LHZ004_『彼女の大災害ーシノブの場合』
今回はLHZ001のよしなと話していた友人。しのぶちゃんのプロローグです。
ログ・ホライズンの二次創作としてはお馴染みの、大災害直後の描写となります。
私的にはシリアス目に書いてみましたが………どうかなぁ?
初めに感じたのは、頭にのしかかる鈍痛だった。
かすかな痛みに顔をしかめながら目を開く。
どうやら眠ってしまっているらしかった。
いけない、自分で注意しておきながら居眠りなんて、よしなにのからかわれてしまう。
……彼女が悪戯してこないところを見るに、幸いにも気づかれてはいないらしい。
「っ……眩し……」
お日様が見える、いい天気だ。
ジャージに着替えて一時間も走ればゲームで鈍った体をほぐすのに丁度いい
「(よしなもチュートリアルで少しは時間かかるだろから、ひとっ走り行くか)」
「よしな、フォルモサ島にはついたか?そこで指示通りやってりゃ基本は身につくからしばらく頼むわ。俺はちょっと走ってくるから……よしな?」
返事がない、ただの寝落ちのようだ。
「って、うぉい!よしなお前なっ!?」
……待って、今はいったい何時だったろう?
確か0時をちょうど過ぎたところだったはずだ、お日様が見えるはずがない
頭を振って眠気をとばし、目線を上げる。
……なんてバカだったんだ、わたしは
目の前には青空が広がっている。雲ひとつないと言うわけではないが、十分に快晴だ。
わたしと空の間に窓はない、もちろん閉めたはずのカーテンもなければ、部屋の中ですらなかった。
自然に埋もれた街……そういう表現が合うのだろうか?苔むした大樹を中心にビルがそびえ立っているのが見える。どれも大分古く外壁はひび割れ、廃墟のように見える。わたしがいるビルの屋上もその中のひとつだ。
「まさか…」
だが大きな違いがある、
「ギルドホール……なのか?」
見間違えようもなかった。5年、10年とはいわずともこの中については誰よりも詳しい。目をつぶってたって操作して目的の場所へと行ける……そう、『操作』できればの話だ。
「……よしな…?聞こえてる……か?…なぁ?」
ムダだとわかっていながらも問いかけた。手を耳に、『感触の失せた』ヘッドセットへと伸ばす
「あっ……」
指が細い何かに触れると、その感触にどきりとする。
今わたしは二つの感触を得ている。
ひとつは指だ、長細く柔らかい、またそれには機械にあるまじき温度がある
ひとつは耳だ、『何か』に触れられている。
まって……
こんな時でも、近場にある水瓶の位置は覚えていた。
駆けよって覗きこむ、手も足も震えているのにたどり着くのに2秒とかからなかった。
まって……
澄んだ水に『わたし』の顔が写る、濁ってたらよかったのに
そうしたら、これが見間違いだったと思えたかもしれないのに
「ーーッ!!?」
声が聞こえる。下からだ、錆の浮いた柵から下を見下ろした。
大勢の人影が見える。男女、髪の色、肌の色どころか、『種族』すら違う
一番多いのは人間だろう、小柄な体格に対し巨大な斧を側に落としているのはドワーフだろうか?エルフは耳がとがっているから分かりやすい……あぁ、本当に判りやすい
露天の店主に掴みかかっている男性は狼牙族だ、確か興奮すると犬耳が生えるんだっけ……狐尾族、法儀族、あとは外見じゃ判らないけどハーフアルブもいるだろう。多くの、本当に多くの人がいる。
冒険者がここにいる……いるとするのなら……
「………頼むから………来るな」
この呟きが、彼女のもとへ届かないことを、わたしは必死に祈った。
はい、以上。『彼女の大災害ーシノブの場合』です。
随分時間が空きましたが………まぁ色々(積みゲー消化)してました。
よしなが眠りこけてた間、シノブは大分シリアスしていました。
これに関してはまぁ、こっちの出番がないってのもあれかなぁ?
くらいで書いてたものです(== よしながこうこうしてる間、シノブは・・・みたいな感じで基本的に書いていくことになるでしょう。その際にはギャップ萌えっていいよねって言えるように描写できるよう頑張りますノ