謁見
勇者になれるかもしれない(勇者もどきだが)と知った俺は、カァシさんの指導の下に、鍛練をしていたある日、王都から手紙が届いた。
内容は、半年に一回ある聖女である俺の妹が育っているか王様が見るというものだ。
用があるのは妹のため俺は毎回行かないで親がいないのを良いことに夜中まで筋トレや勉学に励んでいたが、前勇者のカァシさんに気に入られている俺極秘情報だが、王様には筒抜けだったらしい)俺も何故か王様に謁見されなくてはいけなくなり、王都に行かなければいけなくなったのだ。
そんなこんなで今は王都にいるのだが、右を見ると果物屋、左を見ると武器屋、王都は俺が思っていた以上に賑わっていた。
「城はこっちだから、、、おい、フォックレス見ていないで速く行くぞ!」
「あ、はい!父上、」
そうして父上としばらく歩いていると、でかい城が見える、そこにいる門番の人と少し話をし、やがて中に入ると天井が高く、キラキラと様々な物で装飾された内装のフロアが広がっている。
父上は、馴れているのかそれに目もくれず受付の人の方に行き、招待状を見せる。
「では、こちらです。」
受付の人と一緒にしばらく歩くと赤色の両開きドアが見えてくる。
そこに来ると受付の人は何処かヘ行ってしまう。
「母上、ここは?」
「王様の場所よ、失礼のないように、」
俺の親は一回身なりを確認してから、父上は扉を開ける。
すると、そこは上座に王様が席に座るようになっている、謁見室のようなものになっていた。
「おぉ、来たか、ヘレジア。面倒くさいことをしてしまい、すまないな。」
「お気遣い感謝します。ルーへキ陛下」
見た感じ父上と話している30半ばのイケメンが王様のようだ。
「それで、聖女の健康状態は?」
「陛下の支援のお陰で、健康に育っております。」
「そうか、それは良かった。それで、、、その子が例の勇者候補の、、、」
「はい、フォックレスです。」
俺は王様に見られ!緊張しながらも挨拶をする。
「フーム、見た目ではそこまで強くはなさそうだが、、、あのカァシが見込んだとなれば相当の努力家なのだろうな、、、。フム、ではジェンド、」
「はい!」
王様の隣の10歳程の子どもが前に出る。
ちなみに俺は9歳で、ほとんど体格は変わらない。
「私の子供も訓練を受けていてな、、、勝てたら、何でも好きなものをやろう。」
「「「「「「「、、、ヘ?」」」」」」」
急な発言に周りは王様の家臣を含め絶句した。