからねー。貴重な当時の記録を遺してくれた先人達に感謝感謝だよ。そのお陰で、エリュセードを守護している御柱の神様や、他の神様達についても知る事が出来るしね」


ルディー

「だな。それと、この世界の名前を決めたのも天上の神々で、その意味を地上の民に伝えたそうだ。なんつーか、書物を見る限り……、地上の基本的なアレコレを決めたのも神々っぽいな」


サージェスティン

「言い伝えではそうなってるねー。あ、それと、一年の流れは二十四ヶ月っていうのはもう説明したけど、『前半の十二ヶ月を終える』と、世界に『変化』が起こるんだよー。それには『精霊』達の存在が大きく関わってくるんだけど、『前半十二ヶ月最後の日の夜からエリュセード中に星の光みたいなのが沢山降り注ぐ』んだー。で、その後は『後半の一ヶ月中夜が続く』んだよね。エリュセードの表も裏も」


ルディー

「その現象が起こる理由は、『エリュセードの運行を司る精霊達が役目を交代する』ってのが一説だが、前半と後半で精霊の影響力が違うんだよ。まぁ、これに関してはいつか『精霊』の解説回が出来た時に詳しく説明させてくれ。んじゃ、次は……、あ、これも必要だな。『エリュセードの一ヶ月』。俺達の世界での一ヶ月は『三十五日』が基本だ。で、『一週間は七日』。一週間が七日ってのは、これは姫ちゃんの世界と変わらないな」


サージェスティン

「一ヶ月が『五週間』って事だねー。休日や祝祭の日もあるんだけど、これ全部書くと疲れるから割愛させて貰うね。あと、『一日は二十四時間』。これも、ユキちゃんの世界と同じだよ」


ルディー

「あと、話は戻るが、エリュセードの一年を構成している前半と後半は、それぞれに、『花』と『宝石』の名前が『○○○○○の月』ってな感じで名づけられてる。『前半が花の名がついた月』で、『後半が宝石の名がついた月』。そういう感じではっきり分かれてるんだ」


サージェスティン

「あれだねー。本編では一切出て来ない設定だから、別に気にしなくても無問題だと思うよ」


ルディー

「あぁ。本編では全く触れてない設定だからな……。けど、『ウォルヴァンシアの王兄姫』の、三人分のルートが終わって何年かしたら、この設定が大きく関わってくる第二部が始まるかもしれ」


サージェスティン

「無理、無理だからね……? それ、絶対作者の脳内で完結して終わる方向性大だよ! 大体、三人分のルートに何年かかるんだろなぁ、って感じなのに……。これ以上、本編を読んでくれてる読者さん達を疲れさせるのは駄目だよ! あ、でも、俺のルートをオープンさせるなら、そっちは可かなー」


ルディー

「さりげなく自分だけオイシイ思いをしようとすんな……。はぁ~……。まぁ、『エリュセードの一年』に纏わる話はこれくらいでいいか。あ、そうだ。『四季』に関してはまた別の回で説明するから、そっちで把握よろしくな」


サージェスティン

「……って、さぁ、第二回終わったぞ! 帰るぞ!! 的な笑顔で速攻帰ろうとしないでくれるかな?」

(立ち去ろうとするルディーの後ろ襟首を鷲掴む)


ルディー

「ぐっ!! ……終わったんだから問題ないだろ?」


サージェスティン

「甘い! 甘いよー、ルディー君。ただ解説だけして終わりなんて、味も素っ気もないじゃない」


ルディー

「第一回目はそれで終わっただろうが……」

(げんなり)


サージェスティン

「第一回なんて、お試しバージョンみたいなものだよー。やっぱりね、わざわざこのページを覗きに来てくれる人に解説だけしてはいさようなら、なーんて真似したくないし。どうせだったら、誰か適当に巻き込んで雑談とかも盛り込んでいった方が楽しいじゃない。ねぇ?」


ルディー

「……楽しい、か? ってか、お前が誰かと絡みたいだけだろ? 暇潰しだろ? 当たってるよなぁ?」


サージェスティン

「うん、まぁ、その要素がある事も否定しないよー。皆でわいわいした方が楽しいしね。という事で」

(大図書館の奥に早足で向かって行く人)


ルディー

「?」

(お菓子を食べつつ、動向を見守っている)


サージェスティン

「はーい、本物の暇人こと、イリューヴェルの第三皇子カイン君だよー」


カイン

「だぁああああっ!! 放せ!! 放しやがれぇええええ!!」

(首根っこ掴まれて奥から引き摺り出されてきた竜の皇子)


ルディー

「あ~……、そういや、大図書館の奥は皇子さんの昼寝場所だったなぁ」

(同情の目)


サージェスティン

「この子夜行性だからねー。昼間はバイトか、寝てるかのどっちかなんだよ」


カイン

「何でテメェがそんな事まで知ってんだよ!!」


サージェスティン

「え? そりゃあ」


ルディー

「聞かない方がいいぞ~、皇子さん。そいつ、情報収集能力半端ねーからな。……弱味も含めて」


カイン

「げぇぇ……っ」


サージェスティン

「情報は武器だからねー。さ、皇子君も座って座って。三人で仲良くお茶会しようよ」


カイン

「野郎三人でかよ……。ふあぁぁ……、暇だな、お前ら」


ルディー

「皇子さんに言われたくねーよ」

(カインの頬を容赦なく引っ張って睨む)


サージェスティン

「はははっ。違う違う。俺達は多忙なところをわざわざ時間を作って作者からの仕事を引き受けてるだけで、本物の暇人とはわけが違うんだよー」

(ニコニコニコニコニコ&カインのほっぺを容赦なく引っ張る)


カイン

「痛だだだだだだだっ!! て、テメェらっ、ふざけんじゃねぇぞ!! ちゃ、ちゃんと聞いてたんだからなぁあっ!! や、役目が終わったくせに茶会なんてっ、暇人以外の何者でもねぇだろ、痛だぁあああああっ!!」

(両サイドからさらに酷い目に遭わされる子)


サージェスティン

「話を聞いてたんならわかってるでしょ? この時点でアレク君ルートに入ってて皇子君暇なんだから、少しは出番を自分から増やす努力をした方がいいよー?」


カイン

「ぐぅぅぅぅ……ッ。サージェス、テメェ……っ、番犬野郎のルート中だってのを利用して、俺をいじる気だな? 人の心を抉り付けて塩を擦り込む気だろっ!!」


サージェスティン

「え? 擦り込んでほしいの? じゃあ遠慮なく、――アレク君のルートでユキちゃんに振られる心の準備は出来た?」

(悪意があるのかないのか読めない満面の笑顔)


カイン

「ぐはぁああああっ!! ……テッメェっ!! ノリが良すぎんのも大概にしろよ!!」


ルディー

「まぁまぁ、皇子さん。サージェスにネタふりしたのが悪ぃんだから、その辺いい加減学べよ。はぁ……、で? どうすんだ? このまま皇子さんと三人でどうでもいい話でもするわけか?」


サージェスティン

「そうだねぇ……。とりあえず、次は『エリュセードの四季』に関してやっていく予定だから、それに皇子君も巻き込んじゃおうか」


ルディー

「つまり、このまま茶会仕様で第三回目に突入って事か……。まぁ、『四季』に関しては説明する事も少ないし、負担はないけどよ。……皇子さん、ついて来れそうか?」


カイン

「誰が参加するって言ったよ!? 俺は部屋に戻る!! 邪魔すんなよ!! ――げぇええっ!!」

(大図書館から逃亡を図ろうとしたものの、首元に剣先を添えられてしまう可哀想な子)


サージェスティン

「一緒に、楽しく、次回も付き合ってくれるよねぇ?」

(爽やかな曇りなき笑顔。ただし、背後に魔竜の恐ろしい姿が見えるの図)


カイン

「…………くそぉっ」


ルディー

「皇子さん、頑張れよ」

(同情はしているが、助けはしない)

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