奴が再びやって来る
北斗ちゃんは執務室を覗き込むとトントンと軽く戸の縁を叩く。
「|• •๑)”ㄘラッ♡弎坐!精が出るね♪今帰ったよ!」
北斗ちゃんの声に反応した弎坐はおもむろに面を上げると、戸口の方を眺めた。
「|•̀ω•́)✧ あ!北斗ちゃん♪」
弎坐は健康診断の計画を練っていたのだが、思いの外、今のところは順調に来ていた。
「|• •๑)” で!計画書は順調かな?」
「うん♪σ(>ω<*)♡今のところはね♪何しろ、相手は総じて皆さん特級の重要人物ばかりだからね!気が抜けないよ♪」
「(๑´❛ ᗜ ❛)੭ ੈそうだな!確かにね♪苦労をかけるが宜しく頼むよ!」
北斗ちゃんは頭を下げる。
「嫌だなぁ…⁽⁽ღ(-ω-*)北斗ちゃんはそれで無くとも忙しい身の上なんだから、気を遣わないでよ♪あちきが今、お役に立てるのも、これ全て北斗ちゃんのお陰なんだから!…」
「…始めは何とか役に立ちたい一身から出た行動だったけど、今や人を助けるこの仕事にその身を捧げる覚悟も出来た。常に目的意識を忘れずに邁進して来た君の姿勢がそうさせたんだと想う…」
「…これはあちきに限らず、皆そう想っているんじゃないかしら?あちきはだからこれが苦労だなんて想ってやしないよ♪逆に役立てる事に喜びさえ感じているからね!だから気にしないでって事かな?」
そう述べる弎坐の表情は明るくそして逞しかった。見つめる北斗ちゃんも想わず頬を緩めて笑みを浮かべる。
『( ๑•▽•)۶”逞しくなったな!そして頼もしい…』
彼はそう想い嬉しかったのだ。
「(๑´❛ ᗜ ❛)੭ ੈ時に馬超殿の件だが?…」
北斗ちゃんがそう口をつくと、弎坐はすぐに反応を示した。
「あぁ…⁽⁽(-ω-*)それなら心得てますよ!董允様の伝書は伊籍様から拝聴しました。どうもすこぶる体調が宜しく無いようですね?でもご安心下さい。あの方は到着次第すぐに華佗せんせに観て頂く手筈にしとります♪」
「あぁ…(๑´❛ ᗜ ❛)⁾⁾ それは有り難う♪ならば安心だね!なにぶん体調の変化はこちらでも予測は着き難い。あの方はこれからの蜀にはまだまだ必要な御方だからね!父上や皆を失望させる訳にはいかないから、何とかしたいと想っているんだ…」
「…その近道は何と言っても華佗せんせしか居ない。それが喩え一縷の望みであっても、人ひとりの命だから最善を尽くすとしよう♪」
「うん♪σ(>ω<*)♡勿論だよ!」
二人はいつの間にか医師そのものに成っている。否、無論…元々医師なのだが"チーム北斗ちゃん"を発足当時には考えられなかった会話をしているのだった。
二人共にそれだけ華佗先生の影響を深く受けて、人の命に対する重さを認識していたのである。
「(ღ-ω-*)一応、今考えてるのは、三人で診断をして…重篤な問題を抱えている人はせんせに廻すと言ったところだね!馬超殿の様に端から問題を抱えている人はせんせに委ねる。ここは徹底したいんだ♪あと三人てのは、あちきに管邈様、そして費禕だよ!」
「(´°ᗜ°)✧ へぇ~成る程、考えたね♪費禕はある意味、二番弟子だからな!でも武陵太守のお役目の方は大丈夫なのかい?」
「うん♪σ(>ω<*)そこはあちきも頭を絞った。だから予め、打診してみたんだ!そしたら二つ返事で承諾してくれた。費観も賛同してくれたらしい。それにあそこには、 文武両道の智将である張翼が残っているからね♪しばらくは全く問題無いそうだよ!」
「そうか!(•• ๑)確かに♪しばらく振りに費禕にも逢えるな!こりゃあ久々に愉しみだね♪」
「うん♪σ(>ω<*)♡あちきもそう想う。せんせもそう抑有っておられたよ!」
「そうだね!(๑´❛ ᗜ ❛)੭ ੈ久々に積もる話しが愉しみだ♪」
北斗ちゃんもそう応じた。
『それにしても…(°ᗜ°٥)』
彼は想わず苦笑する。
