表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
冒険記  作者:
5/8

宿屋

兄貴も元気になり、倒したブラックウルフやスモールワームを道具屋に売り、旅費も安定している。


「今晩はゆっくり休むぞ、フォール!」

「はい、バザック兄貴!」


そんな夕刻。宿屋の廊下で、ばったりと巨乳姉ちゃんに会った。もちろん、金髪少女も一緒。


「あっ! お前は今朝の!」オレがぼったくり女と言う前に。

「あら、坊や。 お兄さんは元気になった?」手伝ってあげた優しいお姉さんのような態度の巨乳姉ちゃん。ビッチな予感……


「うっ」オレが言葉に詰まると兄貴が代わりに話してくれる。


「いやぁ、助かった。ブラックウルフと戦って、毒爪にやられてな。御礼に一杯どうだろうか?」 ぼったくりに怒こっていた兄貴が、ニコニコしている。巨乳パワーだな!

「そうですか? では、お言葉に甘えて……」金髪姉ちゃんも笑顔。


「名前は? オレはバザック」

「ふふ、美玲です」


「まさか、女二人で旅を?」

「そうなんです。でも、ブラックウルフだなんて、怖いわ」


「いやぁ、結構凶悪なモンスターもこんな田舎にもいるんだな。少し、驚いた」

「ふふふ、でも、そんなモンスターも、あなたなら敵じゃないでしょう?」


そんな話をしながら、兄貴は巨乳姉ちゃんと一緒に歩いて行ってしまう。


「ねえ。あなたはどうするの」途方にくれているオレに金髪少女が話しかける。ずいぶん積極的だな。でも、毒消しは10ゴールドを5ゴールドにしてくれたのだし。

名前も多分ユカだと覚えている。

「オレはまだわからない。来たばっかの村だし」


「そう……」向こうに行ってしまいそうな金髪少女に、勇気を出して声をかける。

「ユカ……さん……だよね。さっきはありがとう。」


「はじめまして、ユカですあなたは?」

「オレはフォール。」


確かに名前を教えてもらっていないのに、姉との会話を盗み聞いていたのではかっこ悪い。折角、仕切り直して自己紹介してくれているユカ。


優しいな。もう少しいろいろ話したい。


だが、兄貴と男二人で旅しているオレは、それ以上少女との会話する内容が思いつかない。


「……」

「……」


「そうだ。私、試して見たいことがあるの。今日買った鞭で」ふと思いついたように、金髪少女が助け舟を出す。

「まさか、オレを叩くのか!」オレがビックリしていると少女は笑い転げる。オレはトンチンカンな反応をしてしまったよう。


「そんな事しないわよ! モンスターと戦ってみたいんだけど、一人じゃ心細いの。一緒に来てくれない?」

「うん。」オレも兄貴に守られているだけじゃなくて、少しは強く成りたい!


ユカとオレは、陽がくれる前に、急いで装備を用意して宿を出たのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