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ティーには秘密があります。  作者: 伊藤 深雪
ティーと学園の友達に先生 の章
55/66

第55話 やっぱり普通でした!

お久しぶりです。

時間かかってしまってすいません。

「あら、そんなに驚くようなことではないでしょう、ティシー?」


「え、だって、え? 6さいにしてはませてるね、っていみじゃなかったの?」


「まあまあ、ティシー。それも間違ってはいないけれど、年齢を差し引いてもティシーはよく気がつく優しい子よ?」


「でも...。」


それはユリ姉様の贔屓目ってこともあるんじゃないでしょうか?ティーじゃない誰かがティーの性格をしてたとしても『年のわりにしっかりした子ねえ』って思うくらいですよ、きっと。


「ティシーちゃん、僕の目から見てもティシーちゃんはその辺の大人より鋭い子だと思うよ。」


「え...っと、つまり...。」


どういうことでしょう? アルトさんには今日会ったばかりで贔屓することもないと思いますし、本当にティーが相手をよく見てるとかって訳じゃないですよね?


「いや、そこまで来たならいっそ潔く認めてしまえ。

なんでそこまで頑なに否定するかな。」


「だって、」


言えません。前世では一度もそんなこと言われてなかった、だなんて。


「だって?」


「だってだって、おかあさまやおとうさまはティーなんかよりよくまわりのことをみてるもん!」


これは二つ目の理由ですが、嘘じゃありませんからね、と思ったんですけど。


「まあ、ティシー。それは違うわ。」


どういうことでしょうか? 何が違うのでしょう?


お母様もお父様もティーが落ち込んでるときは絶対に気がついてくれますし、顔に出さないようにして食べてた苦手な食べ物にも気がついててお祝いの日とかには抜いてくれます。

それに、体調を崩しているときもティーより早く気がついてくれることもあります。

ティーよりティーのこと見抜いてるお母様もお父様もティーより周りをよく見てるってことになるでしょう?


「お母様もお父様もよく私やティシーのことを見抜いてるわ。」


「やっぱり、そうでしょう?」


ティー、間違ってませんよね? やっぱりお母様もお父様も鋭いですよね?


「でも二人のあれは私たちが二人の子供だからこそなのよ?」


「んん?」


「一緒にいた時間も長いし、我が子のことなら少しでも知りたいという風に思っているからこそ、あれだけのことに気づくことができるのよ。」


「なるほど~。」


確かにそういう面もあるのでしょうね。自分のことは親が一番よく分かってくれてると言いますもんね。


「でもティシーはそれだけではないでしょう?」


「えっ?」


「ティシーは、お母様やお父様の私たちへの鋭さと同じだけのものを誰に対しても持っているでしょう?」


お母様やお父様と同じだけの?

そんなことないんじゃないでしょうか?

お母様やお父様にユリ姉様にならそれくらいあるのかもしれないとは思いますが。


「それに人に対してだけじゃないもの。ティシーは動物が恐がっていたり嬉しく思っていたらすぐに気がつくし。

怪我しててもすぐに気がつくわ。」


あー、それは日本の『いぬ・ねこのきもち』ってやつのおかげですよ。あと、精霊さんが教えてくれるんです。

ティー自身の成果じゃありません。


やっぱり、ティーは人並み以上に相手をよく見てるとか、鋭いとかってわけじゃありませんよ。

一瞬そうなの? なんて思っちゃいましたけど、そんなわけないですよねー。あー、ビックリした。


ティーは身体年齢を考えなければ凄いとかいうことはなく、人並み、普通なのです!

寧ろ精神年齢で言ったら幼すぎるくらいなのではないでしょうか?

全然それが駄目とか思ってませんけどね。このおかげで毎日こんなに楽しめてるんだと思いますもん。

まったくもって素直でないティーです。

理由がどうあれ実際に気づけてる以上、鋭いことに変わりはないはずなんですけどねぇ。

まず精神年齢そのものはその辺の大人より上なんですから、大人たちよりも気がつくことが多くても不思議じゃないんですけどね。


深雪は今日は数学の授業がない時間割りだったので、1日が何となく楽だったような気がします。

土曜日の休みを楽しみに明日も頑張ります!

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