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ティーには秘密があります。  作者: 伊藤 深雪
ティーと学園の友達に先生 の章
46/66

第46話 やっぱり地道にコツコツ。

できましたー!

「うぅ~…。」


「……。」


「うぅ~~…。」


「……。」


「う~…、……う?」


「どう?」


「うごいた……かも…?」


「ほんとう!? やったね!」


さっきからうーうー、と唸っていたのは皆さんお分かりの通り、ニーナちゃんです。


「うぅ~…………。あれ…?」


「どうしたの?」


「うごかない…。」


ああ、残念そうに眉を下げています。

張りきってくれてとても嬉しいです、が、焦らなくてもいいんですよ?


「まあまあ、そう焦るもんじゃない。

始めから簡単にできたら苦労しないさ。

寧ろもう手応えがあったのが凄いくらいだぞ? 順調な滑り出しだ。」


「じゅんちょうだって、ニーナちゃん!

だからそんなにあせらないでいいんだよ?」


「でも、はやくティシーちゃんにおしえられるように、なりたい…。」


もう、本当にニーナちゃんは優しいんですから。

それで無理されちゃったらちょっぴり悲しいんですよ?


「だいじょーぶ!

ティーはまだユリねえさまにきょうりょくしてもらわないと、なんにもできないだんかいだし。

ようやくまりょくをかんじた、っていっても、ほんとにちょっとだし。

だからじかんはあるよ。

ニーナちゃんのペースでやって? ね?」


「………分かった。」


よかったです。了承してくれて。

沈黙が長くてドキドキしちゃいましたよ。

そんなにティーの先生をやりたいんですかね? ニーナ先生、とか言ってみましょうか?


「ありがとう。」


「う、ううん! ティシーちゃんはてんしだから…、ニーナのため、だもんね。」


まあ、ニーナちゃん!

ニーナちゃんったら、ほんとうにいい子で可愛いんですから!

もうニーナちゃんが天使に見えるくらいですって。


「…お前らって、本当にあいつらと同い年か?」


あ、またニーナちゃんと二人で世界作ってましたか。

ニーナちゃんと話してるとどうもロード先生を忘れちゃいます。これはいけませんね。


気をつけないと。


それで、『あいつら』というのはロード先生が顎で示している…一年Bクラスのクラスメイト、ですよね?


「いっくぞ! みてろよ、ぼくがおてほんみせるからな!

"雷よ!"【雷球(サンダーボール)】!」


雷属性のグループの一人が得意そうに詠唱を叫ぶと、今まで見ていた雷球(サンダーボール)よりも二倍くらい大きく、文字通りの雷のボールが形作られました。

凄いです! パチッ……、パチッ……といった感じだった音もパチパチッ……、パチッ、パチッ…とグレードアップしてますよ!


「ほら! すごいだろ?」


「すごーい!」

「なになに? いかずち、って。」


「かみなりのことだよ。パワーアップするんだ。

かっこいーだろ?」


「うん! かっこいー!」


そうなんです。これまで皆がしていた詠唱は『(かみなり)よ!』だったんですが、さっきの…えー………マックくんのは『(いかずち)よ!』でした。

こ、これでパワーアップって、誠ですか!?

これならティーにも高威力の格好いい魔法が使えるのでは!?


「おーい、誰かに教わったんだろうけど勝手に昇華版の詠唱使うなよー!

魔力多めに使うから、あんまり数打つと魔力無くなるからな!」


「「「はーい…。」」」




ですよねぇ、そんな都合のいい魔法があるわけないですよねぇ。

結構期待しちゃいました。



やっぱり地道に魔方陣に打ち込むべきなんですね!

頑張りますよ!




…っと、忘れてませんよ?


精霊さん、マックくんのお名前教えてくれて、ありがとう。

ちなみにマックくんはお兄さんにあれを教えてもらったんですね。

世の中そんなに上手くはいきませんね。


自分で書いててニーナちゃんの健気さにキュンときます(*^^*)


今日は模試がありました。

疲れました…。

100分は長いですね。



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