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第十四幕

今日と明日の狭間の時間零時、突然轟音が鳴り響きレーデン国内の兵士達の身体が自然と固くなる・・・。

そして、轟音の発生位置に程近い忘却の森に拠点を構えるアルマは隊列を崩さぬようにしつつ回りを警戒し轟音のした方向へ向かった。

轟音はまだ続いている、そしてアルマは前方の木々が次々と地面に飲み込まれていっていることに気が付いた。それからの判断は早かった、すぐさま兵士達に後退するように命じ自身も急いで後退をはじめる。背後から轟音が近づいてくる、それに伴いアルマの軍勢の足も自然と速くなる。

そして気が付くとアルマの軍勢は忘却の森の外へと出ていた。そこで轟音が止む、アルマは振り返り忘却の森の方向を見るとそこには、木々が一本残らず消えていた、そして次の瞬間地面から何から出てくるのが見える・・・出てきたのはなんと腐乱したモンスターや人間のゾンビだった。

そのゾンビの集団は、圧倒的に多かった。ざっと見たところ五千はゆうに超える敵の数・・・そしてアルマの軍勢は怒号とともに突撃していった。

個々の実力はこちらが上回っていた、兵士達は鼻につく異臭を物ともせずゾンビ達を駆逐していった。

アルマは最前線で戦い炎を纏わせた槍でゾンビ達を灰にしていた。そしてアルマは敵の集団に槍を投げ込む、投げた槍は進路上の敵を貫きながら進んでいく。

「爆ぜろっ!!」

アルマの声に反応するように槍は爆発を起こす、爆発は半径三十メートルにも及び小さなクレーターを作った。

爆発を見た兵士達は歓喜し、士気が上がっていった。




その爆発はナイア達にも見えていた。

「ほぉ〜・・・流石は火の神具『炎槍ロドアド』ですね。いやはや火の系統の魔法使いとして憧れの一品ですね。」

スレイスが嬉しそうに言う

「炎槍ロドアドってなんだ?」

ラウの問いに三人は驚いたように顔を見せる。

「ラ、ラウ・・・貴方学校の授業を聞いた無かったの?」

呆れたように言うシルフィの質問にラウが迷いなく頷いたので深く溜息をついた。

「あのねぇ・・・炎槍ロドアドって言うのはスレイスが言った様に火の神具なの、神具には他にも四つの物があって、水の神具『水槍ミラード』雷の神具『雷斧バルディ』地の神具『地鎚グラーダ』風の神具『風剣ファンス』って物があってロドアドと同じ力位を持っているの、そもそも神具っていうのはそれ自体に絶大な力を秘めた武器のことを指していて・・・つまり物凄い武器なの」

喋りつかれたのかシルフィは最後分かり易くまとめた。

「そうなのか・・・でも待ってくれ・・・それじゃあ光と闇の神具は無いのか?」

「理論的にはあるわね・・・でもそんなもの誰も見たことないわ。殆どの人たちは、見たことないもの・・・いわゆる未知の物を存在しない物として見てしまうってわけ、闇系統の魔法をこの目で見る前の私たちがその存在すら信じてなかったようにね」

その言葉に三人は思わず頷いた。

「さてと・・・質問は・・・もう無いわね?じゃあ行きましょうナイア様」

ナイアは頷いて歩いていく・・・向かった先は爆発の起きた忘却の森の方向だった。




「うわぁ・・・嫌な空気」

そう呟いたのはヘルだった。

「そうだな」

とチィアスが頷く、四人はレーデンから少し離れた場所に立っていた。前方三キロ程の所には粉塵が上がっており戦闘が続いているのが見て取れた。

「早く行きましょう・・・兵士さん達を助けないと」

リーンの言葉に進みだそうとした時だった、背後から結構な速さで近づいてくる気配を感じ三人はリーンを囲むようにして立つ、気配は四つだった。

段々と姿が見えてくるにつれてティアスとヘルの表情が変わってくる。ティアスは驚いた顔で呆然としヘルは笑いを堪えた様子だった。二人の様子にリーンとランスは首を傾げるばかりだった。

