第61話 セットでプレゼントしちゃいます。
今日の特訓の成果はユリ姉様の魔力が感じ取れるか取れないかだったのが、相変わらず微かですけど確かにあると感じられるようになったことです。
ユリ姉様もニーナちゃんも自分のことみたいに喜んでくれました。
少しずつ成長してる、って分かって嬉しいです。
ニーナちゃんもコントロールの練習を頑張ってました。
前より動かせるようになってきてるそうです。
ユリ姉様も上達が早い、って褒めてました。
ニーナちゃんはもしかしたら魔法が得意になるかもしれません。
そして、今はティーの部屋でニーナちゃんと洋服を選んでいます。
ピンクのものだけ出してみたんですけど、ピンクのワンピース、ピンクのブラウス、ピンクのスカート、ピンクの靴下、ピンクの靴、ピンクの帽子、ピンクのバック、ピンクのコート、ピンクのカーディガン、ピンクのマフラー、ピンクの手袋などなど。
それも一つずつではありませんから数は膨大です。
圧巻ですねぇ。
これがあのキャリーケースに入っていたなんて、驚きですよね。
流石ファンタジー。
「い、いっぱいあるね...?」
「うん、ならべてみるとおどろくくらいあるね。」
「このなかからえらぶの?」
「うん、とりあえずかわいい! っておもったのだけのこしてかずをへらそっか。」
「え...、みんなかわいいのにえらべないよ。」
これは困りましたね。
確かにフリルやリボンがついていたり、ファーがついていたり、みんな可愛らしいものばかりですからねぇ。
色も白くて小柄で女の子らしいニーナちゃんにはどれも似合いそうですし。
「ためしにきてみたら?」
「いいの?」
「もちろんだよ。きてみたらおもってたのとちがった、とかあるから。」
「うん、わかった。」
丈とかも着てみないとわかりませんから。
「......?」
「......。」
「どうしたの?」
「え?」
「え? えらばないの?」
「ニーナがえらぶの...?」
「え、ちがうの?」
「そんな、えらべないよ!」
あらら、これは難航しそうですね。
ニーナちゃんが選ぶのを待ってたら終わらないかもしれません。
おすすめとかした方がよさそうですね。
「うーん、コレとか...? ニーナちゃんによくにあいそう。
コレとかどうかな?」
ティーがニーナちゃんにすすめたのは白いレースが裾とか袖とか、襟についてる膝上くらいの丈のワンピースです。
実はティーのお気に入りなんです。
ファスナーが背中についてるので一人で着るのは難しいんですが、レイラさんに頼めばやって貰えるでしょうし、ゆったりした形なので年齢から考えれば長く着れると思います。
「かわいい...!」
「よし、しちゃくしよう。」
「しちゃく?」
「ためしにきてみよう、ってこと。」
「うん! しちゃくする!」
よーし、どんどんいきましょー。
ついでに白い靴下と、レースの飾りがついた靴も履いてもらいましょう。
これにベージュのカーディガンの組み合わせが好きなんですよね。
このセットであげちゃってもいいかもしれません。
はい、これは着てもらってしまいましょう。
きっと、というか絶対似合いますから。
ああー、写メりたい。
この世界のカメラは高いですからね。
ティーは持ってません。
一般家庭にもまず置いてませんね。
だから写真を撮ってくれるお店、なんてのがあるわけですけどね。
「きたよ。」
「これと、これとこれもあわせてきてみて!
ぜったいかわいいから!」
「う、うん。」
まあ、まあー!
可愛いですよ! ニーナちゃん超絶に可愛いですよ!
「かがみはこっち! ほら、みてみて!」
「わあ、ニーナがピンクのふくきてる。」
「やっぱりニーナちゃんはピンクがにあうね! それまとめてあげる!」
「ええっ!? こんなにきれいなふくもらっていいの!?」
「あたりまえじゃない。ティーがもってるよりニーナちゃんがもってるほうが、いっぱいきれるだろうし。
そのほうがようふくもうれしいはずだよ!」
あっという間に体型が変わる子供なのに服はたくさんあるので少しもったいなかったんですよね。
「ほ、ほんとにいいの...?」
「うん! むしろもらって!」
「あ、ありがとう...。」
「どういたしまして。じゃあこんどはこっちのスカートはどう?」
「えっ! まだくれるの!?」
「もちろんだよ。」
それだけで満足なんてしてちゃダメですよ。まだまだ洋服はあり余ってるんですから。
ティーの目のいくお気に入りはどれもニーナちゃんにぴったりですすめずにはいられませんしね!
ピンク、ピンク、ピンク、ピンク!
ティーの部屋は今ピンクで足の踏み場もありません。
お気に入りをおすすめしちゃうティーの天使さに和んでください(*^^*)
洋服関係にはあまり詳しくないんですが、取り敢えず大雑把なカテゴリーとか色で誤魔化しました。
明日は模試だー! です......。
英語で衰弱してしまいそうです......。




