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意識が混濁している・・・。
目覚めると薄暗い森の中、焚き火の炎がゆらゆらと揺れている・・。
誰かにやさしく抱かれて、すごく心地が良い。
(たしか、筋トレ途中に意識を失って、女神にあって。。・・・・・それからっ!!)
見上げるとそこには、やさしく微笑む・・・・人??ではない誰かがそこにはいた。
その誰かは、巨大な二つの角に筋骨隆々の黒い肌をした女性で、
その瞳は輝くような金色であり、なぜか全身傷だらけである。
(だ・・っ大丈夫なのかな??誰か助けを呼ばないと・・・。
・・・あれ??体がうまく動かない・・・。もしかしてこの状況は・・・。)
異世界転生を無事に果たしたんだろうけど、恐らく俺は新しく生まれ直したのだろう。
目の前にいる女性は恐らく母親で、なぜかそれが本能的に分かる。
傷ついたまま俺を出産し、寒い夜の中やさしく抱きしめて温めてくれている。
その様子は幼い時に死んだ母の様であり、心からの幸せを俺は感じている。
今置かれている状況は良くわからないのだが、周りには他に誰もいなく、
夜の静寂と、獣たちの声だけが木霊している・・。
とりあえずは体をうまく動かせないので様子を見守ることにしよう・・。
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翌日、いつの間にか母の温かい腕の中で寝てしまった俺・・。
周りが明るくなって気づいたのだが、母さんの傷は思ったよりも深そうである。
出産で衰弱して動くこともままならない・・。
それでも母は優しい笑顔を俺に向けてくれている。
そんな中で、今の状況を確認しようといろんなことを試してみる。
「・・・たしか異世界転生物のアニメでは、まず最初にステータスの確認とスキルの確認
それと、鑑定スキルを使えるか確かめる。そして魔法が存在した場合幼いころから限界まで魔力を使いながら鍛えて
その世界の頂点に上り詰めるのが定石でだよな。、あっ、あとアイテムボックスもか!!。」
なのでまずは心の中で唱えてみる・・・。。「ステータスオープン」
名前 ゴルド・アルデス・デ・レリス
種族 オーガ(亜種)
レベル1 男
HP100
MP10
力 3
生命力 4
素早さ 1
器用さ 1
魔力 1
スキル
超回復LV1
暴食
女神の守護(?????)
鑑定LV1
・・・。うん、種族がオーガかぁ。人間じゃないだろうと思っていたけど、力の強そうな種族だからまぁいいか!!
暴食??どんなスキルなんだろう?いっぱい飯が食えるのかな?
まあ、超回復とかいう筋トレには必須なスキルがあるから良しとしよう。
次に鑑定のスキルを母に使ってみる。
名前 レリス・アレスタシア・デ・ビアルガ(母)
種族 深淵のオーガ
状態 衰弱
レベル 287 女
HP1211/150000
MP230/5900
力 195
生命力 320
素早さ 95
器用さ 85
魔力 50
スキル
????
!!!!レベル高っ!!って、この世界のレベルの上限は分からないのだが間違いなく強そうな感じがする。
それよりも、状態の欄にある「衰弱」が心配である。HPもMAXからすると1パーセント程しかないし。
とても心配である・・。
あとはアイテムボックス、また心の中で念じると・・・・・・・。それは現れなかった。
どうやらアイテムボックスはないのかな??スキルではなく、アイテムとしてあるのかもしれないけど。
とりあえずこれからの俺のできることについて考えてみる。
・・・筋トレ??早く強くなって、母を助けたい。
でも今は少しでも早く成長することが大切かな・・・。。
・・
・・・・・・・グゥゥゥゥ~~。。
「うん、お腹がすいた・・・。」
自分自身が幼児になっているせいか、不意に涙が込み上げてくる・・・。
「う、うううう!うぁぁーぁん!!ううううう。。。」
思わず大きな声で泣いてしまった。
そんな俺の姿を見て、母は何かを察したのか、真っ黒なローブを肌蹴させてそっと俺に乳房を近づける。
それを全力で貪るように、しゃぶりつく俺は母乳で腹が膨れると深い睡魔に飲まれ眠りに落ちるのであった。