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ティーには秘密があります。  作者: 伊藤 深雪
ティーと家族 の章
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第1話 ティーには秘密があります。

思いつきだけでできてます。


期待とかしたらそこで負けです。

こんにちは、ティシェール・コーチャスです。

年は6歳、公爵家の次女です。

今何をしているかというと、ユリ姉様とお散歩です。うちは家がとっても広い上に庭も広大なんですよね。林とか泉とか、どこの自然公園なのってくらいに、ある程度整備されてますけど自然がたくさんあります。

そんな庭をユリ姉様とお話ししながら歩いて、ティーはたまに走り出したりもしますけど、お散歩です。だってティーはまだ6歳ですもん。子供って好奇心旺盛なものでしょう?


「ユリねえさま、あのいけにね、おさかなさんがいっぱいいるの! こないだリリーとおさんぽしたときにみつけたの! みせてあげる!」


ユリ姉様のドレスの裾を軽く引っ張りながらそう報告すると、優しく微笑んでくれました。


「まあ、ティシーは元気がいいのね。お池に落ちないように気を付けてね?」


子供って元気がいいけどそれを心配されたりするものですよね。更に言えば子供扱いされると拗ねますよね?


「もう、ユリねえさまもリリーもそういうんだから。ティーももう6さいなのになあ。」


「ふふ、そうね。ティシーももうすぐ学園に入るんですものね。」


ああ、ユリ姉様は今日も綺麗だなあ。ティーもユリ姉様みたいに優雅なお嬢様になりたいものです。


「うん! おともだちをいっぱいつくってユリねえさまにしょーかいするね。」


「ティシーは本当にお姉さん子よねえ。お父様がまた拗ねてしまうわよ?」


ユリ姉様はお母様が大好きですからねえ。ティーがユリ姉様を大好きになっちゃってお父様が寂しがりやになっちゃったんですよね。


「だって、ユリねえさまはティーのあこがれだもん! ユリねえさまみたいなゆーがなおじょーさまになるの!」


「あら、嬉しいわ。私、優雅なお嬢様に見えるのね。」


勿論ですよ、ユリ姉様。お母様に負けず劣らずのレディーです。

お、今日もお魚たちは池を泳ぎ回ってますね。


「ユリねえさま、ほら、おさかなさんがいっぱいいるでしょう?」


「あら、本当。あら? なんだかティシーの方に集まって来てるわね。」


前回来たときにご飯をあげたから覚えててくれてるんですかね。この池に専属の精霊さんがお魚たちの大好きなご飯をくれたんですよね。


「あはは、おさかなさんたちってみんなくいしんぼうなんだねえ。」


「ティシー、お魚さんたちに餌をあげたのね?」


「うん。精霊さんがね、おさかなさんがだいすきなごはんだからってくれるんだよ?」


そう言いながら両手でお皿を作ると精霊さんがお魚たちのご飯を山盛りに置いてってくれました。


「ありがと、精霊さん。ユリねえさまもいっしょにあげていーい?」


お礼を言ってから聞くと精霊さんが頷いて、くるくる踊って見せてくれました。こうするとキラキラ光ってるのが誰にでも見えるんですよ。


「あ、そこに精霊さんがいるのね? ティシーと仲良くしてくれてありがとね。」


ユリ姉様がお礼を言うと精霊さんはポッと赤くなってティーの耳元まで近寄って来ました。

精霊さんはこうやってティーに色々喋りかけてくれるんです。精霊さんはあちこちにいるので、実に沢山のことを教えてくれます。


「ユリねえさま、どういたしましてー、だって。」


「ティシーは精霊さんが見えていいわねえ。私もちょっと見てみたいわ。可愛いんでしょうねえ。」


「うん! とってもかわいーよ! ユリねえさまにもいつかみせてあげるね。」


あ、ふふって笑ってるけどこの顔は叶わないなって思ってますね。本当は今見せることもできるのに。

なんでやんないの、って? だって、そんなの6歳でできることじゃないですから。

あれ? 気づいちゃいました? ちょっとティーが普通の子供じゃないってこと。実は秘密があるんですよ。

とっくに気づいてましたか、そうですよね。思考と行動で温度差ありますもんね。

なんでか気になる? あれ? 別に気にならない。そうですか。じゃあいっか。


「ユリねえさま、どうしよう。いっぱいありすぎてうごかせなくなっちゃった。」


「あらあら、相変わらずティシーは精霊さんに好かれてるのね。」


ユリ姉様は山の上の方だけ掬って取ってくれました。これで片手に乗せられます。


「えへへ、ありがとう、ユリねえさま。」


「もう、ティシーはいつも可愛いわねえ。」


いやあ、こうしてユリ姉様に頭を撫でて貰えるのもちっこい背丈のティーの特権ですよね。


それから、ティーとユリ姉様はお魚たちにご飯をあげてから精霊さんにバイバイってして、お屋敷に帰りました。

ユリ姉様のお母様への挨拶とお父様への挨拶に温度差があって、お父様が寂しそうにしてました。だから、ただいまー! って抱きついたらギューって潰されそうになっちゃいました。お母様に助けてもらいましたけどね。



ん? やっぱり秘密が気になる? 皆さん素直じゃないんですから。最初から聞いておけばよかったのに。

早く教えろとか言わないでください。ティーの心は繊細なんですよ?

実はですね...






ティーには前世の記憶が残ってるんです。





なんですか、ありきたりとかそんなこと知ってますよ。

そうですよ、前世は日本人でしたよ。ありがちですいません、これでも苦労してるんですよ。

変なやつ、とかって追い出されちゃったら大変じゃないですか。精霊さんに協力してもらってなんとか生きていけるかもしれないですけど。

とにかく魔法とか、魔物とか、ファンタジーなんですよ! 楽しくいきたいじゃないですか? お付き合いくださいね?

素直で可愛い妹が欲しかったんですよ!


だって天使じゃないですか。ティシェールは一人っ子な深雪の理想の妹なんです。

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