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冒険記  作者:
4/8

毒消し

金髪女に気合負けしたオレだったが、何となく様子がわかってきた。

巨乳金髪女は、頑張って値切りをしており、大きく腕を振り、ジェスチャーしている。

それを道具屋のおっさんは鼻の下を伸ばしながら、眺めている。出来るだけ、話を長引かせようとしているのが見て取れる。

わかってやっているのか、巨乳金髪女は胸を上下させながら、大きくジェスチャーしながら値切る。

そして、となりの金髪少女は半ば呆れ顔で、交渉が終わるのを待っている。


「ああ、もうわかった! 持ってけ、持ってけ!」

「ありがとうございました!」明るくお辞儀する巨乳姉ちゃん。

「ありがとう、おじさん!」 となりに同じくの金髪少女。


やっとオレの番が来た。


「毒消しを下さい!」

「悪いね坊主! 今の姉ちゃんに全部売っちまったよ!」すまなさそうというよりも、嬉しそうな道具屋。 まだ、顔がニヤニヤしている。


マジかよ。全部売っちゃうなんて、酷いよ!


オレは、巨乳姉ちゃんと金髪少女をすぐに追う。すると、角を曲がったところで、二人に追いつく。

落ち着いて考えれば、まるで、オレが急いで追ってくることを予想していたかのよう。


「すみません、毒消しをひとつ売って貰えませんか!」オレは金髪巨乳に声をかける。

「あら、さっきの男の子じゃないの。どうしたの?」巨乳姉ちゃんの乳房がブルンブルンする。


「えっ、あの……」つい、何しに来たのか忘れてしまう。ああ、そうだった毒消しだ。


集中して、「すみません兄貴が毒に侵されてて毒消しをひとつ売って下さい!」頭を下げ、一気に話す。

「ごめんね、悪いけど、私たちも必要なものなのよ。」


「それは、わかってます。でも、兄貴が…… 兄貴が……!」

「そう、仕方ないわね。 では、10ゴールドね。」


「あの、オレ5ゴールドしか持ってないんです……」

「それじゃあ、ダメね。」


「姉さん、そんな男の子なんだから、5ゴールドでいいじゃない?」優しく介入してくれる金髪少女。

「何言ってるの。甘いわね。それとも、あんた……」その金髪少女をジロリと見つめる巨乳姉ちゃん。


「まあ、いいわ。ユカに免じて5ゴールドで。」手を差し出す巨乳姉ちゃんにゴールドを手渡すと、「はい! 頑張ってね!」と交渉が終わったからか、急ににっこりと微笑みかける金髪巨乳姉ちゃん。


オレは毒消しを持って、急いで村の宿で待つ兄貴のもとへ戻った。毒消しひとつ買うのも、大変だ。


苦労して兄貴に毒消しを飲ませると、兄貴の顔色がみるみると良くなった。が、しかし、通常価格 2ゴールドの毒消しに5ゴールド払ったオレはこっぴどく兄貴に怒られたのだった。

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