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ティーには秘密があります。  作者: 伊藤 深雪
ティーと学園の友達に先生 の章
16/66

第16話 差別は嫌です。

おはようごさいます、現在の時刻は6:00です。

無事に早起きを成功させられました。昨日は夜の9:00に寝たんですよ。子供には睡眠が大事です。

15分になったらニーナちゃんの部屋に向かいます。早すぎるのもよくないです。


それまでティーが昨日知った衝撃の事実を教えてあげます。

なんと、初等部に入学する頃には皆1つは魔法を使えるんだそうです。初耳ですよ。

というか、誰もティーの目の前で魔法を使ってくれませんでしたよ?

皆が魔法を使えるのにティー1人だけ見たこともないとか、ショックです。

精霊さんが使うのは見たことありますけど、詠唱とか魔法陣とか使ってなかったですし、方法が別のものだと思うんです。アリアさんとフィーナさんの説明によれば、詠唱してから魔法を使うのが学生の常識だし、高度なものも魔法陣を用いることで使うことが出来るようになるらしいです。


そもそも、ティーは自分の魔力を認識できてないんですけど。

もしかして、ないんですか? それで、ティーには魔法に触れる機会がなかったんですか?

と思ったところで精霊さんが否定してくれたので魔力ゼロの可能性はなくなりました。とりあえずは一安心です。

それでもティーの魔力は少な目という線が濃厚です。魔法陣で魔力の節約ができるらしいので、習得が必須です。

魔法学の先生とは可能な限り親しくしていきましょう。疑問は即解消して吸収するのが大切ですからね。


昨日は魔力の測定に期待でドキドキしていたのに、今では不安でドキドキしてます。精霊さんたちが居てくれるのがとても心強いです。


さて、15分になりましたし、ニーナちゃんの部屋に行きましょう。精霊さん、案内をよろしくお願いします。

まず、ティーの部屋がある寮はB棟ですがニーナちゃんの部屋があるのはA棟です。更に部屋番号も知りません。精霊さんが居なかったらティーってダメな子...? いえ、寮長のリアさんに訊ねれば解決する筈ですし、そんなことはないですよね、多分。


時間が早いので誰もいなくて静かですね。

でも、朝ごはんのいい匂いがするところもあります。準備が早いですね。

ティーの朝ごはんは昨日の夜にアリアさんが作ってくれました。勿論ティーも手伝いましたが、早く一人でも料理を任せてもらえるようになりたいです。

日本では沢山料理してたんですけどね。

包丁を握らせて貰えるのはいつになるんでしょう? ピーラーはもう少しで手が届きそうです。けど、火はお湯を沸かすぐらいしかさせてもらえません。

今は、もっとお手伝いを頑張ります。


ニーナちゃんの部屋は308号室でした。インターホン...が押せません。身長が足りないんでしたね。代わりに精霊さんが押してくれました。

でもジャンプしたら押せるんじゃないでしょうか。


「はい。」


高等部くらいの女の人、恐らくレイラさんがドアを開けてくれました。


「どちら様?」


「おはようございます。あさはやくにすいません。

ティシェール・コーチャスです。ニーナちゃんをむかえにきました。」


「ニーナ...ってあの子?

ティシェール・コーチャス、って、え!?

ユリ様の妹さん? あの子の友達!?」


ついにユリ様ですか、ユリ姉様。凄いですね。新入生を除いた全校生徒が知っているんじゃないですか?


「どうぞ、あがって! 朝ごはんはもう食べました?」


えぇ~、ティーに敬語とかユリ姉様すごすぎです...。


「ありがとうございます、ごはんはたべてきました。あと、とししたなのでけいごじゃなくていいですよ?」


「まあまあ! さすがはユリ様の妹さんね。しっかりしてるわ。あがって。」


挨拶は初対面の時の基本ですから!


「おじゃまします。」


「ティシーちゃん! ほんとにきてくれたの。」


「ニーナちゃん、おはよう。やくそくだもん、まもるよ。」


ニーナちゃんの初めての約束でしたからね、何があっても守りましたよ。


「ティシェールさん、紅茶は飲める?」


「はい、こうちゃだいすきです。」


特にミルクティーがすきです。


「じゃあ淹れるから座って待っててね。」


レイラさんはパタパタと台所に駆けていきました。


「レイラさん、げんき...。ごきげん。」


「ユリねえさまがすっごくゆうめいだからね。さまづけまでするひとがいるなんて...。

ここまでしてもらうとティーもちょっとびっくり。」


「ティシーちゃん、あさごはんは?」


「だいじょーぶ、たべてきたよ。」


朝からオムライスとか、豪華でした。


「ティシェールさん、紅茶と、お菓子もどうぞ。

ニーナ、朝ごはん作ってるから少し待ってて。」


「え...? はい。」


ニーナちゃんが目を真ん丸にしています。朝ごはんを用意してもらうのが珍しい、とかですか?


「どうしたの?」


「レイラさんがニーナにあさごはんつくってくれるって、はじめて。

あと、なまえよんでもらえた...。」


名前呼んで貰えてなかったんですか!?

ちょっと露骨過ぎますよ。予想以上です。

理由って瞳が黒いからだけですよね? 日本にはいっぱいいましたけど!

レイラさんはもう大丈夫そうですけど、こういう意味不明な差別ってやっぱり嫌、です。

レイラさんは多分ユリ姉様の信者です。態度が唐突に変わってしまったのでそういうことにしました。

その場のノリで人物が予定から外れていく...。

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