プロローグ
なんて眩しいのだろう・・・
時刻は深夜26時。でも暗くなんて無かった。
無駄にまぶしいネオンのせいだろうか・・・あのときのアタシに寂しいなんて言葉はどこにもなかった。
なんて眩しいのだろう・・・
時刻は深夜26時。でも暗くなんて無かった。
無駄にまぶしいネオンのせいだろうか・・・あのときのアタシに寂しいなんて言葉はどこにもなかった。
ただそこにはうれしいとも、楽しいとも、悲しいとも、寂しいとも・・・何の感情も何の意識も無かった。
自分が生きている・・・ただそれだけだった。
ただ生きている。
時折寝て、毎日ノルマのような日課をこなすだけのアタシがいた。
生きているのに理由なんてない。前を見ているわけじゃないけど、後ろを振り向く事も無い。自分がそこにいることに気がついて欲しいとも、見つけて欲しいとも思ったことはなかった。
愛されたいとも、愛したいとも思ったことはなかった。
そう、君に出会うまでは。
携帯の目覚まし音が鳴り響く・・・・
まだベッドにはいって3時間半・・・携帯は7時のアラームを必死で鳴らしている。もう充電しないとないのに・・・
朦朧とした意識のままアラームをとめるとあたしは立ち上がった。
『おきないと・・・・。』頭の片隅ではわかっている。でも体が動かない。アラームをとめるさえなかなか力が入らないのに・・立ち上がる気力なんてない。
薄目をあけ充電のコードを手繰り寄せる。
カチッ充電スタート。
充電足りない・・・あたしと同じか・・・
なんか笑える。
こんなコードのついたものとあたしは同じなのか・・・。
立ち上がると、洗面所に立つ。
ひどい顔・・・睡眠不足だから?重たいまぶたを持ち上げて笑ってみる・・・。
鏡に映るあたしが本当の自分・・・。今から出来上がる自分は別の自分だ・・・。
そうずっと言い聞かせている。だってあれはあたしじゃない。