向こうもようやくこちらの様子に気付き驚いた顔をする。そして相手の女が驚愕の声を出す。

「ル、ルーク!?あんたなんでこんなところにいるの!?」

一行はナイア、シルフィ、ラウ、スレイスだった。

「ルークって誰?」

リーンの言葉にティアスは

「さあな・・・人違いじゃないのか?」

と答えた。

一方シルフィはティアスの言葉に怒ったようで、ティアスに近づいていった。

「人違い?そんなわけないでしょ!!」

そう言いながらシルフィは殴りかかる、そんな行動に出たシルフィにナイアとラウは驚いた。

少し前までいつもの様に殴っていたコースと角度、あたると思ったシルフィの思惑は脆く崩れた。

ティアスは、シルフィの攻撃を半歩下がるだけで交わし軽く足を払って転ばせる、シルフィは豪快に転び背中から落ちる。

「いきなり殴りかかってくるなんて・・・一体どういうつもりだ?」

ティアスはそう言いながら転んで仰向けになったシルフィを睨みつける。

シルフィは言い返そうとするが転んだ衝撃で正しく呼吸が行えず、声は咳き込むだけとなった。

「ティアス・・・女性にそれはやりすぎです」

リーンが少し怒ったように言ったので、ティアスは黙って三人のもとに戻っていった。

「ルークっ!!お前っ!!」

次に殴りかかろうとしたラウを自身の影が縛り付ける。

「事情はよく分からないんだけどよ・・・こいつはルークじゃなくてティアスだ。それに仲間なんでね、喧嘩するんなら相手になるぜ」

ランスがそう言うとラウを縛っていた影の締め付けが一層強くなる。

「ランスもやめて下さい」

リーンの言葉にランスは大人しく従いラウを拘束する影を解いた。ラウは、片膝をついて呼吸を整える。

「ティアスとランスがすみません」

リーンがナイア達四人に謝るとナイアは気付く、

「もしかして・・・貴女リーンさん?」

ナイアの言葉に驚いた顔を見せるリーンだだったがしっかりと頷いて答えた。

「やっぱりそうでしたか・・・確かにあの絵の面影は残っていますね。」

「・・・ところでティアスと知り合いのようですが?」

絵という言葉が気になったがそれよりも気になっていたことを聞いた。

「そうですね・・・ちょっとした知り合いですね。」

とナイアは微笑を混ぜて答えた。

「ナイア・・・何故炎帝がそこにいる?」

そこで初めてティアスが自分から喋る

「スレイスは私たちの仲間になりました。」

その言葉に驚いたティアスだったが「そうか」と小さく呟き静かに歩いていった。

「ティアス先に行っては・・・すみません失礼します。」

そう言ってリーンはティアスの後をついて行った。

「色々と悪かったな」

「また運命の導きがあったが時会いましょうね」

そう言い残してランスとヘルも後を追っていった。

「いやはや・・・まさか魔王の仲間がある二人だったとは・・・。」

驚いたようにスレイスは言った。

「知っているの?」

ナイアの問いに「えぇ」と頷いてスレイスは語りだした。

「『魔女』のヘル、『武装王』のランス、どちらも『神』の部類に入る魔法使いですよ。」

「『神』の部類?」

「簡単に説明しますとね・・・私たちの組織は五つの部類に力を分けているんですよ、一番下の部類を『地』、次に弱い部類を『人』、次を『王』、次を『天』、そして一番強い部類を『神』とね。私の部類は『天』で、焔は『王』でした・・・単純に計算するとあなた方の部類は『人』ですね。アルマさんも『天』でしょうね」

その説明を聞いた三人はいかに自分達が弱い存在なのかを唇をかみ締めながら知った。

「しかし驚きましたよ・・・まさか三人の『神』の部類の人たちがたった一人の少女を守っているんですから」

「えっ!?ルークも『神』の部類なの?」

「ナイアさん何言ってるんですか?私をやすやすと倒した魔王が『神』じゃ無ければ何なんですか?」

「それもそうね・・・でも待って・・・じゃあ『神』の部類が三人もいるんだったら簡単に貴方のいた組織が潰されちゃうんじゃないの?」

「それは無いですね、私のいた組織の創設メンバーであり組織の名前ともなった『人魔六神じんまろくしん』がいますからね」

「その人魔六神って?」

「コードネーム、一之神、二之神、三之神、四之神、五之神、六之神と呼ばれる最強の猛者達です。詳しい事は『天』の部類である私には教えられませんでしたが、どうやら名前のどうり人と魔物で構成されていてその実力は圧倒的だとか・・・。」

「要するに・・・化け物集団って事ね」

シルフィが起き上がりながら言う。

「そうですね・・・あぁでも組織の名前とこの事はあまり喋らないでくださいね。」

とスレイスも言う

「それよりも早く行かないと・・・戦闘が始まってからもう結構経ってる。」

ラウの言葉に促されるように、ナイアとシルフィは頷きスレイスは頭を掻いて少し笑いながら駆けて行った。

そしてラウも走っていった。




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