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ティーには秘密があります。  作者: 伊藤 深雪
ティーと学園の友達に先生 の章
52/66

第52話 アルト・ノール

「ごめんなさい。」


「いいんですよー。ティーはきにしてませんからー。」


「あ、そうなのか?」


「なわけないだろばかアルト!」


「馬鹿とはなんだ。カルスに言いつけるぞ!」


「いや、これはアルがわるいからおれはおこられない!」


「何で俺が悪いんだよ、ティシーちゃんだって許してくれただろうが。」


「ティシーちゃんはおこってたんじゃなくてショックうけたんだっつの! みてわかんねーのか!」


いつの間にかティーをおいて二人で言い争ってます。


まあ、確かにショックでした。

気にしてないとは言ってみたものの、やっぱりおばさんっていうのは年寄りくさい、ってことなんでしょうかね。


...はぁ。


「ティシーちゃんはおばさんなんかじゃないよ!」


「きにしない。」


「うん、わすれちゃいなよ。」


マリかちゃんとニーナちゃん、クリスくんは優しいですね。


そうですよね、気にしてたって気持ちが沈んできちゃうだけですもんね。


「うん、きにしないことにする。

あーあ、せめておかあさん、とかならよかったのになあ。」


「そうよね、でもティシーちゃんはおかあさんよりおねえさん、ってかんじ!」


「ティシーちゃん、やさしい。」


「あと、たよりになるしね。」


「そっかな? ありがとう。」


ところでレントくんとアルトさんはいつまで言い争ってるんですかね? ユリ姉様に会いに行く時間がなくなっちゃいますよ?


「だからー、とにかくもういっかいあやまれよ!」


「いや、でもさっきもあやまったし。」


「さっきのはノーカン! ほら、はやく! おれらティシーちゃんのおねーちゃんにあいにいくんだから!」


「は!? おまえらコーチャスさんに会いに行くのか?」


「そうだよ! だからはやくしろよな。」


「こっちまで何しにきたのかと思えば、なんて羨ま...っと、畏れおおいことを。」


もうそれ言ったも同然ですよ。ユリ姉様に会うのが羨ましいとか、さらに畏れおおいとか、凄いですね。


「いいから、さっさとしろって!」


「お前、分かってないな? コーチャスさんと言ったらあの神々しいまでのオーラをもつコーチャスさんだぞ!」


「ああもう、さっきからアルはコーチャスコーチャスうるさいな。ティシーちゃんとまぎらわしいんだよ! もういっそなまえでよべばいいのに。」


「おま──」


「まあ、私は名前で呼んでもらって構いませんよ?」


「うぇえ!? こ、コーチャスさん!?」


「えぅっ? ティシーちゃんのおねーちゃん?」


あはは、二人とも驚きすぎて変な声が出てますよ?

途中から、そうですねぇ、『さっさとしろって!』あたりから聞いてたんですけど、気づいてなかったんですね。


「ユリねえさま、けさぶりだね。」


「ええ、ティシーは中等部まで何をしにきたのかしら?」


「みんなでユリねえさまにあいにきたの!」


「まあまあ、皆もうご飯は食べたの?」


「うん。」


「先生に少し呼ばれていたから私はまだ食べていないのだけど、教室に来る?」


「いいの?」


「大丈夫よ、クラスメイトは皆優しいもの。」


「ならいく! みんなもいーい?」


危うく一人で勝手に了承しちゃうところでした。


「いーぜ!」

「「「うん、いいよ。」」」


よかったです、皆快く賛成してくれました。

ところでアルトさんはどうするんでしょう?


「ええと、アルさん? もご一緒にどうですか?」


「ええっ!? 俺なんかがいいんですか?」


アルトさん目茶苦茶期待した目でユリ姉様を見てましたけど。


「勿論ですよ。そもそも私に禁止する強制力がある訳じゃないんですけどね。」


「あありがとうございますっ!!」


アルトさんって素直な人ですねえ。

噂をすれば、ってやつですね。

オーラが神々しいとまで言われているユリ姉様、もはや宗教を開けてしまいそうです。

そうしたらティーが最初に入りそうですね。


なんだかとても久しぶりに連日投稿しているような気がします。

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