『(٥´°ᗜ°)張翼は良くやってくれている。彼は元々、丞相が僕のために派遣してくれた筈だったのだが、趙雲親子の咄嗟の機転により、赴任先を江陵城から公安砦に方向転換したのが、ある意味彼の運命を左右させてしまった。申し訳ない事だ…』
彼は自然とそう呟く。
『(٥´°⌓°)でも彼があの時にあそこに居なければ、早急な決断も、果たして出来たかどうか、すこぶる怪しかっただろう。彼は、"あの雲は災害の前兆だ"と言って早期撤退に貢献してくれた。彼はそれこそ、一刻の遅れが全滅に繋がったであろう大惨事を救ってくれた立役者なのだ!』
そして彼はその流れのままに今に至るのである。あれから災害で大雨に閉ざされ、復興や民の救出に追われた。そして河川整備や健康診断などの準備に着手する中で、北斗ちゃんも彼の存在をいつの間にか失念していたらしい。
彼もけして万能では無かったのだ。まぁ彼も何を言わんや、世間的に見ればまだ子供に毛が生えた部類なのだから仕方無いのである。
『(°⌓°٥)いずれ彼の力が発揮される時も必ず来るに違いない。今は申し訳無いがひたすらに忍従して貰う他無いか…』
彼はそう想い、張翼の将来的な扱いに慎重を期そうと心に深く念じたのだった。
けれどもそれはある意味、杞憂だった。幸いな事だが、張翼という人はさすがにあの張良の子孫なだけあり、その程度の事でめげる事は無かったのである。
彼は常に今をもっとも重視しており、彼が今ある現状の中で自身を高め、貢献しようと考える人であった。彼は自分を憂う事無く、只ひたすらに邁進した。
費観や費禕の持つ能力を見極め、吸収しながら、彼らに足りない部分を補うばかりか、互いに教えを乞いながら切磋琢磨する道を選んだのだった。
『住めば都…(ღ。- _-。)♡どこに居ようとも、どんな立場に置かれようとも、ワイはワイやん♪変わりゃせんて!!』
彼はそんな具合に呆気ら感と心だけはのんびりと構えていた。そしてやがて彼の力が発揮出来るその日まで、遂ぞその努力を怠る事は無かったのである。
北斗ちゃんの許に集う仲間たちは、大なり小なり彼の影響を受けて、自分で考え行動するようになるが、張翼はその影響をほとんど受けぬままに、自然とそういった行動が取れた数少ない人物のひとりである。
或いは、費観や費禕など古参の近習を通じて、その想いが伝わっていたのかも知れない。
「(๑´❛ ᗜ ❛)੭ ੈでは、引き続き宜しく頼むね♪やっぱ弎坐に任せて正解だった!有り難うね♪」
北斗ちゃんはそう言うと、邪魔しない様にと、そそくさと引き上げかけたのだが、おもむろに踵を返すと弎坐に尋ねた。
「(´⸝⸝• •⸝⸝)੭⁾⁾そう言えばつい先程、田穂の所在を知ったんだけど、君なにか聞いてるかい?」
「あぁ…⁽⁽ღ(-ω-*)田穂殿なら、若君が森に出掛けた後に顔を見せましたよ♪何でもひとりで江東に潜服されていたのだとか!何か報告したい事があった様です♪…」
「…管邈様の事も聞かれましたので、若君は趙雲将軍のところで、管邈様は華佗せんせのところですと申し上げると、少し仮眠でも取るかと申されてましたな?」
「あぁ…(´°ᗜ°)✧ 成る程、それで合点が行った。災害発生以降、顔を出さないもんだから、少々心配していたんだ。今日たまたまお逢いした御仁から消息を耳にしてね、確かめたくてヤキモキしていたんだ…」
「…それなら、いずれ顔を出す事だろう。疲れているだろうから、しばらくはそっとして置くとしようか?君も余り根を積めぬ様にね!身体に障るからな♪」
「うん♪σ(>ω<*)♡医者の不養生って奴でしょう?あちきは御覧の通り心配ないよ!北斗ちゃんこそ余り無理しないでね?夜はちゃんと眠れているかい♪」
「あぁ…(°⌓°٥)僕は若さだけが取柄みたいなものだからね。心配無いよ!」
「なら安心だね!(ღ-ω-*)そう言えばそれで想い出したけど、君のキュッキュ君は傅士仁殿の肝入りで、田穂が江東に連れて行っていたらしいね♪とても役立ってくれたと感謝していたよ!」
