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【祝・追放100回記念】自分を追放した奴らのスキルを全部使えるようになりました!  作者: 高見南 純平
第1部 追放からの旅立ち

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第45話 考察

「噂で聞いたことがあるが、隠れスキルというのは強力な効果ほど条件が厳しいと聞く」


 ガッディアは一度、隠れスキル自体について考えを巡らせることにしたようだ。

 そこで例となったのが、ララクの【追放エナジー】だ。

 あれは、100回も追放されるという異常な状態にならなければ得ることのできないスキルだ。

 しかし、その代わりに大量のスキルを一度に得られるという、とんでもない効果を秘めていた。


「あ、僕も聞いたことがあります。え、でもそれじゃあ、言葉はあれですけど、そんなに強力なスキルじゃないってことですか?」


 デフェロットをちらちらと見ながら、小声で話すジュタ。距離は近いので当然、本人にも聞こえているわけだが。


「いや、逆の可能性もある。難易度が高いか、めったに体験しないようなことのために、数字が低く設定されているのかもしれない」


「な、なるほど。じゃあ獲得条件は、「ほとんど達成されることはないほど困難だけれど、2回はデフェロットさんが経験したことがあること」ってことですね」


「え、じゃあそれこそ恋人なんじゃ」


「お前は黙ってろっ!」


 冗談か本気か分からないが、しつこいレニナに対してデフェロットは怒鳴り散らす。この話を膨らませないということは、交際経験は2回ではないということだろう。


「……ん、もしかしてこれはどうだ?」


「なんだよ、何でもいいから言ってみろ」


 というデフェロットだが、レニナが奇抜なことを言えばすぐに否定することだろう。


「瀕死、状態になったことじゃないか?」


「……」


 デフェロットは何かを悟ったのか、反論も肯定もしなかった。


「ガッディア、どういうこと?」


 それに対して、レニナの方はピンとこなかった。


「俺たちは、以前の戦いで死にかけた。それがきっかけでさらに成長を遂げるために、ジュタを探しに来たわけだ。

 もちろん、俺たちは何度も傷ついてきた。回復が必要だと感じて、ヒーラーを加入させたこともある。

 だが、あれほど絶体絶命まで追い込まれたことは、なかったはずだ」


「うんうん、あの時は完全に死んだと思ったっけ。あれ、でも1度じゃ関係ないんじゃない?」


「ああ。だが、デフェロットは俺たちと組む前はソロだったはずだ。ソロは敵の攻撃が自分に集中する分、ダメージを負いやすい。

 その時に、ケルベアス戦と同じほど追い詰められた時はなかったのか?」


 あまり聞かれたくない質問、だと認識しながらも、ガッディアは獲得条件の究明のために尋ねた。


 レニナとジュダも、デフェロットが口を開くのを待った。ジュダは、「ケルベアス」というとんでもないワードを聞いて、少しビビっているのをひた隠ししながら黙っていた。


「……あるに決まってんだろ」


 ガッディアの予想通り、彼には苦い思い出があったようだ。


「じゃあ、決定じゃない? ちょっと道徳的にあれな気がするけど、こいつをもう一度瀕死に追いつめればいいんでしょ?」


 残酷なことを言いながらも、少しだけ楽しそうに話す。その様子が、彼女のことを詳しく知らないジュダには少々恐怖だった。


「……残念だが、それは条件にあてはまらねぇ」


「どういうことだ? デフェロット」


「俺は何度も死にかけてきた、って言ってんだよ。成りたての頃は、ゴブリン相手でも死にかけた。

 それでも何度も戦いに挑んで、ようやく戦えるようになってきた。

 けど、1人じゃ限界感じたから、お前らと組むことにしたんだ。

 っち、こんなこと言わせんな」


 珍しくデフェロットはうつむいた。乱暴な口調の彼のことだ、そりの合う同年代の冒険者がいなかったのだろう。

 武器系統のスキルを持っていたので、ジュダと違ってなんとかソロでもモンスターを倒すことが出来たのだろう。

 だが、それは危険で険しい道のりだったのだ。


「ふーん、そうだったんだ」


「そうか、すまんな。辛いことを聞いた」


「別に辛くなんかねぇよ。お前らだってそうだろう? 順風満帆に強くなんてなれなかったはずだ。

 おいジュタ、よく聞け。伸び悩んでんのはお前だけじゃねんだ。強くなるためには死にかけることだってある。

 その覚悟は、いいな?」


 突然、自分へと話題が移ってジュタは、首を小刻みに揺らしながら驚く。

 だが、自分を真っすぐ見つめるリーダーの目を見て、すぐに気を引き締め直す。


「も、もちろんです! 覚悟の上です!」


「……よく言った。じゃあ、さっそくクエスト行くぞ」


「え、今からですか!?」


 また話が急カーブしたので、オーバーなリアクションをジュタはとってしまった。


「おい、デフェロット本気か? 獲得条件の話はどうするんだ」


「そうよ。それにもう夜だよ? 今日疲れたし」


 夜にクエストを挑むこともなくはない。ギルドの多くは、24時間営業している。緊急でモンスター退治の依頼が入ることもあるからだ。


「クエスト受けて、モンスターを倒しながら消去法で探してくんだよ。

 思い立ったらすぐに行動するんだよ。おい、ガッディア。1回ぐらい寄り道したって文句はねえだろ?」


「あぁ、それぐらいは構わん」


「よっし。いくぞ、お前ら」


 デフェロットは立ち上がり、クエストボードへと向かっていく。レニナもぶつぶつと文句を言いながらも、それについていった。


「ジュタ。まぁ、あいつらは色々と問題も多いが、なんだかんだ頼りになる。俺たちも行こう」


「は、はいっ!」


 ジュタは新しく加入した疾風怒濤のメンバーと一緒に、クエストを探しに行くのだった。

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