第六話 これがあなたのステータスよ
ロキは満面の笑みである。
ロキは俺に向かって右手の人差し指でちょいちょいとこちらに来いというような仕草をする。
ムカつく神様だなこいつ。
「あぁ!?なんですって??」
「なんでもねーですよ」
俺は不貞腐れながらロキの目の前に行くと、ロキは俺の目の前に手をかざすと俺の目の前に大きなスクリーンのようなものが広がった。
「これがハジメの新しいパラメータよ。最高の出来だと思わない?」
おお。これが異世界転生で定番のステータスってやつか。
「最高の出来とか言われても、俺にはどう見たらいいのかすらわからんのですが?」
ジト目でロキを見るがロキは自身の最高傑作とやらにご満悦で俺の方を見もしない。
「私が見方をご案内しますね」
ヘルが補足を入れてくれる。
ヘルこそ本当の神様なんじゃないか?と思わせる至れり尽くせり具合だ。
「まず、ハジメ様が一番わかりやすそうなものとして、HP、MP、SPあたりですね。こちらは体力、魔力、技術力と言ったところでしょうか。体力、魔力はおそらくニュアンスで伝わると思いますがSPは何かしらスキルを使うとSPを消費します。0になってもどうにもならないですが、スキルが回復するまで使えなくなるという感じですね」
「それは確かにイメージしやすいです」
気になるのは、その右側に表示されてるほうだ。
「やはり気になるのはこの右側ですよね。右側はそれぞれのパラメーター、攻撃力や魔法攻撃力防御力、魅力、運などでっ、姉上!なんですかこの運-99って!!」
やっぱりやりやがったな。
「最高でしょ?いままでカンスト手前だった運を振り切ってやったわ!これで何が起きるか見てみたいのよねぇ」
「ヘルさん、俺、次の世界で即死のフラグ立てられたんですが」
「ハジメ様……。姉上。これは私も認められません。どうか修正を」
「早合点するんじゃないわよ。よく見て。不運を消して豪運にしてあるでしょ。これなら時たますごいいいことが起きるか、豪運が-99の運を相殺させて人並みぐらいになるかもしれないわ。それに、寿命は有限でも、多少のことでは死なないように強靭も付けてるじゃない」
ん~よくわからんが、前の人生より多少ましってことか?
「なんでこんな天邪鬼なパラメーター調整するんですか姉上。これ、極論死ぬか生きるかを2択で賭け続けることになるじゃないですか」
「そうよ。アタシのおもちゃなんだからアタシの期待を裏切るぐらいの波乱万丈な方が見てて飽きないでしょ」
俺そんなピーキーな性能にされたってこと?でも、いままで確定で悪いことしか起きなかったのが2択でいいことも起きるならまぁこれも悪くないかと思えてきた。
「そんなこと言わず、せめて運をもう少し改善してください!!」
ヘルはロキに食って掛かって、ロキのPCを操作して運の数値をあげようとしている。
今モニターがちらっと見えたが、パラメーターって選択してキーボードの上と下キーで変更なのね。
何と現代日本みたいな仕様なんだ。
ヘルとロキが押し問答している間に、俺の運のパラメーターが-99と-98を行ったり来たりしている。
俺としては、何でもいいけどそろそろ確定させてくれないかなと思っているところに、かなり渋いダンディな怒声が聞こえてくる。
「ロキ!!お前、また別の管轄の世界から魂と体を引っ張ってきたな!?」
「やばっ!ビュー兄さまにバレたわ!あーもういいわ。ハジメもう行きなさい!」
そういって、ロキはキーボードのエンターキーを握りこぶしで叩いた。
その場にいた全員が見逃しているが、ロキがキーを握りこぶしで叩いた時に、先に下キーが押されてカンストした運の数値が-99からさらにマイナスにしたことで+99になっていたことを。
そういえばヘルさんがロキの世界に入ったら贈り物がって言っていたな。
なんだか胸のところが温かい気がする。
俺はそのまま意識が遠ざかっていった。




