第33話 初トレーニング。
「じゃあ魔力を出すから、しっかり感じとるのよ?」
「はい!」
「頑張って! ティシーちゃん!」
見ての通り、ユリ姉様に協力してもらえることになりました。
授業が終わってから精霊さんに案内してもらってユリ姉様の部屋まで行ったのです。少しお話したら、『属性も同じものがあることだし、ピッタリじゃない。もちろん協力するわよ。さあ、今からやりましょう。』とのことで。魔法のアドバイスもしてくれると言ってくれましたから、とっても心強いです。
「いくわよ?」
「はい。」
ちょっと緊張してきました。と、取り敢えず集中です、集中。
ユリ姉様が目を閉じたのでもう来るはずです。
...、来ませんね。
「ティシー、どう? わかったかしら?」
さっぱりです...。少しも感じられませんでした。
「わかんない...。」
「まあ...ダメだったの...。
じゃあ今度は濃くして出してみるわね。回数が減ってしまうけど、まずは感じ取れることが優先だものね。
大丈夫よ、きっと分かるようになるわ。」
「頑張って!」
そうですね、今始めたばかりですもんね。落ち込むのはまだまだ早いですよね。
最初からできるなら練習なんてしないですもんね。よし、頑張ります!
「目を閉じた方が分かりやすいかもしれないわ、ティシー。」
「はい、やってみます!」
とにかく、少しでも感じ取らないといけません。ユリ姉様の魔力が多いと言っても限りはありますからね。
今日中に少しは分かるようになりたいです。
「いくわよ?」
心構えはバッチリです! いつでもどうぞ!
......、
来ないです。何にも...、ん?
なんかユリ姉様がすぐそばにいるような感じが、するような、しないような?
「どうかしら?」
「あれ? ユリねえさま、うごいたりしてない?」
「私はずっとここにいたけれど、もしかして魔力が分かったの?」
うーん、あれは魔力なんでしょうか? 気のせいのような気もするんですよね。
「ユリねえさまがちかくにいるようなかんじが、したかも?」
「あら? 私はそんな感じ方はしないのだけど、それが魔力かもしれないわ。
もう一度やってみましょうか。」
「はい。」
さっきのが気のせいじゃないといいんですけど。
「いくわよ?」
どうぞ!
......、やっぱり感じるような気がします。
ほんとにちょっとなんですけど、これが魔力なんでしょうか。
集中してなかったら絶対に気づけないくらい微かです。
「やっぱり、さっきとおんなじかんじがする。
これがまりょくなのかな?」
「もうちょっと濃くしてみたいところだけど、これ以上はティーが酔ってしまうかもしれないもの。ギリギリのところなのよね。」
酔う? 所謂魔力酔い、ですか? それって感じとれなくてもなるんですか。
「魔力を認識する前に魔力酔いしてしまうと、魔力自体が苦手になる人もいるの。だからそれは避けたいのよね。
まあ、今日は魔力らしきものも感じ取れたみたいだから、これくらいにしましょうか。」
もうおしまいですか。確かに暗くなってもきましたし、遅くなるとアリアさんとフィーナさんが心配してしまいますね。
それに無理は禁物です。ゆっくり、気長に、です。
そう言えば、ニーナちゃんと魔力コントロールを一緒にしようって言ってましたけど、無理ですね。自分の現状を考えてませんでした。
どれだけ舞い上がっていたかが分かる、ってものです。
ニーナちゃんには先に始めてもらって、ティーはそれに追い付けるように頑張りましょう!
いえ、追い付くのは無理かもしれませんがそれくらいの気概で頑張る、ということで。
漸くここまできました。
さて、どのくらいで自分の魔力を感じられるようになるでしょうか? 作者の深雪にもわかりません。




