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【祝・追放100回記念】自分を追放した奴らのスキルを全部使えるようになりました!  作者: 高見南 純平
第1部 追放からの旅立ち

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第58話 变化

 まず最初に仕掛けたのは、やはりやる気満々のデフェロットだ。


「喰らえ! 【エアスラッシュ】」


 遠距離技でまずは牽制するつもりのようだ。強力な斬撃が、ララクに向かって飛んでいく。


「【ウェポンクリエイト・ハード】+【ウィンドスラッシュ】」


 ゴールデンソードを作り出して、そのままの流れで風の斬撃を放った。


 複合スキルの【ウィンドスラッシュ】のほうがまずスキルとして強力だ。それに加えて、ララクとデフェロットのレベル差はあまりなく、身体能力はララクの方が高い。

 なので当然、2人のスキルがぶつかり合った時に、勝つのはララクの放った斬撃だ。


 デフェロットの【エアスラッシュ】を打ち消した後、勢いをそのままにデフェロットの元へと風の刃は強襲する。


 風力を持ったそれの速度は凄まじいが、その攻撃は隣にいたガッディアが盾で防いだ。


 大盾には傷がつくものの、まだ耐えられるだろう。

 だが油断はできない。ララクの【エアスラッシュ】はケルベアスの首を切断したことがある。さすがに、その時よりも剣を振るスピードなどを抑えているので、彼らが真っ二つになることはないだろう。

 しかし、ララクの方が致命傷を与えてしまう可能性は大いにある。


 デフェロットたちは、そういった強敵に勝負を挑んでいるのだ。


 小さき者だが、実力は化け物よりも恐ろしい。


「私も行くよ! 【刺突・乱舞】っ!」


 盾で守ったことを確認したゼマは、追い打ちをかける。【伸縮自在】が付与されたアイアンロッドで、遠距離からの連打を繰り出す。


 シームルグ戦でのレベルアップにより、さらに鋭さやキレがましている。そしてすっかり、伸縮の効果を使いこなしていた。


 大盾とアイアンロッドの先端が激しくぶつかり合う。鉄と鉄が衝突しあう音が平原に響いた。

 人間相手ではないせいか、ゼマは容赦なく乱舞を叩き込んでいる。いや、彼女の場合は生身の人間であっても同じことをするかもしれない。


「っく、やはり彼女は相当の実力者だ」


「あの棒、なんで伸びやがる」


 盾の後ろで2人はゼマの情報を分析しあう。デフェロットはまだ、アイアンロッドに【伸縮自在】の効果が追加されていることを知らない。


「ぐぅぅうぅぅぅ」


 ゼマの攻撃を耐えていたガッディアが、急にうめき声をあげる。

 それもそのはずだ。彼の盾に、巨大な岩がぶつかったのだ。


【ロックブラスト】

 効果……岩を生成し、相手に放つ


 シンプルながら、威力は抜群だ。

 発射スピードに難があるが、ゼマがガッディアの動きを止めていてくれたので、充分な時間がララクに与えられていた。


「こんなスキルも持ってやがるのか。おいガッディア、大丈夫か?」


「……くっ、始まったばかりだが、やはり素のままではララクに勝てない。下手をすれば瞬殺だ」


「……もう少し温存したかったが、仕方ねぇか」


「ああ。ここで倒れたら元も子もない」


「だがよぉ、この名前はどうにかなんねぇのか? ダサすぎんだろ」


「そ、そうか? っく、デフェロットもう限界だ」


 ガッディアの体は徐々に後ろへと下がっていく。デフェロットと喋っている余裕がなくなりつつあった。


「っち、やるぞガッディアっ! 気張れよ!」


「ああ、頼むぞデフェロット。一矢報いようじゃないか」


 ガッディアの後ろに隠れていたデフェロットは、手にある紋章を前に出す。

 そして彼がスキル名を宣言すると、紋章が一気に光りだす。


「【キズナ変化へんげ】!」


 紋章の光は彼ら2人を包み込む。そして、【ロックブラスト】で作り出した巨大な岩が爆散した。

 散らばった岩石の破片が、ララクたちに襲いかかってくる。


「な、なんだ?」


 ララクは剣で岩を斬り、なんなく回避する。が、目の前で何が起こっているのかは理解できていない。


「あれが、あいつの言ってた力?」


 ゼマも乱舞を使って岩を撃ち落としていく。彼女は、今のスキルがデフェロットが試したがっていた「新しい力」だと予想した。


「ララクの奴、びっくりするんだろうね」


 観戦していたレニナが、隣にいるジュタに声をかける。彼らは、デフェロットたちに何が起きているのか理解しているようだ。


「あれは誰でも驚きますよ。あんな姿になっちゃうんですから」


 光に包まれた2人が、ついに姿を現した。


 彼が発動したのは【キズナ変化】。文字通り、キズナの力で別の姿に変化するのだ。


「な、なによあれ」


「ボ、ボクも分からないです。何が、起きてるんでしょうか」


 レニナの予想通り、ララクたちはデフェロットたちの姿を見て驚愕していた。


 さっきまでいたはずの人間はもうそこにはいないのだから。

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