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ティーには秘密があります。  作者: 伊藤 深雪
ティーと学園の友達に先生 の章
54/66

第54話 ティーは凄いんですか?

「ところでティシーはアルさんのことはどう思ってるのかしら?」


え? ティーがアルトさんをですか?


「んー、あいてをよくみてるすごいひとだよね。」


本当に凄いですよね、ティーが喋ってないのに会話できちゃうくらいなんですから。


「あらまあ、そうなの。アルさんはすごい人だったのね。」


「い、いえいえ! コーチャスさんにそう言われるような者じゃないですから!」


確かにユリ姉様に及ぶほど凄い人、では流石にありませんね。アルトさんは。


「そう! コーチャスさんには全く及びませんから!」


「あら、そんなことはありませんよ? ティシーに相手をよく見てるだなんて言われるんだもの。

凄いと思います。」


「いえ、そんなことは...。」


照れてますねぇ、よく分かりますよその気持ち。ユリ姉様にこんなに誉めてもらっちゃったらティーだったとしても照れますもん。


「コーチャスさんはティシーちゃんのことも、俺以上に誉めてると思うけど。」


もはやアルトさんはエスパーですね。ティーの心が読めてるんです、きっと。


「これはビックリ。」


「いや、違うから。

コーチャスさんはティシーちゃんも相手のことをよく見てる凄い人だって言ってるからね? わかってる?」


えー、ユリ姉様はそんなこと一言も言ってませんよ。アルトさんのことを凄い人だって言ったんです。


「ティシーちゃんに言われるなんてって言ってただろ?」


ああ、それなら単にティーのことをユリ姉様が好いてくれているからってだけですよ。きっと。だってティーは聡いだとか賢いだとか言われますけど年の割には、ですから。

日本では殆ど言われませんでしたからね。ティー自身は全然周りをよく見てるとか言われるような者じゃないですから。

アルトさんはそこを根拠に言ってたんですか。

残念ですがそれは無効ですよ。


「よく分かんないけどさ、俺が言ってること間違ってないと思うんだけど。」


エスパーの能力にも限界はあるんですね。際限なく心を読まれてるわけじゃないということですか。


「そもそもですね、ティーはあいてをよくみてるとかないんですよ。」


「そんなことないって。あと、本当にそれ違うから。」


むむ、やはりエスパーは侮れませんね。


「アルさん、羨ましいわねぇ。」


「ええ!? そんな、俺のどこがですか!?」


「私よりもティーのことを理解しているみたいで、嫉妬しちゃいます。」


ユリ姉様! そんなことありません! ユリ姉様の方がアルトさんより知ってるティーなんてたくさんあります!

ティーが実は寂しがりやなこととか、お友達がたくさんできてどんなに喜んでるかとか、そういうこと以前にご飯の好みとかだってアルトさんよりずーっと沢山知ってます!


「私の役目がとられちゃいました。少し寂しいですね。

でもまずはティシー?」


「え? なに?」


「ティーは相手のことを本当によく見ているのよ? 嘘なんかじゃないのよ?」


「それは、わかるけど。」


転生してますからね。中身が外見ほど幼くないだけですから。


「でもきっといまだけなの。こどものいまだけ。」


大人になってしまえば並みでしかありませんよ。


「あら、そういうことならもうティシーは大人顔負けの観察眼を持ってるわよ?」


え?


「え?」


「んー? とにかくティシーちゃんすげーんだな!」

「やっぱりね、ティシーちゃんはすごいのよね!」

「うん、すごい。あこがれ。」

「だね。」

「まあ、みんなよく分かってるわ。」

「うんうんティシーちゃんはそうだよな。」


え?


「え?」


あれ? おかしいですね。ティーとみんなとの認識が違いますよ?

ユリ姉様は思ってた以上にティーのことが好きっぽいです。ティーと7つも8つも年の離れているアルトさんを審査しようとしてたんですから。


深雪は学校で美術部に入っているんですが、今日も部活がありました。

今日だけで大分描いている絵が進んでいい達成感が得られました(*^^*)

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