「おやっ?そうかい…ꉂꉂ(°ᗜ°٥)それは良かったな!しばらく逢わないと想いきやって感じかな?余りこれは公然と言いたくは無いんだけれども、僕は少々持て余しているんだ…」
「…嫌じゃ無いんだが、あの闇夜に光る鋭い眼光を一度でも目の当たりにした日には、苦手意識も生まれるというものだよ!君なら判ってくれると思うのだが…」
北斗ちゃんは勇気を持って告白した。
こんな機会はもはやこれを逃がせば無いに等しい。彼にだって苦手はあるのだ。
「そだね♡(ღ-ω-*)そういう事ならあちきが安生やりますよ♪田穂殿にはそれとなく話しておきましょう!」
「すまないね♪⁽⁽ღ( • ᗜ •٥ღ)この通り!」
「σ(>ω<*)♡否々、お安い御用です♪」
こうして北斗ちゃんは引き上げた。弎坐は引き続き計画書に目を落とし、想定されるあらゆる疑問の洗い出しに埋没して行くのだった。
秦縁は約束の夕方近くに為るとボチボチとやって来た。彼は約束は必ず守る男なのである。
それは田穂も身に沁みて判っていたから、首を洗って待っていたと言うべきであろうか。キチンと身なりを整えて、管邈共々彼を迎えた。
「(ღ❛ ᗜ ❛´๑)おやおや、これは管邈殿!久しいなぁ♪」
秦縁は長年の友人を懐かしむ様に管邈を見つめている。
「えぇ…(*´꒳`*)♡ご無沙汰しておりました。秦縁殿もお元気そうで何よりです♪ここで再会するとは、これもまた御縁なのでしょうな?」
「そうだな♪(ღ❛ ᗜ ❛´٥)時に先日、災難に見舞われたそうだが、命に触らなくて幸いだったな!にしても塞翁が馬とは良くぞ言ったものだ♪」
「(*´꒳`*٥)確かに仰有る通りです♪この死に損いもお陰様で良い主君に巡り合う事が叶いました。本当に何が幸いするか判ったもんじゃありません!ですが斬られるのは金輪際、ご免被りたいですな♪あれは痛い!」
「(ღ❛ ᗜ ❛´)だろうな♪用心召されよ!何にしても陸遜には安易に近づかぬ事だな!」
「(*´꒳`*٥)肝に命じていますとも!」
二人はそう結論着けると、ワッハッハと笑い始めた。田穂は呆気に取られていたが、秦縁の一言で我に返る。
「それで…ღ(❛ ᗜ ❛´๑)✧田穂殿、約束通り繋いで下さるのだろう?」
「ん?あぁ…ღ(`ー´ )勿論ですとも!男と男の約束ですからね♪あっしはこれでも義理固い男です!」
田穂は力強くそう述べた。すると、秦縁は少々困った様にこう答えた。
「アッハッハ…ꉂꉂ(ღ❛ ᗜ ❛´๑)そう気合いを入れて貰えるとはとても光栄な事だが、後々事実を知れば少々ガッカリさせるやも知れん。だから正直に話そう!実は種を明かすとだね…あれから程なくして偶然、劉禅君にはお会いしたのだ!極めて偶然だがね♪」
これには田穂もぶったまげてしまった。管邈でさえ唖然としている。あれだけ忙しなく、精力的に活動する若君だ。
それに秦縁がその予定を知る術も無い。それがたまたま偶然にバッタリと出会す確率たるや如何ほどであろうか。
「(ღ`⌓´٥)そいつぁ、驚きましたな!あんたそらぁもう運命の巡り合わせですぜ?」
「(*´꒳`*٥)左様♪不思議な御縁ですな!」
田穂も管邈も口々にそう言い合う他無かった。
「あぁ…ღ(❛ ᗜ ❛´๑)✧当の御本人もそう言っておられたな!俺もそう想う。なかなかに律義な御仁であった。我らの為に、わざわざ道を開けて通して下されたよ♪ゆえに俺も挨拶だけはしておいた…」
「…改めて見参するとね♪大変驚いておられたが、まぁ喬児が予め緩衝材となってくれたらしいから、結果オ~ライと言うべきだろうな♪」
秦縁の一言一句には、敬愛の念が込められていた。相変わらず口は悪いが、江東でしばらく付き合う事になった田穂には、そう感じ取る事が出来たのである。
