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ティーには秘密があります。  作者: 伊藤 深雪
ティーと学園の友達に先生 の章
38/66

第38話 天使になりました。

思いの外ティーが最後に言った言葉が効いたみたいです。目的とかがあったわけでもなく感情のおもむくままに言っただけだったんですけどねえ。


でもまあ、分かってくれたんなら言ってよかったです。

けど、ニーナちゃん本人に知られちゃうのは少し恥ずかしいです。

こう、言ったときは周りにいた精霊さんたちも怒ってたし、ティーもとても冷静ではなかったんですよね。

半分くらい素で話していた気もしますし。

あー、恥ずかしいです。恥ずかしい...。

直接聞かれなかっただけマシだと思うのが関の山、ですかね...。


それはともかく、ニーナちゃんが悲しみにくれていたのから脱したのでよかったです。



まあ、もうそこまで悲しくはないみたいなんですけど、


「ニーナがいみごでも、みかたでいてくれるの?」


これはいただけません。


忌み子っていうのは、いてはいけない存在、生まれてきてはいけなかった存在です。

ニーナちゃんがその忌み子だなんてことは絶対にないです。

ニーナちゃんはいけないことなんて何にもしてません。

むしろ、とってもとってもいい子です。

とってもとっても優しい子です。



だからね、ニーナちゃん、


「ティーももちろん、ニーナちゃんのみかただけどね 、」


これは変わりません、絶対です。

ティーはずーっとニーナちゃんの味方です。



けど、


「ニーナちゃんは忌み子なんかじゃないよ。

ハーフだけど、めがくろいけど、忌み子じゃないんだよ!

ニーナちゃんはやさしくて、いいこなニーナちゃんだもん。」


ニーナちゃんが、自分で自分のことを"忌み子"だと言ってしまうのは、ティーが嫌です。

"忌み子"だけど友達なんじゃありません。

"ニーナちゃん"だから友達なんです。

忌み子だとか、そうじゃないとか、そういうのが入る隙間なんて髪の毛一本分だってありません。


なんて思っていたら、ニーナちゃんが泣いちゃいました!?

え、ティー駄目なこと言いましたか!?

ど、どうしましょう。


余程ティーがあたふたして余裕が無さそうに見えたんでしょう、ニーナちゃんに笑われてしまいました。

失言だったわけではないんでしょうか?


「ティシーちゃんは、てんしなの?」



え...?

てんし、って天使ですか?

天の使いと書く、天使ですか?


「てんのつかいの、てんし...?」


「そう!

まいにちね、わたしはみかただからね、げんきだして、っていってくれるの。」


「まいにち...?」


どういうことでしょうか?

まさか、この素敵ワールドには天使が実在するんですか!?


「あのね、ねてるあいだにあいにきてくれるの。

それで、いっぱいおはなしをきいてくれるの。

だいすきなの。」


あ、夢の中ですか...。



え...? つまり、


「ティシーちゃんもあのてんしとおんなじなの!

やさしいし、おはなしをいっぱいきいてくれるもん。

かわいいし、かみのけもふわふわのきんいろだし、めもきれいなむらさきいろ。

それに、あのてんしとおなじくらい、だいすきなの!」


どう言えばいいんですかね?

もちろんティーは天使じゃないんですけど。


「だから、ティシーちゃんはてんしなの?」


「えーと、ティーはてんしじゃ、ない、んだけど...。」


「そっかー、じゃあ、ニーナのてんしなの。

ティシーちゃんは、ニーナだけのてんし。」


なんて嬉しそうな顔をしてくれるんですか、ニーナちゃんは。

否定なんてできるはずないじゃないですか。


「うん、ティーはニーナちゃんの、...てんし。」


はわー、嬉しそうですねー。

キラッキラッですねー。

それで、この小指は勿論指切りですよねー?


「やくそく!」


「...うん、やくそくするね。」


断れるわけがないですって。

なんとか、ティーなりに頑張ってみようと思います。

約束ですから。



「えっと、どうしよ?」

「なんか、ティシーちゃんはてんしになったぞ?」

「でも、にあうよね。」

「「うん。」」


ごめんなさい、マリカちゃんたちのことほっぽってました。

今日は、英語の授業で先生の言ってたことが違うのでは、なんて思って質問しにいったら、

「あ、そっちの方(深雪の解釈のしかた)が正解ですね。」

って言われちゃいました! 嬉しいですー。

苦手だけど、昨日予習を頑張った甲斐がありました。


※最後の方の三人衆の会話は、

マリカ→レント→クリス→マリカ&レント

です。わかりずらいですよね、すみません。


最近思い始めたんですが、書く順番が逆ですかね? (後書きの欄内のことです。)


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