表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ティーには秘密があります。  作者: 伊藤 深雪
ティーと学園の友達に先生 の章
57/66

第57話 ティーとティー。

おはようございます。

今日は学園がお休みの日です。

入学式から漸く5日が経ちまして、今日は土曜日です。

初等部から高等部まで皆がお休みなのでなんとなく雰囲気がのんびりしているように感じられます。

現在時刻は7:00。アリアさんは勿論まだお休み中ですしフィーナさんもそうみたいです。


つまり起きているのはティーだけな訳で。何をしようか考え中です。


昨日の放課後にユリ姉様と魔力感知の特訓をして、今日は10:00からの約束をしましたからまだ三時間もあるんですね。


お腹が空いてますし朝ごはんを作っちゃいましょうか、とも思ったんですが怒られそうですし、そのあとが超過保護になりそうです。

もう少しでピーラーに手が届きそうなのでこれはあまり良い手ではありません。


となると、ここはやはり探検! と称したお買い物にでも行くことにしましょう。

実は気になってたんですよね。学園内に購買ほどからスーパーほどのスケールのお店がある、って話なんですよ?

飲食店もあるらしいです。ティーの持ってるお金はお父様から貰ったお小遣いだけなので贅沢はできませんが、お金をためてそのうちに行きたいと思います。

それにお店の人とお友だちになれたりとかしたらちょっとお得だと思いません?


よし行きましょう! 想像してたら待ちきれなくなってきました!


着替えも済んでますし、寝癖もありませんでし、リリーに作ってもらったあの猫さんのお財布もバッチリ装備完了です。


フィーナさんとアリアさんには書き置きしていけばいいですかね。

帰りは8:30くらいの予定で。


ではいよいよ、出発です!


◇◆◇◆◇◆◇◆


来ました、日本のショッピングモールみたいにお店が横にずっと続いてます。

飲食店はクレープ屋さんやアイスクリーム屋さんなんかの買って歩きながら食べられるお店以外は別の区画にあるみたいです。


事情通な精霊さんたちが色々教えてくれます。

この辺でのおすすめは輝石という名前のアクセサリーショップらしいです。

水晶とかアメジストとか、そういう石で作ったアクセサリーがあるんですって。

折角なのでそのお店に行ってみようと思います。


精霊さんの案内について行ってたどり着いたお店は外装を見ると落ち着いた雰囲気の静かなお店でした。

勿論窓から窺える中はアクセサリーのキラキラできらびやかでもあります。

時間帯のためかお客さんはまだいないようです。


お店自体はやっているようなので入ってみました。

自動ドアなんてものはないので手動です。お店だとちょっと新鮮に感じますね。


「こんにちは。」


「いらっしゃいませ!」


カウンターに座っていた店員さんがさっと立ち上がりました。それからがっかりしてます。

どうしたんでしょう?


「あら? こんなに小さなお客さんは珍しいわね。

初等部の子よね? 早起きなのは感心だけど、ここのお店にはまだ早いんじゃない?

結構お値段高いから、あなたのお小遣いじゃストラップもブレスレットも買えないわよ?

自分で作ったりもできるけど、私アドバイスなんてしないわよ?

分かったら帰った方がいいんじゃないかしら?」


店員さん苛ついてますが、ティー、何もしてませんよね? それとも気がつかないうちに何かしてしまったんでしょうか?


「あ、ごめんなさい。つい苛ついて。

別の人が来るのを待ってたのよね。前に来たのは両方ともこの時間帯だったから。

八つ当たりしたわね。ごめんなさい。」


なんだ、ティーがなにかしたわけじゃないんですね。よかった。


「いえいえ、そのひとにあうのがたのしみなんですね。」


「え、あ、うん。

だって顔が格好いいのよ! 中等部のはずなんだけど大人っぽいというか、落ち着いてるっていうか。

あー、あなたにこんな話してもしょうがないわよね。」


「いえ、ティーにもわかりますよー。ちゅうとうぶなのにおとなびてて、かっこよくて、たよりになって、あこがれちゃうんです。」


ティーの場合は男の人じゃなくて、ユリ姉様のことですけど。

でもユリ姉様のクラスにもそんな感じの男の人もいましたし、その人で考えても大人びてて格好いい、っていうのはわかります。


「そうなのよー! 分かってるじゃない! ティーちゃん!」


「あ、ティシェール、って名前なのでティシーでいいですよ。」


「え? ティーちゃんの方が私好きだけどな。ティーちゃんじゃだめ?」


「だめじゃないです。いいですよ。

おねえさんはなんていうんですか?」


「ほんと? ありがと!

私はね、ティエラっていうの。私もティーって呼ばれてるのよ?」


「ティーさんですか? おもしろいですね。

自分にさんつけていってるみたいです。」


「だよねだよね。ティーって呼んでね、ティーちゃん!」


「はい! ティーってよんでください、ティーさん!」


二人で笑ってたら別のお客さんが入って来ちゃいました。


「楽しそうな笑い声が聞こえてきたけど、あれ?」


「あっ。」


さっき言ってたユリ姉様のクラスにいた、大人びた格好いい人です。

もしかして、ティーさんが待ってた人ってこの人ですか?


「こ、こんにちは! タカツカさん!」


タカツカって高塚? なわけないですよね。偶々ですね。

でもやっぱり、この人がティーさんが待ってた人だったんですね。


ティーは出てった方がいいですかね?

つい、思い付きで。ティーが二人いたら面白いかなーなんて思いまして。

「ティー」「「はい?」」「あ、ティエラの方。」

みたいなの出来るかな? なんて。いつかできたらやってみたいと思います。


タカツカもはい、思い付きです。三鷹のタカと美術館のツカです。パンフレットが目に入ったので。

高塚さんとか! と一人で笑ってました。


五日連続の試験を終えた深雪はちょっとテンション高めなようです。

このまま小説漁りに行こうと思います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