『(ღ`⌓´٥)"見参"ねぇ…ご立派な体格だ!さぞかし迫力があるでしょうが、これもこの人のスタイルなんでしょうな?どことなく愛嬌が有り、いつの間にか相手の懐に入ってしまう…』
『…そして決めセリフが"俺は商人だからな…"か!商人だから可能とは、あっしは決して想いませんがね?でもこの人が言うと信じられちゃうから不思議なんだよなぁ??あっしもこの人に引き込まれたひとりなんでしょうな…』
田穂はそう想い、改めて秦縁の顔をまじまじと眺めた。
「ん?何だね…ღ(❛ ᗜ ❛´๑)俺の顔に何か付いているかね?」
"何を今さら穴が開く程見る?"彼はまるでそう言っている様だった。
田穂は被りを振ると、「(`⌓´٥)いえね…あんたと若君を繋ぐ事になるなんて不思議な気がしましてね?でも光栄な事ですよ♪今では愉しみですらあります。(*`ᗜ´٥)੭ ੈそしてどうなるかワクワクしますよ♡」と応えた。
「そうかね?(๑ ❛ ᗜ ❛´)੭ ੈそれは大変嬉しいな!こちらこそ光栄だな♪」
秦縁も笑みを浮かべた。心無しか緑陽石色の瞳が輝きを増した様に見える。彼もこれからの会見に想いを馳せて、少しばかり気持ちが高ぶっているらしい。
「田穂よ!(*´꒳`*)♡そろそろ采配殿を案内しては如何かな?」
管邈はそう口を挟む。
「えぇ…(`⌓´٥)そうですね。管邈様はどうされます?」
「(*´꒳`*)私は遠慮しよう。今宵は老師と勉強会だしな♪色々とまだまだ判らない事が多いから、その分、質問も沢山あるのでな!では秦縁殿、後日また♪近いうちに一献如何?」
「あぁ…(ღ❛ ᗜ ❛´๑)無論!あなたのお誘いならいつでも♪」
「(ღ*´꒳`*)では愉しみにしとります♡」
「ああ!ღ(❛ ᗜ ❛´๑)またな♪」
こうして管邈は引き上げて行った。
「さて…ღ(`ー´*)♡では案内します♪時に趙蓮殿は一緒では無いのですか?」
「あぁ…(ღ❛ ᗜ ❛´๑)奴は置いて来た。奴にも役割分担があるのでな?」
「そうですか…(ღ`ー´*)ではどうぞ!」
「(ღ❛ 。 ❛´๑)ああ頼む!」
こうして二人は連れ立って丞相府へと出掛けたのである。
二人が丞相府に到着すると、門前にはいつも通り二人の番兵が立っている。
『(`⌓´٥)そう言えば朝は弎坐殿が執務されていたんだったな…』
田穂はそれを想い出した様に、彼らに声を掛ける。
「ご苦労様!…(*`ᗜ´)੭ ੈ丞相代理はもうお戻りかね?」
「あ!田穂様。はい、先程お戻りで御座います♪」
「(*`ᗜ´)✧ 何か託けはあるかな?」
「はい!お客様をお連れの場合は、広間へお通しするよう仰せつかりました♪」
「判った♪…(*`ᗜ´)੭ ੈ有り難う!」
「「ははっ!!」」
「ღ(`ー´*)⁾⁾ では秦縁殿、どうぞ!!」
「うむ…⁽⁽(ღ❛ 。 ❛´๑)」
二人はそのまま門を通り、門内へと歩みを進める。ちょうど執務室を通り過ぎる時に、田穂はチラッと中を覗く。すると机に向かって真険に目を落として計画表を眺めている弎坐の姿が見えた。
『Σ(ღ`⌓´٥)まだやっていたのか…念のため番兵に声を掛けておいて正解だったな!馴れない計画の策定だ!さぞかし大変なのだろう。しかも若君の期待も一身に受けておられる…』
『…だから手も抜けぬのだろう♪あんなに真剣なお顔はなかなか見れぬ。お邪魔をしては面目無いからな!だがあの直向きさは何だ!どこから来るのだろう?でも何かとても愉しそうだ♪』
そう想いながらも、目的を見つけた彼が邁進している姿がとても羨ましく、そして頼もしく見えた。弎坐が医学に目覚めたのも、田穂の捕虜となった時の経験が深く関わっていたからである。
そして彼自身もまたその事を切っ掛けとして、若君に仕える事になったのだから、不思議な御縁であった。
『ははぁ…(๑´❛ ᗜ ❛๑)✧将来の目標に突き進む男達って事なんだろうな…』
鋭い感性でそう睨んだ秦縁もまた、横目で微笑ましくもその光景を眺めていた。