勇者もどき
「えっと、、、カァシさんが女勇者、、、で、って、え!?」
「まぁ驚くのも不思議じゃない。」
いまだに感情の整理がつかない俺をなだめるように言うカァシさん。
「で、何で僕にそんな大切なことを?」
「ん?お前が勇者の後継者になるからだよ。」
カァシさんはニパッと笑い何でもないかのように答える。
しかし俺は何でもあるのだ。
まず、勇者の後継ってなに?ってところ。
そして、その勇者の後継者はなぜ俺?
「え、、、えっと、、、勇者の後継って、」
「あぁ!普通の人は知らないか。勇者とか聖女ってのはね人に勇者の能力あげれちゃうのよ。」
「えぇ!?」
俺は妹の運命を左右する勇者について詳しく調べたことがあるがそんなことが書いてある文献はいくら探してもなかった。
「そんな驚くなってば、普通の人は知らないって言ってるじゃないか。」
「いや普通の人が知らないこと教えられてるから驚いてるんですよ!」
しかし、妹は聖女で兄は勇者、、、ふむなかなか、、、
「で、能力を人にあげるってどうするんですか?」
「あげたいって思うだけ。儀式も要らないし簡単よ。ただ、、、」
「ただ、、、?」
カァシさんの口を濁す。
「勇者の能力が半分の出力しか出せなくなる。」
「半分、、、でも!それでも強いんじゃ、、、」
「そして私も先代の勇者から勇者の能力をもらっておる。」
「つまり、、、4分の1?」
「そう。受け継いだとしてもせいぜい勇者もどきってところかな。」