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冒険記  作者:
6/8

ネズミと花

オレはユカと一緒に村の出入り口に早足で向う。陽がくれるとモンスターが強くなるから、少し急いでいる。


オレは相変わらず、棍棒を手に。ユカは金属製の鞭を手にしならせている。こうやって見るとオレより数年年上の金髪少女は、オレより数センチだけ背も高く、戦闘も強そうだ。


よし、頑張らなきゃ!


自分に気合を入れ、少し背伸びをしながら、オレはユカと村を横切り、出入り口にすぐつく。まあ、小さな村だしな。


「おや、こんな時間にお出かけかい?」村の入り口の護衛が、笑顔で話しかけて来る。


こいつ、オレが怪我した兄貴と一緒に村についた時に手を全然かしてくれなかった。何で今更話しかけてくるのかと思ったら、目が。


目が金髪少女に釘付けだ。このロリコンおやじが。白髪まじりのおっさんが13くらいの金髪少女に何を期待してんだ!


伸び切った鼻のしたにフォークでも刺してやろうか。そんな事をボヤッと考える。


「はい、お仕事頑張って下さい」さらっと、おじさんをかわしながらも、失礼ない返事。さすがだなぁと思っていると、ユカはオレの手をギュッと握って早足のまま村を出る。


「フォール、ああいうのは相手にしてはダメよ」と、金髪少女。「さあっ、気分を変えてモンスター退治よ!」


明るく笑うと、可愛いな。いつの間にか、呼び捨てだし。


村の外、柵を越えるといつモンスターが出てもおかしくない。緊張して構える。


すると、マッドフラワーが二匹現れた! マッドは茶色い泥で雨が降ると出没確率が増えるらしい。動きも遅く、オレにはピッタリだ。


いいところを見せるぜ! 意気込んで、一歩前に出ると、オレがマッドフラワーに届く前に、ヒュッという風切音。


ユカがすでにチェーンを振るっていた。鋼鉄の鞭に引き裂かれ、マッドフラワーは二匹とも、しぶきをあげて吹き飛ぶ。


うわ、凄い。


オレが何もする前にモンスターを両方倒しちゃったよ。弱いモンスターで、アイテムボックスに入れる部位もない。それでも、脅威的なスピードだ。


「次、来るわよ!」あっけにとられていると、素早いモンスターが襲ってくる。ファームラットが5匹出没した。


数は多いが、農家近くに住む大ネズミ。たいしたことはないさ。


飛びかかってくるのを狙い、棍棒で叩く。一匹を数メートルはじき返す。


ユカが鞭を振るうと、ラット一匹に直撃。爆発でもしたように血の塊になる。でも、マッドフラワーみたいに簡単にはいかない。


下速した鞭をファームラットは回避し、3匹がユカに襲いかかる。鋭い前歯が白く光る。


「そんな事、させるか!」 オレはユカの斜め前に飛び出し、先頭のファームラットを横殴りにする。


二匹目と三匹目が体当たりをしてくる。角度があって、歯が届かないのがラッキーだった。痛いが、致命傷からは程遠い。


「離れて!」 金髪少女の声にオレは右に飛び退くと一瞬遅れて、金属の鞭がラット2と3を引き千切る。やっぱり、凄い威力だ。


残り二匹。


「一匹づつ倒しましょう!」またもや、ユカの指示のもと。確かに、素早いが、一対一なら何とかなる。


オレは棍棒を上段に構え、ファームラットが飛びかかってくるのをじっと待つ。すると、やはり。


無防備に宙を舞い、身軽な大ネズミは飛んでくる。そこを上段斬りだ!


まあね、切ると言っても、棍棒だから、叩くだけなんだけど。


地面に落ちたファームラットにトドメだ。けっこう向こうまで、はじき返してしまった。


「フォール! 大丈夫!」ユカが走り寄り、先にファームラットに着くと、鉄の鞭で倒してしまった。


オ……オレも一匹くらい倒したいよ……

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