第八話 あの時神界では?
神界では、ロキがこっぴどく怒られていた。
時期はハジメが異世界に送られた直後に遡る。
「お前は何度言ったらわかるんだ。あれほど外の管轄には手を出すなと言っただろうが」
渋い男が幼女を責め倒している。
「ごめんなさいぃぃ。だって、面白そうだったんだもん~~~」
幼女も大泣きで土下座の姿勢を崩さない。
「兄上、もうそのくらいで。姉上も反省されていると思いますので」
「ヘルブリンディ。そもそもお前がついていながらなぜこのようなことになるのだ?」
完全にヘルはとばっちりである。
「私も再三進言したのですが姉上は止まらず……」
もうやめてあげて。ヘルのHPは0よ状態である。
「ほう。弟の進言を無視したのか?ロキィ!!!」
「ひっ……」
ロキはうずくまっている。
渋い男、何を隠そうこの男はロキとヘルの兄である、ビューレイストである。
ビューレイストはふと、ロキが触っていたPCのモニターが目に入った。
「それで?なぜあの男をここに連れてきた?」
「それは、先ほども申し上げましたが面白そうだったからで……」
「面白そうと言っても、何に興味をひかれたのだ」
「ビュー兄さま、ハジメは運-98に不運持ちというこの世の絶望のあらんかぎりを背負い込んだ男です。ですので……」
「さらに弄って遊んでやろうと?あまつさえ、運を-99にしてやろうと?」
「……はい」
ビューレイストの目がカッと開き、ロキの頭に拳が振り下ろされた。
「お、おおぅぅう、、、?」
ロキも衝撃に目の前に星が飛んでいる。
「してロキ、この男のパラメーターこれで完成なのだな?」
「は、はい……?そうですが、なぜそのようなことを」
「そうか。ではこの男、ハジメに詫びも込めて俺からも加護を付けてやろう」
「なぜです!?」
ロキは必死に抵抗するが、まさかのここでヘルが乗ってくる。
「それでしたら私も!!」
「ヘルブリンディ。お前も詫びたいというのか?」
「はい。ハジメ様にはご迷惑をおかけしましましたので」
「よろしい。では俺はハジメにカリスマの加護をつけることとする。ヘルブリンディはどうするのだ?」
「私は、各種耐性を。きっと見知らぬ世界でストレスもあるでしょうし、もしかしたら姉上の付けた強靭が災いして、負った傷では死なないが感染症を引き起こすかもしれませんし、この世界は呪いもあるので」
「わかった。それでは加護を付けるといい」
「ありがとうございます!!」
ヘルは精一杯の力で加護を付与するが、そもそも贈り物もあるうえでなので結局贈り物にプラスして加護で二重付与状態となったハジメである。
「ロキよ」
「はい……」
「ハジメのパラメーター変更は以降出来ぬよう、俺の方でロックするがよいな?」
「そんな!ビュー兄さまと言えど横暴です!」
「またこれを落とされたいのか?」
ビューレイストが握りこぶしをちらつかせる。
「……それで……いいです」
さすがのロキも折れるしかなかったようだ。
「ではこれでロック完了だ。して、ロキよ。ハジメの運だが、お前操作を間違えたのではないか?-99ではなく+99になっているぞ?これに豪運、カリスマ、各種耐性、強靭。とんでもないチート転生者になってしまったな」
はははと笑いながらその場を去るビューレイストだが、そんなことはロキにとっても寝耳に水だった。
「えっ??嘘??噓でしょ!?何よこれ、なんでこんなことになってるのよ!?」
思い返してほしい、キーボードを握りこぶしで押すからいけないのだ。
「いいわ。こちらから干渉できる範囲で干渉しまくってやるわ」
「姉さん……」




