毒消し
金髪女に気合負けしたオレだったが、何となく様子がわかってきた。
巨乳金髪女は、頑張って値切りをしており、大きく腕を振り、ジェスチャーしている。
それを道具屋のおっさんは鼻の下を伸ばしながら、眺めている。出来るだけ、話を長引かせようとしているのが見て取れる。
わかってやっているのか、巨乳金髪女は胸を上下させながら、大きくジェスチャーしながら値切る。
そして、となりの金髪少女は半ば呆れ顔で、交渉が終わるのを待っている。
「ああ、もうわかった! 持ってけ、持ってけ!」
「ありがとうございました!」明るくお辞儀する巨乳姉ちゃん。
「ありがとう、おじさん!」 となりに同じくの金髪少女。
やっとオレの番が来た。
「毒消しを下さい!」
「悪いね坊主! 今の姉ちゃんに全部売っちまったよ!」すまなさそうというよりも、嬉しそうな道具屋。 まだ、顔がニヤニヤしている。
マジかよ。全部売っちゃうなんて、酷いよ!
オレは、巨乳姉ちゃんと金髪少女をすぐに追う。すると、角を曲がったところで、二人に追いつく。
落ち着いて考えれば、まるで、オレが急いで追ってくることを予想していたかのよう。
「すみません、毒消しをひとつ売って貰えませんか!」オレは金髪巨乳に声をかける。
「あら、さっきの男の子じゃないの。どうしたの?」巨乳姉ちゃんの乳房がブルンブルンする。
「えっ、あの……」つい、何しに来たのか忘れてしまう。ああ、そうだった毒消しだ。
集中して、「すみません兄貴が毒に侵されてて毒消しをひとつ売って下さい!」頭を下げ、一気に話す。
「ごめんね、悪いけど、私たちも必要なものなのよ。」
「それは、わかってます。でも、兄貴が…… 兄貴が……!」
「そう、仕方ないわね。 では、10ゴールドね。」
「あの、オレ5ゴールドしか持ってないんです……」
「それじゃあ、ダメね。」
「姉さん、そんな男の子なんだから、5ゴールドでいいじゃない?」優しく介入してくれる金髪少女。
「何言ってるの。甘いわね。それとも、あんた……」その金髪少女をジロリと見つめる巨乳姉ちゃん。
「まあ、いいわ。ユカに免じて5ゴールドで。」手を差し出す巨乳姉ちゃんにゴールドを手渡すと、「はい! 頑張ってね!」と交渉が終わったからか、急ににっこりと微笑みかける金髪巨乳姉ちゃん。
オレは毒消しを持って、急いで村の宿で待つ兄貴のもとへ戻った。毒消しひとつ買うのも、大変だ。
苦労して兄貴に毒消しを飲ませると、兄貴の顔色がみるみると良くなった。が、しかし、通常価格 2ゴールドの毒消しに5ゴールド払ったオレはこっぴどく兄貴に怒られたのだった。