表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【祝・追放100回記念】自分を追放した奴らのスキルを全部使えるようになりました!  作者: 高見南 純平
第1部 追放からの旅立ち

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

16/163

第16話 魔狼島の噂

 シーサペントの討伐から少し経ったときのことだ。

 ララクは次にどのクエストに向かうか吟味していた。


 冒険者ギルドのクエストボードの前で、しばらく悩み続けている。


(オークの討伐に、ガーゴイルの討伐。うーん、そう簡単に上級モンスターの依頼はないか)


 彼はこれまで戦ってきたモンスターと同レベルかそれ以上の相手を探していた。しかし、クエストを見る限りは、中級モンスターの討伐ばかりだ。


 ギルドによって貼られる内容は違うが、ここは低級から中級の討伐依頼が主で、まれに上級モンスターの依頼が舞い込んでくる。


(ん? なんだろうこれ)


 討伐依頼を中心に見ていたが、少し違った内容のクエストにも目を向けると、気になるものを発見した。


【魔狼を探してくれ】


 あなたは魔狼島という場所を知っているかな? 近辺の海のどこかにあると言われている無人島なんだが、そこに謎の魔狼がいるって噂なんだ。だが、実際に確認した人は1人もいない。

 探しに行った連中も何人かいるのだが、ただの無人島を見つけるか、そのまま帰ってこなかった。

 おいぼれの興味にすぎないが、気になって仕方がないのだ。

 ぜひ、このクエストを受けて欲しい。


          依頼主・ジンド図書館館長



(魔狼島。そしてそこにいる魔狼……。強敵の予感が凄いするな)


 もし本当にいるのなら、その実力を確かめたい。そう感じたのか、討伐依頼ではないが関心を持ったようだ。


「よし、これにしよう」


 張り紙を剥がし、いつものようにカウンターへと向かっていく。

 しかし、それを見た受付嬢の表情は芳しくなかった。


「ララク、このクエストはやめた方が良いよ」


 これまでのクエストの実績から、ララクが一人前の冒険者になったことは知っているはずだ。それでも、このクエストを受けることに否定的なようだ。


「どうしてですか? ボクじゃまだ、実力不足ですか?」


「そういうわけじゃないわ。誰であっても、このクエストは大変だと思うよ」


「というと?」


「書いてある通り、このクエストを受けた人は何人もいるんだけど、誰1人有益な情報を得られてないの。魔狼がいるかどうか怪しいってことよ。だから、探すだけ時間の無駄かもよ?」


 クエストには、シーサペントのような緊急性を要するものが多いが、このクエストのように期限が特にないものもある。そういうクエストは長期化しやすく、難易度も高い傾向があった。


「……なるほど。でも、クエストは出されてるんですよね?」


 クエストボードにずっと貼られていたということは、依頼主はクエストを破棄したわけではないということだ。


「それは、手数料は払うから載せてくれって、そこの館長が必死だからね。あなたが興味あるなら、これ以上は止めないけど」


 クエストを載せる際に、依頼主はギルドに手数料を支払う。長期化して掲載期間が延びると、その都度貰う仕組みになっている。

 なので、ギルドとしてはこのまま放置されていても問題はなかった。


「忠告ありがとうございます。でも、やっぱり自分で調べてみたいです。いなかったとしても、ここで放置したら、ずっと気になる気がするんで」


「そっか。もしあなたでも見つけられなかったら、館長も諦めてくれるかもしれないわね。雲をつかむようなクエストだから、頑張ってね」


 受付嬢はクエスト自体には否定的だったが、ララクの好奇心に満ち溢れた表情を見て、応援することにしたようだ。


「はい。まずはその館長に会ってきます」


「受けてくれたのを知ったら嬉しがると思うわ。……あ、そうだ」


 依頼書に許諾の印を押すと、彼女はあることを思いだした。


「この前言っていた話、覚えている?」


「この前って、もしかしてパーティーのことですか?」


「そうそう。その募集用紙を作ってみたのよ」


 ララクがリーダーとなって作ることになった冒険者パーティー【ハンドレッド】に入ってくれるヒーラーを募集する話を、彼女はしっかりと進めてくれていたようだ。


 彼女は手作りのヒーラーを募る用紙をカウンターに置いた。


『新パーティー【ハンドレッド】に加入してくれる、ヒーラーを募集中!』


 急成長を遂げた若き冒険者ララク・ストリーンが、パーティーを結成することに。条件はたった1つ、回復スキルを持ったヒーラー、ということだけ!

 彼は魔熊の森の主 ケルベアスや、海住まうシーサペントを討伐した輝かしい実績があります。

 まだ18歳で、これから成長する事間違いなし!

 この波に乗り遅れるなっ!



「あの、ちょっと気合い入りすぎてません?」


「そうかしら。間違ったことは言っていないつもりだけど」


 付き合いが長いこともあり、普通の募集の時よりも熱がこもりすぎている節があった。だが、ヒーラーはそもそも数が少ないので、これぐらい分かりやすい方が加入しやすいかもしれない。


「そうですけど。まぁでも、わざわざありがとうございます」


「魔狼島のことを調べるなら、少し時間が掛かるだろうし、その間に1人ぐらい声がかかるわよ」


「だといいですね。じゃあ、行ってきます」


「行ってらっしゃい、ララク」


 ララクは募集要項を確認すると、クエストに向かっていく。まずは依頼主のいる図書館へと足を運ぶようだ。


 それを見送った受付嬢は、鼻歌交じりにカウンターを出てクエストボードに向かう。

 そして、その横の目立つ場所に、パーティー募集の紙を張り付ける。


「いい人が見つかりますように」


 果たしてララクの望むヒーラーは現れるのか。


 そして、魔狼は本当に存在するのか。


 彼の新たな冒険が始まろうとしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