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ティーには秘密があります。  作者: 伊藤 深雪
ティーと家族 の章
5/66

第5話 大成功でした!

いやあ、御守りが結構高価格だったんですよね。お店のおじさんもサービスしてくれましたけど、パワーストーンって以外と高い物なのですね。

お陰様でリリーとアルトの距離はグッと縮まりましたけど、ティーのお財布は随分と軽くなっちゃいましたよ。


「もうすぐお昼ご飯の時間になりますから、次のお店で最後ですね。ティシーお嬢様。」


「そっかあー、おなかすいてきたもんね。どうしよっかなあ。」


最後と言われると悩んじゃうんですよ。ユリ姉様たちや留守番組さんたちへのお土産も買ったし、残りは150エクですし。残高から言っても次のお店で最後ですね。


「お嬢ちゃん、うちのクレープ買っていかない? 甘くて美味しいよ。」


クレープはかなり魅力的な甘味ですけど、お昼をこれから食べるのに食べ物買うのは論外です。


「もうすぐコックさんたちのつくってくれたお昼ごはんたべるの。のこしちゃうとなにがわるかったのかな、っておはなししないといけないの。

だから、また食べにくるね、おねーさん! ティーのクレープ、とっといてね!」


「そうなの? わかったよ。また来てね? 約束よ?」


なかなかあの反省会は重~い雰囲気なんですよ。とてもじゃないですけど、甘いもの食べてご飯残しちゃいました、なんてことには出来ません。

さて、本当に何を買いましょうかね。

取り敢えずあちこち見て回りましょう。何かちょうどいいのが見つかるといいんですけどね。


「あ! あれ、あれがいい!」


最後にちょうどいい物、見つけちゃいましたよ。

最後のダッシュです!


「さんにんいっしょにとってください!」


「ん? お、噂のティシーお嬢様がうちにも来てくださったんだね。

一枚撮るのに100エク貰うけど、いいかな?」


もう分かりましたかね? 今日の記念に写真撮影です。お値段もちょうどいいです。


「はい! バッチリとってください。今日のさいごのおみせなの!」


「それはそれは、光栄なことだね。任せなさい、綺麗に撮ってあげるよ。」


記念写真とか久しぶりです。日本にいた頃は若い頃はそうでもなかったけど、40、50越すと事あるごとに写真撮ってました。

今世も一杯撮りたいですねえ。


「はーい、笑ってくださーい。

お嬢様は完璧だけど、メイドさんと護衛さんがちょっと固いなー。」


もう、しょうがないですね。今日の記念なんですからやっぱり手を繋ぎましょうか。


「ぎゅーっ!」


「あ、いーですねー! 撮りますよ!

はい! 撮りましたよー。印刷するんでちょっと待って下さいね。」


うんうん、完璧です。仕上がりが待ちきれませんね。


「出来ましたよー。どうぞ、ティシーお嬢様。」


「ありがとう! また来るね!」


バイバイ、ってしたらユリ姉様たちに写真を見せに行きましょう!

精霊さんがこっちこっち、って案内してくれてますから急ぎましょう。


◇◆◇◆◇◆


精霊さんの案内でユリ姉様たちと合流して、件の丘まで歩いてやって来ました。これからご飯です。

精霊さんたちが頑張ったよー、って言ってくれるのでありがとうって言ったらクルクル踊ってます。


「あら? そのキラキラは精霊さんよね? どうかしたの?」


「あのね、おべんとうはこぶおてつだいがんばったんだよー、っていってたの。だからありがとー、っていったんだよ、ユリねえさま。」


「まあ、カゴの下から手伝ってくれてたのはティシーが精霊さんたちにお願いしたの?」


「うん! そーだよ、おかあさま。」


ユリ姉様やお父様は精霊さんのキラキラしか見えないけど、お母様はティーほどハッキリじゃないけど精霊さんたちが見えるんですよね。


「精霊たちは本当にティシーが好きなのよねえ。私が同じことをしてもらうにしてももっと頑張ってお願いしないと出来ないのに。」


「ティーも精霊さんたちだいすきだもん!」


ティーの周りで精霊さんたちがまたクルクル踊ってます。


「さあさあ、食事の準備が整いましたよ。」


ティーたちがお喋りしてる間にメイドさんと執事さんたちがてきぱきと働いてくれました。流石ですねえ。


「ティシーお嬢様、どうもお弁当が軽いと思ってたらお嬢様だったんですね。ありがとうございました。」


深々とお辞儀してお礼を言ってきたのは料理人見習いのノルン。お弁当の入った重たいカゴを運んでくれてた方なのです。


「おもそうだなー、っておもってたら精霊さんたちがてつだう? ってきいてきたからおねがいしたの。

だからありがとー、は精霊さんたちにいうの!」


「はい、ありがとうございます、精霊さん。」


精霊さんたちにお礼を言いながらティーの頭を撫でるのは何でなんですかー? いや、ちっこくて幸せって思いますけども。


「あさめしまえだー! だって。」


「精霊さんたちは力持ちなんですね。」


「うん! ちいさくてかわいいけど、精霊さんたちはつよくてやさしいんだよ。だからだいすき!」


またクルクル踊ってます。今日の精霊さんたちは照れ屋さんですねえ。

ノルンはまたティーの頭を撫でてますねえ。

皆さんよく撫でてくれますけど、そういう時ってふゆ~、とかふにゅ~、とか言いそうになるんですよねえ。


「あっ! こら、ノルン! そんなお父様みたいに撫でたら駄目じゃない。」


「あらあら、ノルンもなの? 駄目ねえ。」


「あっ、すみません。髪が崩れちゃいますよね。」


ノルンもお父様みたいに落ち込んじゃうんですね。

まあ、ユリ姉様もお母様も怒ると怖いですもんね。ティーは怖く怒られたことないですけど、精霊さんたちが教えてくれました。


「ノールーン! リリーがなおしてくれるからだいじょーぶなの! げんきだして!」


「ティシーお嬢様はお優しいですね。ありがとうございます。」


うんうん、ノルンもこっそり落ち込んでたお父様も元気になりましたね。


ようやくお弁当ですよー。


ティーは味に影響するところは手伝ってないですけど、ティーが手伝ったからより一層美味しいよ、って言ってもらえました。

ピクニックは大成功でした!

ユリ姉様もお母様もティーに怖く怒ったことないとかあまあまですよねえ。


というより、ティーがいい子なだけなんですけどねー。

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