第46話 やっぱり地道にコツコツ。
できましたー!
「うぅ~…。」
「……。」
「うぅ~~…。」
「……。」
「う~…、……う?」
「どう?」
「うごいた……かも…?」
「ほんとう!? やったね!」
さっきからうーうー、と唸っていたのは皆さんお分かりの通り、ニーナちゃんです。
「うぅ~…………。あれ…?」
「どうしたの?」
「うごかない…。」
ああ、残念そうに眉を下げています。
張りきってくれてとても嬉しいです、が、焦らなくてもいいんですよ?
「まあまあ、そう焦るもんじゃない。
始めから簡単にできたら苦労しないさ。
寧ろもう手応えがあったのが凄いくらいだぞ? 順調な滑り出しだ。」
「じゅんちょうだって、ニーナちゃん!
だからそんなにあせらないでいいんだよ?」
「でも、はやくティシーちゃんにおしえられるように、なりたい…。」
もう、本当にニーナちゃんは優しいんですから。
それで無理されちゃったらちょっぴり悲しいんですよ?
「だいじょーぶ!
ティーはまだユリねえさまにきょうりょくしてもらわないと、なんにもできないだんかいだし。
ようやくまりょくをかんじた、っていっても、ほんとにちょっとだし。
だからじかんはあるよ。
ニーナちゃんのペースでやって? ね?」
「………分かった。」
よかったです。了承してくれて。
沈黙が長くてドキドキしちゃいましたよ。
そんなにティーの先生をやりたいんですかね? ニーナ先生、とか言ってみましょうか?
「ありがとう。」
「う、ううん! ティシーちゃんはてんしだから…、ニーナのため、だもんね。」
まあ、ニーナちゃん!
ニーナちゃんったら、ほんとうにいい子で可愛いんですから!
もうニーナちゃんが天使に見えるくらいですって。
「…お前らって、本当にあいつらと同い年か?」
あ、またニーナちゃんと二人で世界作ってましたか。
ニーナちゃんと話してるとどうもロード先生を忘れちゃいます。これはいけませんね。
気をつけないと。
それで、『あいつら』というのはロード先生が顎で示している…一年Bクラスのクラスメイト、ですよね?
「いっくぞ! みてろよ、ぼくがおてほんみせるからな!
"雷よ!"【雷球】!」
雷属性のグループの一人が得意そうに詠唱を叫ぶと、今まで見ていた雷球よりも二倍くらい大きく、文字通りの雷のボールが形作られました。
凄いです! パチッ……、パチッ……といった感じだった音もパチパチッ……、パチッ、パチッ…とグレードアップしてますよ!
「ほら! すごいだろ?」
「すごーい!」
「なになに? いかずち、って。」
「かみなりのことだよ。パワーアップするんだ。
かっこいーだろ?」
「うん! かっこいー!」
そうなんです。これまで皆がしていた詠唱は『雷よ!』だったんですが、さっきの…えー………マックくんのは『雷よ!』でした。
こ、これでパワーアップって、誠ですか!?
これならティーにも高威力の格好いい魔法が使えるのでは!?
「おーい、誰かに教わったんだろうけど勝手に昇華版の詠唱使うなよー!
魔力多めに使うから、あんまり数打つと魔力無くなるからな!」
「「「はーい…。」」」
ですよねぇ、そんな都合のいい魔法があるわけないですよねぇ。
結構期待しちゃいました。
やっぱり地道に魔方陣に打ち込むべきなんですね!
頑張りますよ!
…っと、忘れてませんよ?
精霊さん、マックくんのお名前教えてくれて、ありがとう。
ちなみにマックくんはお兄さんにあれを教えてもらったんですね。
世の中そんなに上手くはいきませんね。
自分で書いててニーナちゃんの健気さにキュンときます(*^^*)
今日は模試がありました。
疲れました…。
100分は長いですね。




