2
この世界にきて約1年の時が過ぎた。
(一年とはいっても、この世界の一年という単位がわからないので、日を数えるようになってからおよそ300日)
普通の人間の子供より成長の早い俺はもう一人で歩けるほどになっている。
(乳離れは出来てないけどな・・。(良質なプロテインですマジ!
これもしっかりとした栄養と睡眠、そして自重トレーニングのおかげだなフムフム。
今日こそは住処である洞窟の住居をからでて、森の中へ食べ物を取りに行く予定だ。
普段からレリス母さんはオーガという種族というのもあってか、洞窟にいる低レベルの「キャリーバット」(絶叫する蝙蝠)や水分がてらに「スライム」を食べたり、1mくらいの芋虫「パープルキャタピラー」や「双頭のオオムカデ」を食べたりしているのだが、料理もせず食らいつくのでグロいんです・・・。
なので、前世の記憶を持つ俺としては、離乳食としてそんなものは出来れば拒否したい・・・!!
それに加えて「衰弱」のバッドステータスから抜け出せていない母は、狩りと食事と俺の相手をしているとき以外は、基本的にベットで横になっている。
いつも大切に育ててくれる母に、俺からの恩返しだ!!
ベットで寝ている母の目を盗んで、さっそく森に出かけたのだが、さっそくエンカウントしてしまった・・・。
「スライム」×3
洞窟の中では見かけたことのない緑色のスライムなので、鑑定してみる
「スライムLV3」……………
自重トレーニングとレリス母さんのプロテインで育った現在の俺のステータスは
レベル8
HP360
MP10
力 11
生命力 15
素早さ 4
器用さ 4
魔力 1
スキル
超回復LV2
暴食
女神の守護(?????)
鑑定LV1
なので、恐らくレリス母さんのジュースにしかならないスライムの劣化版にやられる事は無いだろう。
しかしLVでは測れない部分での相手の強さがわからない内に、真っ向勝負を挑むのも危険なので、足元にある小石を全力投球すると
勢いよくスライム達にぶつかり爆散していった。
「よっしゃーーーーーーーー!!!!」
プチテンション上がりながら、体から力が沸き上がりレベルアップを感じた俺はさらに歩みを進めるのである。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
2時間くらいは歩いたのだろうか。
グロくない食材を求める旅・・。
森の中の獣道を歩きながら、低レベルなスライムや小さなモンスターを石投げや拾った木の枝で殴りつけて100体くらい倒したのだろうか……
何度かレベルアップを感じてドンドン力が沸いてくるのだか、一向に豚とか牛とかウサギのような美味しそうな食材は居ない。
どうにかして生理的に受け付ける、筋肉を作る為の最重要栄養素である蛋白源を見つけたいものだ。
とりあえず時間も遅くなるし、頻繁に発見できる赤い果実や色とりどりの果実、植物性タンパク質を目的とした「木の実」、を味見しながら採集して、家路に着こうとした時に………
「キャーーーーーーーーーッ!!!!!、!!!!!!!」
どこからか絶叫が聞えて、めっちゃビックリして思考が停止する。
「こういうの弱いんだよなー。」
バクバクした心臓を押さえつつ、
ウム、助けに行くべきなんかぁ~。
ってか、まだ1歳の俺が助けに行った所で、巻き添え喰うだけだろうな~。。
でもこれって異世界物でよくある、ヒロインとの出会いのフラグがたってるよーな・・。
もやもやした感情に支配されつつも、とりあえず様子を見に行く事を決めて、声のある方へ忍び寄ってみる。
すると100メートル程の場所に、俺が食材として追い求めていた豚が…………。三匹の豚が……………。
いや、普通に二足歩行しているんですけど・・・・・・!!!!
・・・・・もしかしてオークか?
そのオークが、自分の身長の半分しかない少女を取り囲み何やら興奮した様子で、棍棒と剣、鉈を振り回している。
「*****************!!!」
「********、」
「**************!!!!!!!!!」
異世界言語理解のスキルが無いので、当然話しの内容はわからないのだが、取り囲んでいるオーク達が剥き出しの下半身にテンションMAXな巨大マツタケをはやしてる所を見ると、このまま放置してるとサイズ的に少女は確実に犯し殺されるな………。
少女も完全に怯えきって、失禁している様子だし。
ただ、ここで助けようとしたところで今のレベルでオークに勝てるかも分からない上に負けてジエンドみたいな状況にはなりたくも無いからな………。
圧倒的なチートがあるわけじゃなく、異世界転生した俺に、無理してフラグ回収する意味もないしなー。。っと思いつつ、まあ見捨てたら見捨てたで人として屑やけどなぁ~、、、まぁ今の俺はオーガだけど。
そんなこんな考えてる内に、怯え、絶叫する少女はオークに蹴られ殴られ大人しくなった所で、ついに少女の衣服をオークが引き裂いた。
「.......」
「................。。やっぱり助けないと行けないかな。」