カァシ
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結局昨日は魔法の練習をしていたのだがほんの少ししか上達しなかった。
原因は分からない。ただやっぱり我流だと限界があるのだろう。
「考えていてもしょうがないな、、、、」
もし魔法が体質的に合ってなくて出来なかったとしてもその場合は剣術を磨くだけだ。
そう、全ては妹のために、、、、!
俺は決意を固めて筋トレを始めた。
「坊っちゃん!講師と名乗る方がお見えですよ!」
昼過ぎ、もくもくと筋トレをする俺のもとに使用人さんの一人が駆け寄ってくる。
おそらく両親が雇ってくれた人だろう。
昨日魔法に関しては失敗したから気分的には剣術の人が来てほしいのだが、、、、
「分かりました!今行きます!」
俺は腹筋の体制からバネのように跳ね起きる。
使用人さんは少し驚きつつ案内をして玄関まで連れていってくれた。
「君が例の坊っちゃんかい?」
玄関に行くと初老のおばさんが立っていた。
「はい!フォックレスと言います。よろしくお願いします。」
剣術か魔法の講師かは不明だが挨拶をしておく。
俺の挨拶を聞き終えるとおばさんは感心したかのように俺のことを見つめる。
「こりゃ良くできた子供だねぇ。私はカァシ、あんたの剣術の講師になった過去の栄光にすがるババァさ。」
どうやら話を聞く限り昔はすごい人だったらしい。
「さぁ、早速あんたの現状の力を測るために模擬戦をするよ。木刀があったらもっておいで。」
俺は部屋から木刀(素振り用)を持ってきて玄関からおばさんと一緒に中庭に向かう。
「どこからでも良いからかかっておいで。」
そう言うとおばさんは庭に落ちていた木の枝を持ち構える。
oh、、、、早速ナメプ、、、、
しかし俺は焦らずしっかりと木刀を握りしめる。
「はぁっ!」
俺は剣術なんて知らないから変に小細工せず真正面から全速力で突っ込む。
「おや?」
カァシさんは少し驚いたような顔をして木の枝で俺の攻撃を受け流した。
「おわぁっと!」
俺はスピードを制御できないまま茂みに突っ込む。
「はい、そこまで。」
俺は茂みから飛び出て服についた小枝を払う。
「あんた、その年で相当努力しただろう」
どうやら俺が他の子供より身体能力が高いのは見抜かれたようだ。
「はい!魔王討伐が夢なので。」
俺は真面目な顔で答えるとカァシさんはまじまじと俺のことを見て言った。
「あんたなら出来るね。その年から剣術を特訓したら、、、、面白いねぇ。」
そう言うとカァシさんはニヤニヤ笑い木の枝を捨て、木刀を取り出した。
「あんたが筋トレを自主的にしてたおかげで手間が省けて助かったよ。」
するとカァシさんは木刀を構える。
「剣術って言うのは自分でつくるもんなんだよ。今日から私に打ち込み訓練さ。」
するとカァシさんは俺の額に一瞬で一撃を決めた。
俺は体制を崩し芝生に倒れた。
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