表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

彼方の君

作者: 風凛

君は僕を離さない。


この痛みも、感情も、

感覚も、思考も、想いも、

気がつけば全部君から与えられていた。

頼んでもいないのに。


そして、鋭利な痛みは僕を裂いて遂には全て散り散りに、砂のようにしてしまう。

それは風に舞うことも、他の砂に交わることもなくただ、その場に佇んでいる。


君は耳元でささやく。


そして僕の首を絞める。

限りなく白く透き通り、崩れてしまいそうな脆さを抱えた繊細な美しさと、僅かな熱を持った、優しさにも似た感情で。


荒れ果てて、

乱れ果てて、

傷みだらけで、

干からびた 生 がまとわりついている、僕の汚れた首に、そっと手をかける。


爪の突き刺さる痛みもなく、五本の指達による圧迫感もない。

ただ苦しさと苦しみが増していくだけ。


そうして君は僕を束縛し続け離さない。


今になって僕の意識の中に浮かぶのは、

君の笑顔と優しい言葉だけ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言]  葵枝燕と申します。  『彼方の君』、拝読しました。  何だかちょっとこわい感じでしたが、何ていうのか……綺麗な文だなと思いました。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